未来のクルマの走りを体感! AstemoがJMS2025で見せる“4Dシアター×SDV技術”と新型モーターの革新
Astemoは、2025年10月30日~11月9日に東京ビッグサイトで開催されている「ジャパンモビリティショー2025」に出展を行い、SDV時代に向けた先進技術や取り組みを紹介しています。4D映画の「Immersive Theater(MX4D)」による未来のモビリティを体感できるコーナーも人気を博しました。
注目は、レアアースを用いない「レアアースフリーの新型モーター」
日立製作所、本田技研工業、JICキャピタルの共同出資会社であるAstemoは、世界各地で事業を展開するグローバルな自動車部品サプライヤーです。ソフトウエアのアップデートで継続的な進化を可能とするSDV(Software Defined Vehicle)、電動パワートレイン、エンジンマネジメントシステム、汎用(はんよう)機器、サスペンション、自動運転・先進運転支援システム、そして2輪車用システムなど、さまざまなシステムや製品を開発しています。
2021年に日立オートモティブシステムズ、ケーヒン、ショーワ、日信工業が経営統合して誕生した「日立Astemo」が、2025年4月1日付で「Astemo」へと社名を変更。ジャパンモビリティショーへは、新社名への変更後初めての出展となりました。

黒とコーポレートカラーの赤でシックにまとめられた「ジャパンモビリティショー2025」のAstemoブースでは、SDV時代におけるAstemoのさまざまな先進技術を、「デジタライゼーション」「安全」「環境」の3領域で紹介しています。
中でも注目は、レアアースフリーの新型モーターです。BEVでは必須となるモーターの磁石にはレアアース(希土類)の使用が不可欠ですが、地政学的なリスクから安定供給に課題がありました。そこでAstemoはレアアースを用いない新型モーターを開発。2025年10月27日に発表され、「ジャパンモビリティショー2025」でもさっそく展示が行われています。
レアアースフリーのフェライト磁石は、レアアースのネオジム磁石に比べると磁力が3分の1しかないため、計算上、同じ出力を得るにはモーターを3倍の大きさにしなければなりません。これを解決するために、Astemoでは回転部のローターコア(鉄心)の形状を「多層フラックス構造」として磁力を発生させ、回転力を生む「磁石補助同期リラクタンスモーター」という方法を採用。ネオジム磁石に匹敵する強い磁力を生み出しました。
サイズも、例えば最大出力180kWのモーターの場合、モーター全長をレアアース使用モーター比で130%に抑えることに成功しています。また、常時駆動しないパワーアシスト用の副駆動(後輪用など)モーターでは、磁石が磁力として働きエネルギーロスが生じるため、磁石を使用しない副駆動モーターの開発も行いました。先と同じ条件で見ると、磁石補助同期リラクタンスモーターと同寸法ながら、135kwを発生します。
まるで空を飛んでいるよう! 没入感たっぷりの4D映像で、未来のモビリティを体感
このほか、次世代のモビリティソリューションに最適な、環境負荷低減と乗り心地の向上に貢献する「インホイールモーター」、手のひらに収まるほど小さなホイール状デバイスで車両の操作を可能とする「Smart SBWS」、車両周辺の落下物や路面の異常を検出してより高い安全性を確保する「360度3Dセンシング技術」など、電動化・自動運転化に向けた興味深い最先端技術が展示されています。

そしてブースの一角には、これらの技術が盛り込まれた、「安全」で「自由」な移動を実現する未来のモビリティを体感しながら、Astemoの先進技術を知ることができるイマーシブシアター(Immersive Theater:MX4D)を設置。振動・風などにより、まるで自分が空を飛び、運転しているような没入感ある映像が楽しめます。
想像以上の先端技術により、思った以上に未来の世界が近づいていることを強く感じさせてくれるAstemoブースで、ぜひそれを体感してみてください。
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「ジャパンモビリティショー2025」は、2025年10月30日〜11月9日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催。Astemoのブースは、東京ビッグサイト西展示棟(3ホール)、ブース番号W3602です。
Writer: 遠藤イヅル
1971年生まれ。自動車・鉄道系イラストレーター・ライター。雑誌、WEB媒体でイラストや記事の連載を多く持ち、コピックマーカーで描くアナログイラスト、実用車や商用車・中古車、知られざるクルマの記事を得意とする。



















