トヨタ新型「カローラ」!? “7年以上ぶり”全面刷新で「大胆デザイン」に!? ガソリンエンジンも「もちろん想定」の「コンセプト」が示す次期モデルとは

トヨタは2025年10月29日、ジャパンモビリティショー2025の会場にて、新たなコンセプトカー「カローラコンセプト」を世界初公開しました。現行型は2018年6月デビュー(スポーツのみ、セダンとワゴンは2019年9月~)の「カローラ」ですが、未来に行われるはずのフルモデルチェンジを指し示すものなのでしょうか、工藤貴宏氏が解説します。

トヨタ新型「カローラ」は大胆デザインに!?

「これが「カローラ」なの!? ずいぶんカッコいいじゃん!」それがジャパンモビリティショー2025でトヨタブースに展示された「カローラコンセプト」を見ての筆者の第一印象です。

 そして同時に思いました、「次のカローラはここまで大胆に変わるのか?」と。

カローラは大胆スタイルに!?
カローラは大胆スタイルに!?

 もちろん今回の展示車両はあくまでコンセプトカーであり、このまま「次期カローラのセダン」として販売されるわけでありません。

 しかし車両説明員に話を伺うと…

「次のカローラはこういうクルマを実現したいと考えている」

「ボンネットは現行型の『プリウス』よりも低いし、Aピラーも寝ている」

「この低いエンジンフードでエンジンが収まるように開発を進めている。ハイブリッド車や電気自動車も用意できることを前提としている」

と妙に具体的なことを教えてくれます。

 このモデルはコンセプトカーであるものの、すでに開発が進んでいる次期カローラはこのクルマに近いものとなるだろう(このコンセプトカー自体が次期カローラの市販版をベースに超厚化粧したモデルの可能性が高い)。筆者はそう感じました。

 そしてもうひとつ。説明員は市販版次期カローラの開発者なのだろう、と。

「多くの人に受け入れられるよりも自分らしく、カッコよく。妥協なく個性を強めていく」そんな説明員の言葉からも、次期カローラの方向性がすでにしっかりと定まったものであることを感じずにはいられませんでした。

 どうしてカローラはここまで劇的に変わるのか。多くの人は、“カローラ”という車名からくるイメージを超えるドラスティックな変化を遂げたこのコンセプトカーを前にそんな疑問を持つことでしょう。

 背景にあるのは、すでにセダンはカローラにとってコアモデルではないということ。日本はもちろん、グローバルで考えてもカローラの中心はSUVの「カローラクロス」となりました。カローラシリーズにおいて、セダンは不特定多数ではなく「SUVではなくセダンがいい」という特定の層をフォローするための存在になったということです。

「カローラと言っても今はセダンが中心ではありません。それにカローラのセダンだけでなく世界中でセダンの販売台数は急激に減少しています。そんな時代の変化の中で、お客さんに選んでもらうセダンとするためにはどうするべきか。次のカローラはセダンを選んでくださるお客さまへの提案です」

前出の説明員はそうヒントくれました。

 かつてセダンは乗用車のセダンだった頃は「実用的でコストパフォーマンスの高いセダン」であればある程度の販売台数を見込めました。グローバルで見ると、カローラセダンにおけるその数は年間100万台を超えたほどです。

 しかしSUVが乗用車の中心となった現在、“無難なセダン”ではお客様は選んでくれません。そこで必要なのは「選んでもらうための個性」であり、次期カローラに関して言えばその個性こそがデザインというわけです。

 これは、現行型プリウスの例をみればわかりやすいでしょう。

 かつて「ハイブリッドカーを買う」といえば「プリウスを買う」と同義語でした。しかしハイブリッドがトヨタの商品ラインアップのなかで幅広く展開されるようになったことで、「ハイブリッドカーを買う=プリウスを買う」ではなくなりました。

 そんななかで、プリウスを積極的に選んでもらう理由としてトヨタが考えたのがデザイン。個性的なデザインとすることで「プリウスが欲しい!」と思わせることを目的として、現行型プリウスは万人受けではなく個性的でチャレンジングなデザインになったというわけです。

 そして次期カローラに関して「普通のセダンでは今さら選んでもらえない」として考えた結果が“カッコいいデザイン”といえば背景が理解できるでしょう。

 なかには「こんなのカローラじゃない」という人もいることでしょう。しかしそういった声は恐れず、守りに入るのではなく攻めの姿勢でカローラの歴史を紡いでいくというわけです。

「変化に最も適応したものが生き残る」というのはダーウィンの進化論の考えですが、次期カローラセダンの劇的な変更はまさにそれ。カローラセダンの変化は環境が大きく変わる乗用車マーケットで生き残るための進化なのです。

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