フォロフライは、東京ビッグサイトで開催された「ジャパンモビリティショー2025」において、日本市場向けの新型EV「Zeekr（ジーカー）009」を日本初公開しました。

　中国のEVブランド「ジーカー」にとって、今回が日本初上陸となりますが、一体どのようなクルマなのでしょうか。

　ジーカーは、中国の大手自動車メーカー・ジーリー（吉利汽車）が2021年に立ち上げたプレミアムEVブランドです。

　ジーリーはスウェーデンの「ボルボ」やイギリスの「ロータス」などを傘下に持ち、グローバルで成長を続けています。

その中で、同ブランドのMPV（マルチパーパスビークル）カテゴリーを担うモデルがジーカー009です。

　日本には競合車が存在しない高級ミニバンタイプのEVであり、京都府京都市に本社を置くファブレスメーカーであるフォロフライが販売を担当します。

　ボディサイズは全長5209mm×全幅2024mm×全高1812mm、ホイールベースは3205mmと、トヨタ「アルファード」（全長4995mm×全幅1850mm×全高1935-1945mm、ホイールベース3000mm）よりも全高を除いてすべてのサイズが上回っており、その存在感は圧倒的です。車体にはジーカー全車種に共通する「SEAプラットフォーム」を採用しています。

　このモジュラー方式のプラットフォームは、ホイールベースやパワーユニットの配置を車種ごとに調整可能で、開発および生産コストの最適化を実現しています。

　デザイン面では、EVならではの特徴を活かし、エンジン車に必要なエアインテークを廃した次世代型フロントグリルを採用。154個のLEDドットライトで構成された斬新なフロントフェイスが印象的です。

　スウェーデンのデザインセンターが手がけた外観は空力性能にも優れ、ミニバンながら空気抵抗係数（Cd値）0.27という優れた数値を実現しています。

　インテリアは、中央に大型モニターを配置したシンプルなコックピットが目を引きます。レイアウトは3列6人または7人乗りで、航空機のファーストクラスを思わせる上質なシートを採用。

　最大12cmの厚みを持つナッパレザーシートには、ヒーター、ベンチレーション、マッサージ機能を備えています。

　さらに、15.6インチの天井スクリーンやヤマハ製Hi-Fiサラウンドサウンドシステム（20スピーカー）、パノラマガラスルーフなど、快適装備も充実しています。

　先進安全装備としては、自動緊急ブレーキ、車線維持支援、車線逸脱警報、アダプティブクルーズコントロール（ACC）などを搭載。360度カメラシステムや自動駐車支援といった高度な運転支援機能にも対応しています。

　パワートレインは前後に1基ずつ電気モーターを搭載するデュアルモーター方式で、駆動方式は4WD。

　最高出力612PS（450kW）、最大トルク693Nmを発生し、0-100km／h加速はわずか4.5秒という高いパフォーマンスを誇ります。

　車載バッテリーには、中国CATL製の第3世代CTP（セル・トゥ・パック）技術を採用したNCMバッテリー「Qilin」を搭載。容量は140kWhで、メーカー試験値による航続距離は最大822kmとされています。

　充電方式は普通充電のほか、日本の急速充電規格「CHAdeMO」にも対応。税別の参考価格は1300万円で、日本での導入時期は2026年中を予定しています。

　なお、フォロフライによると、まずはタクシーなど法人向けのBtoB分野から導入を進めていく予定とのことです。