トヨタ新「“大きな”ヤリスクロス」がスゴイ! 全長4.3mボディに「RAV4風の専用デザイン」採用! 「ジムニー超え」地上高がタフでカッコイイ! 新たな比国モデルって?
2025年8月にトヨタ・モーター・フィリピンズはコンパクトSUV「ヤリスクロス」のハイブリッド最上級グレード「SE HEV」を正式発表しました。新興国市場に向けた現地専用モデルとして設計された同車は、フィリピンの道路事情に最適化された構造を採用しています。
走破性と実用性を重視した専用設計
各メーカーで世界各国の生活環境や道路事情に合わせた専用設計モデルの投入が進むなか、フィリピンでは2025年8月2日、現地法人のトヨタ・モーター・フィリピンズがコンパクトSUV「ヤリスクロス」のハイブリッド最上級グレード「ヤリスクロス SE HEV」を発表・発売しました。
このフィリピン仕様のヤリスクロスは、日本や欧州で展開される同名モデルとは構造から異なる設計を採用しています。
新興国市場の実用性と走行環境を重視して開発された、2023年デビューの現地専用モデルです。
フィリピンの道路事情に合わせた高い走破性と広い室内空間を兼ね備え、発売当初から注目を集めてきました。

ボディサイズは全長4310mm×全幅1770mm×全高1615mm、ホイールベース2620mm。最低地上高は212mmと、スズキ「ジムニー」を上回る高さを確保しています。
一方、日本仕様(全長4180mm×全幅1765mm×全高1580mm、ホイールベース2560mm、最低地上高160mm)と比べると一回り大きく、未舗装路や冠水エリアを想定した設計であることがうかがえます。
今回登場した「SE HEV」は、ハイブリッド仕様の上位モデル「S HEV」をベースに、デザインと装備をさらに強化した最上級グレードです。
エクステリアには専用のフロントスカート、リアスカート、ルーフスポイラーを採用し、スポーティかつ上質な印象を演出。
外観は日本仕様よりもむしろミドルサイズSUV「RAV4」に近い印象で、張り出したホイールアーチや厚みのあるバンパー、力強いサイドラインが都会的かつタフなスタイルを際立たせています。
インテリアにも改良が施され、デジタルルームミラーには前後対応のドライブレコーダー機能を搭載。
安全性と利便性を向上させました。さらに夜間走行時に車内を柔らかく照らすアンビエントライトを新設し、上質なドライブ空間を演出しています。細部までのこだわりが、最上級グレードにふさわしい完成度を感じさせます。
パワートレインは1.5リッターのガソリンエンジンとハイブリッドの2種類を設定。価格は169万ペソ(約441万円)で、ベースとなる「S HEV」より8万ペソ(約21万円)高い水準です。追加装備やデザイン性の向上を考慮すれば、納得感のある価格設定といえるでしょう。
燃費性能と快適性を両立したこのモデルは、都市部での通勤から週末の郊外ドライブまで、幅広い層のニーズに応えることを目指しています。
近年、フィリピンではSUV人気が急速に高まっており、スコールによる冠水や舗装状態の悪い道路が多い環境では、最低地上高が高く悪路に強いSUVが好まれる傾向があります。
トヨタはそうした市場特性を的確に捉え、燃費効率に優れるハイブリッド技術と実用性を兼ね備えたヤリスを投入。
現地の顧客層拡大を図るとともに、生産・販売を通じて部品供給や整備拠点の拡充も進め、アフターサービス面での安心感も提供しています。
トヨタ・モーター・フィリピンズは今後もハイブリッド車を中心としたラインナップ強化を進め、環境性能と利便性の両立を目指す方針です。
ヤリスクロス SE HEVは、フィリピンの生活環境やユーザーの嗜好を丁寧に反映した「現地専用モデル」として高い完成度を誇り、単なる車種追加にとどまらず、トヨタのグローバル戦略を象徴する一台といえます。
この新グレードがフィリピン市場でどのような評価を受けるのか、今後の動向に注目が集まります。
Writer: くるまのニュース編集部
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