トヨタ・豊田会長、ラリージャパンで「日本のプライド」を語る! ラリー・センチュリーからのクルマ文化とは

トヨタの豊田章男会長(モリゾウ)がラリージャパンのトークショーに登場。「文化に一歩近づいた」とファンの熱気に喜び、若き王者へのエールや「センチュリーは日本のプライド」とする独自のクルマ文化論を語りました。モリゾウ流の必勝法も披露し会場を沸かせました。

モリゾウ節炸裂!「センチュリーは日本のプライド」 ラリージャパンでクルマ文化を熱弁

 ラリージャパン2025の会場に設けられたパブリックビューイングステージ。熱戦が繰り広げられる中、突如として「単にラリー好きおじさん」を自称するサプライズゲストが登場し、会場は大きな歓声と驚きに包まれました。トヨタ自動車の豊田章男会長(モリゾウ氏)です。

 集まったファンを前に、モリゾウ氏は今年のラリージャパンの盛り上がりや、話題のセンチュリー、そしてクルマ文化などについて語りました。

モリゾウ節炸裂!「センチュリーは日本のプライド」 ラリージャパンでクルマ文化を熱弁
モリゾウ節炸裂!「センチュリーは日本のプライド」 ラリージャパンでクルマ文化を熱弁

 ヨーロッパでの開催が多いWRC(世界ラリー選手権)と日本のラリーの違いに触れ、モリゾウ氏は今年のファンの熱気に強い手応えを感じているようでした。

「(ヨーロッパとは)景色の違う日本のラリーが、今年はどうなるのかなと思って見ていました。SS(スペシャルステージ)の沿道から応援してくださる景色とか、そういうのが(ヨーロッパのように)なってきた。文化に一歩近づいたんじゃないかなと、嬉しく思います」

 特に、豊田市駅前で行われたオープニングセレモニーの熱狂ぶりは印象的だったとし、豊田市長の「ドヤ顔」のエピソードをユーモアたっぷりに披露。「(市長に『すごいですね』と言ったら)『お代わり』ってさせられました。『もう一回言って、もう一回言って』みたいな」と会場の笑いを誘いました。

11月6日に開催されたラリージャパンのイベントで語り合う豊田市の太田市長(手前)と豊田章男会長(奥)

 トークは、今シーズンでWRCのフル参戦を休止するカッレ・ロバンペラ選手にも及びました。若き絶対王者の決断について、モリゾウ氏は独自の視点でエールを送ります。

「彼はまだ若いですから。他のカテゴリーで世界チャンピオンを狙いたいという前向きな気持ち。『修業の旅に出るんだよ』。これからが本当の修業の旅に(彼が)出るということです」

 また、絶対的な強さを見せるセバスチャン・オジェ選手については「道との会話力が違う」と、その卓越した技術を称賛しました。

 自身も運転をこよなく愛するモリゾウ氏。WRCドライバーたちと「対決」した驚きのエピソードも明かしました。

「蒲郡のダートコースや(フィンランドの)氷雪路で、僕がルールを決めるんです。彼ら(WRCドライバー)にはレッキ(下見走行)なし。私は走り慣れた道。それでやると、コンマ何秒で勝てます」

 さらに、「フィンランドでは(現地ドライバーに)スタッドレスの経験がない。我々のチームで(氷の路面を)ツルッツルにしといて、『はい、どうぞ』と。アクセル踏んだ瞬間ツルツルに滑ってね、勝ち!」と、お茶目な「必勝法」を語りました。

話題のセンチュリーにも言及!? 「センチュリーは日本のプライド」

 話題は、11月9日まで開催中の「ジャパンモビリティショー」にも触れ、ベストカー編集取締役の本郷氏から「センチュリー」について質問が及びました。

 モリゾウ氏は、センチュリーを単なる最上級車ではない特別な存在だと強調します。

「センチュリーは、トヨタのブランドでもレクサスのブランドでもなく、日本のプライドだと思っています」

 その真意について、「センチュリーは『日本らしさ』を取り戻す戦いののろしを上げたと思っています」と力を込めました。「ありがとうと言い合える」「助け合う」といった日本の良さ、日本のものづくりの力を世界に示す象徴がセンチュリーであると説明します。

「自動車産業が日本を牽引するなら、ブランドを超え、OEMを超えて、日本のプライドみたいな車を世界の市場に提供する必要がある。それで(トヨタやレクサスとは別格の)センチュリーというのをやりました」

 センチュリーにクーペやスポーツカーの追加について問われると、「クーペやスポーツカーとおっしゃらないで、プライドなんです」と笑顔でかわし、会場の期待感を煽りました。

センチュリーがブランドとして独立! その想いは?
センチュリーがブランドとして独立! その想いは?

これからのクルマ…文化はどうなる?

 最後に、会場の石油業界関係者から「内燃機関の音や匂いの魅力とカーボンニュートラル」について問われると、モリゾウ氏は真摯に自身の考えを述べました。

「カーボンニュートラルと言われてから、モータースポーツはマイナスなのかと思った時期もありました」と率直な気持ちを明かしつつ、「モータースポーツは五感で感じるもの。音や匂いも必要だと思っています」と断言。

 かつてドーナツターンをして会社から「始末書」を書かされたエピソードに触れ、「それが今、『アート』って言ってくれますからね。同じことをやっていても(時代と共に評価は変わる)」と語りました。

 その上で、水素エンジンの開発やeフューエル(合成燃料)の活用など、多様な選択肢の重要性を訴えます。

「1つの選択肢として、五感に訴え、エモーショナルに訴えるパワー・トレインも、ぜひエンジニアに作らせてほしいと思っています。お客様に選択肢を持たせるんだというところは、ぜひこだわっていきたい。

 日本にはこれだけのマニファクチャラーがあり、これだけのファンが応援いただいてるので、ぜひモータースポーツがね、もっともっと…私なりにいけば文化となり…次々と雇用も生まれていく…というようなインダストリーにしようと思ってます」

 ラリーの熱気から日本の産業の未来まで、モリゾウ氏の情熱的な言葉に、会場のファンは熱心に耳を傾けていました。

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Writer: くるまのニュース編集部

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