ヤマハ“新”「スーパースポーツ」世界初公開 全面刷新でほぼ“新型”に! 「YZF-R7」2026年モデルを「EICMA2025」で公開
ヤマハは、2025年11月4日から9日までイタリア・ミラノで開催中のバイク見本市「EICMA2025」において、「YZF-R7」の新型モデルを世界初披露しました。
先進技術で走りを革新
ヤマハは、2025年11月4日から9日までイタリア・ミラノで開催中のバイク見本市「EICMA2025」において、「YZF-R7」の新型モデルを世界初披露しました。
このモデルは、689ccのCP2エンジンを搭載したミドルクラススーパースポーツモデルです。

新型モデルでは、「R」シリーズの最上位モデル「YZF-R1」で培われた6軸IMU技術が新たに組み込まれました。この技術により、車両の前後・上下・左右の加速度とピッチ・ロール・ヨー方向の角速度を常時測定し、ECUへリアルタイムでデータを送信することが可能になりました。これを基に、総合的な電子ライダー支援機能とYRC(ヤマハライドコントロール)ライディングモードが実装されています。
電子制御システムには、3段階のパワーデリバリーモードが設けられているほか、リーン角対応トラクションコントロール(TCS)、スライドコントロール(SCS)、リフトコントロール(LIF)、ブレーキコントロール(BC)などが含まれています。さらに、エンジンブレーキマネジメント(EBM)、バックスリップレギュラー(BSR)、ローンチコントロール(LC)といった先進機能も導入されました。
また、新モデルではヤマハチップコントロールドスロットル(Y-CCT)も採用されています。この機能により、ライダーのスロットル操作をECUが即座に計算して最適なスロットルバルブ開度を決定し、エンジンからより直線的なフィーリングを引き出すことに成功しています。
トランスミッション面での改良も見られ、1〜3速までのドッグギアの噛み合い歯数が5枚から6枚に増加したほか、4〜6速までのドッグギアの角度も変更されています。これにより、スロットル開閉時の車体への影響が低減され、より滑らかなギアチェンジが実現しました。さらに、第3世代クイックシフトシステム(QSS)も搭載されており、クラッチ操作なしでのシフトアップ・ダウンが様々な条件で可能となり、全体的なシフト性能が向上しています。
車体面においては、フレームのパイプ配置や直径、厚さ、補強材がほぼ全面的に見直されました。これにより、重量を維持しながらも捩り剛性、縦剛性、横剛性が改善されています。フロントには41mmの倒立フォークが装備され、ピストンロッドにアルミニウム素材を採用することで350gの軽量化を実現しました。
足回りには、新たにスピンフォージドホイールとブリヂストンのバトラックスハイパースポーツS23タイヤが採用され、軽量で機敏なハンドリングを提供します。
ライディングポジションも改善され、ハンドルバー位置の変更によって上半身の動きがより自由になりました。燃料タンクも再設計されており、前後の体重移動がしやすくなっています。シート高は従来より5mm低い830mmとなり、足つき性も改善されました。
計器類では、新たに5インチフルカラーTFTディスプレイを搭載しており、4種類の表示テーマから選択可能です。さらに、サーキット走行に特化したトラックモードも用意されています。スマートフォン連携機能も充実しており、電話やメッセージ、天気情報の表示に加え、ガーミンStreetCrossアプリを使ったナビゲーション機能も利用できます。また、Y-TRACアプリを使用すれば、ラップタイムやリーン角、エンジン回転数、ギアポジションなどの走行データを記録でき、プロライダーのような詳細な分析が可能になります。
デザインは次世代Rシリーズのスタイリングを採用しており、空力性能が向上しています。フェアリングの幅がスリム化されフロントの面積が縮小されたほか、新設計のヘッドライトレンズやチンスポイラーの形状変更により、空力効率とラジエーターへの空気流量が増加しています。
カラーバリエーションは、アイコンブルーとミッドナイトブラックのほか、ヤマハ発動機の70周年を記念して、1999年の初代R7を思わせる白と赤を基調とした70thアニバーサリーカラーも設定されています。
Writer: くるまのニュース編集部
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