「上手く駐車できない…」なぜ日本はバック駐車が主流なの? 一発で真っ直ぐ停めるコツとは
「バック駐車」は難しくて苦手という人も多いと思いますが、なぜ日本では主流なのでしょうか。「前向き駐車」が基本となる欧米との違いや、バック駐車で上手く停めるコツを解説します。
バック駐車が主流の理由は?どうやったら一発で停められる?
クルマを運転するうえで避けては通れない「駐車」。特に、バック駐車をする場面は多いものの、何度やっても上手くいかないという人は少なくありません。
なぜ日本ではバック駐車が主流なのでしょうか。また、一発で真っ直ぐ停めるためにはどうしたら良いのでしょうか。

日本では、商業施設やコインパーキングにおいて、バック駐車する場面がほとんどです。
しかし、世界を見渡すと欧米では前向き駐車が主流。「前向き駐車のほうが停めるとき楽なのに…」と思う方もいるでしょうが、なぜこのような違いがあるのでしょうか。
日本がバック駐車、欧米は前向き駐車が多い理由は、土地の広さや人口密度のほか、治安が関係していると考えられます。
米国の面積は日本の約26倍あります。人口密度は日本が1平方kmあたり約340人であるのに対して、米国は約35人です。
アメリカは面積が広く、人口密度が低いですが、日本は面積が狭くて人口密度が高いため、必然的に駐車スペースが限られてしまいます。
特に都心部は駐車場が狭いので、前向き駐車をすると、出るときにバックで何度も切り返さなければ出られない状況になりやすいのです。
日本でバック駐車が主流の理由としては、警察や自衛隊で推奨されている「出船精神」も影響しているでしょう。出船精神とは、大日本帝国海軍の伝統であり、船舶を係留する際に直ぐに出られる向きで停泊させるという教えのことです。
また、欧米は日本と比べてクルマの盗難被害が多いことから、前向き駐車が主流になっているとも考えられます。
全米保険犯罪局(NICB)によると、米国では2025年上半期だけで33万4114件の車両盗難が報告されています。一方、日本の2024年の車両盗難件数は1年間で6080件(警察庁発表)です。
前向き駐車をするとバックで出庫する必要があるため、バック駐車で前向きに出庫するよりも時間がかかります。
欧米では自動車盗難の警戒心が強く、窃盗犯が出庫しにくいように前向き駐車する習慣があると言われています。
このように、日本と欧米では駐車環境が異なるため、日本ではバック駐車が主流になっていると考えられます。
一発でバック駐車を成功させる方法は?
では、どうすれば一発で真っ直ぐバック駐車できるのでしょうか。
バック駐車をする際は、ドアミラーや目視、バックカメラで周囲を確認しながら後退する人が多いでしょう。
周囲を確認しても真っ直ぐ停められないという人は、運転席側のドアミラーを起点にして後退してみてください。
バック駐車で真っ直ぐ停めたいときは、運転席側のドアミラーを見てクルマの向きと駐車枠を確認しつつ、窓を開けて目視するのがポイントです。
狭い駐車場は隣のクルマとの距離が近いため、当ててしまいそうで怖いかもしれませんが、焦らずゆっくり安全を確認しながらで問題ありません。
運転席側のドアミラーを起点にバックする際は、隣のクルマのバンパーの角、一番端に停める場合は壁の角を確認しながら、自分のクルマのリアコーナー(バンパー角)が近づいたタイミングでハンドルを切ると、上手く駐車枠に収まります。
「進行方向の右側」に駐車枠がある場合を想定して、もう少し詳しく解説していきます。
まずは、駐車枠から50cm〜1m程度の距離を保ちつつ、真横に近づきましょう。右側のドアミラーが、停めようとしている駐車枠の右角と平行になったら、一旦停止します。
続いて、停止した状態で、ハンドルを駐車枠と反対側の左いっぱいに切り、ゆっくり前進。このときは、バックではなく前進なので要注意です。AT車の場合は、アクセルを踏まなくてもブレーキを離せばクリープ現象で前に進むため、バック駐車の際は基本的にアクセルは踏みません。
左いっぱいにハンドルを切って前進すると、右側のドアミラーに駐車枠の右側が現れます。このとき、クルマは駐車枠に対して約45度に傾いており、バック駐車しやすい角度になっています。
約45度の角度で停止したら、ハンドルを先程とは逆の右に大きく切り、バックしましょう。後方の左タイヤが左隣のクルマの右前角を通過したタイミングで、ハンドルを真っ直ぐにします。
ここまで来たら、ドアミラーや目視で真っ直ぐになっているか確認しながら微調整を行い、駐車枠に収めればバック駐車完了です。
流れをおさらいしておきましょう。
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1.駐車枠から50cm〜1m程度の距離を保ちながら真横に近づく
2.右側ドアミラーが停めたい駐車枠の右角と平行になったら一旦停止
3.停止した状態でハンドルを駐車枠と反対側の左いっぱいに切る
4.ブレーキから足を離してクリープ現象でゆっくり前に進む
5.右側のドアミラーに駐車枠の右側が現れたら一旦停止
6.ハンドルを右に大きく切ってバックする
7.後方の左タイヤが左隣のクルマの右前角を通過したらハンドルを真っ直ぐにする
8.ドアミラーや目視で真っ直ぐになっているか確認しながら微調整を行う
9.クルマ全体が駐車枠に収まったら完了
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なお、事故やトラブルを防ぐために、バック駐車の際は基本的に「アクセルは踏まない」「ハンドルは真っ直ぐにしてエンジンを切る」ことも覚えておきましょう。
AT車はアクセルを踏まなくてもブレーキを離せばクリープ現象で前進します。狭い駐車場で誤ってアクセルを踏むと、事故に繋がる可能性があるので注意してください。
また、ハンドルを真っ直ぐにしなければタイヤも真っ直ぐになりません。タイヤが曲がった状態だと隣のクルマの迷惑になったり、エンジンをかけて出庫しようとしたときに思わぬ方向に発進したりする可能性があります。
最近のクルマはバックカメラだけではなく360度カメラが装着されているケースもありますが、誤作動を起こす可能性もあるため、モニター映像はあくまで補助として利用して、必ずドアミラーと目視で確認しながらバック駐車をしましょう。
Writer: マツ
2022年からフリーのWEBライターとして活動開始。上場企業からの依頼で、SEO記事を中心にVOD・通信系(WiFi・光回線など)などのジャンルを執筆して経験を積む。現在も企業が運営する複数のメディアで記事を執筆。読者に役立つ内容を、わかりやすく執筆することを心掛けている。




























