前後がわかりにくい「レクサス 2054」も登場 トム・クルーズ主演『マイノリティ・リポート』
2002年に公開された近未来SF大作「マイノリティ・リポート」は、音声認識でコントロールできる家具など2018年に実現しているガジェットも数多く登場しています。
16年前の映画の世界が今や現実に!2054年にはクルマは壁を走るのか?
監督スティーブン・スピルバーグ×主演トム・クルーズの最強タッグによる近未来SF大作『マイノリティ・リポート』(2002年公開)。2054年のアメリカを舞台とした本作には、空中に浮かぶディスプレイをタッチ操作するインターフェイスや、網膜スキャナーを使ったターゲティング広告、音声認識でコントロールできる家具など、フューチャリスティックなガジェットが数多く登場します。
その中の一つ、トム・クルーズ演じる主人公の乗る“未来のクルマ”が『レクサス2054』。一瞬「あれ? どっちがフロント側?」と見紛うユニークなフォルムの真っ赤な2シーター・スポーツカーに、燦々と輝くレクサス・エンブレム。デザイン指揮はコンセプトデザイナーのハラルド・ベルカー氏で、開発はカリフォルニアにあるトヨタの米国デザイン拠点であるキャルティ社が担当しています。ちなみにトヨタはこの映画に500万ドルの出資を行なったのだとか。
「36時間以内に銃で人を殺す」という“未来殺人”の容疑がかけられた主人公は、無実を証明するために逃走を図ります。しかし、辿り着いた自動車工場で追手との激闘を繰り広げるうち、無人稼働する組立ラインにのってしまうという絶対絶命の窮地に。パーツとともに圧し潰されたか!? ……と思いきや、できたてホヤホヤの車からひょっこりと顔を出し、そのまま運転して逃げ去るのですが、その車こそがレクサス2054です。
『マイノリティ・リポート』の公開から15年以上が経過した現在、タブレットや虹彩認証、スマートウォッチをはじめ劇中で描かれていたガジェットや技術は着々と実現しており、その予知率の高さはちょっと背筋が寒くなるほど。スピルバーグ監督があらゆる分野の学者/専門家による見解を集約し検討を重ねて練り上げられた映画の世界観と、日々著しく進化する現代のテクノロジー。2054年まであと36年、高層ビルの壁面をオートドライブの車が垂直走行する未来は、もはや夢物語ではないのかもしれません。