ホンダの「超“うすうす”4WDセダン」がスゴイ! 全高わずか“1.25m”の「ぺたんこボディ」に大注目! 斬新すぎる“低床レイアウト”採用した「KIWAMI」の構想は「0サルーン」が継承か?
ホンダが「第37回 東京モーターショー」に出展して話題を呼んだ「KIWAMI」とは、一体どのようなクルマなのでしょうか。
ホンダの「超“うすうす”4WDセダン」がスゴイ!
2025年10月29日に、東京ビッグサイト(国際展示場)で国内最大のモーターショー「ジャパンモビリティショー(JMS)2025」が開催されました。
今回も各メーカーから様々な新型モデルなどが公開され、来場者の注目を集めていますが、過去のモーターショーでも、未だ色褪せない魅力を放つコンセプトカーが登場していました。
本記事では、2003年の「第37回 東京モーターショー」にホンダが出展して話題を呼んだコンセプトカー「KIWAMI(キワミ)」について、改めて振り返ります。

KIWAMIは、ホンダが開発した、斬新なセダンタイプのコンセプトカー。
世界で初めて燃料電池を実用化したホンダのFC技術と、燃料電池のクリーン性能に相通じる清らかな和の心を融合させた、次世代の乗用車として作られました。
季節の移ろいとともに姿を変える景色の美しさ、清らかな水の流れに美を見出す感性、風の薫りに四季を感じる繊細さといった、日本独自の美意識や価値観の中のひとつであるミニマリズムに着目し、その要素をクルマに取り入れたと説明します。
具体的には、シンプルな美しさを探求した低く滑らかなスタイリングに、走る歓びや静粛性、高い安全性など、知能化技術を凝縮。
ホンダならではの低床化技術によって、低全高でありながらゆとりあるスペースを確保し、また室内には和の心に通じるデザインを取り入れて、上質なやすらぎを求めました。
ボディサイズは、全長4500mm×全幅1820mm×全高1260mmで、ホイールベースは2870mm。
エクステリアは、「よりワイドに、より低く」を目指し、サイドウインドウを直立させたスクエアな形状が低全高フォルムを際立たせる、唯一無二のデザインです。
インテリアは、和を単なるデザインモチーフとせず、手入れされた庭や陰影が美しい障子のような、“和”が持つ価値観を基本に置いて構成されています。
さらに、外界情報ディスプレイやパネルタッチシフトといった先進性も組み合わせたことで、すべてが調和した独特の美しさを持つ、極上のやすらぎともてなしを提供する空間に仕上がりました。
そんなKIWAMIのパワートレインには、ホンダ独自のFCシステムを搭載。
同システムは、高出力ホンダ製スタック+DCモーター、水素ストレージなどにより、高レスポンス・高エネルギー効率でありながらコンパクトサイズを実現。レイアウトの自由度が高いのが特長です。
これにより、コントロールユニットをはじめ、ウルトラキャパシタ、スタック、水素ストレージといった重量物を中央に集中させたH型レイアウトが可能となり、低重心・低全高を実現していたのでした。
そしてKIWAMIは、広い室内空間とともに、四輪協調制御の4WDを搭載し、安定したハンドリング性能を発揮していたのも見どころです。
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ホンダのFC技術と、燃料電池のクリーン性能に相通じる清らかな和の心を融合させて作られた、KIWAMI。
一見すると狭そうに見えるものの、自由度の高いレイアウトによって快適な車内空間を実現した、意欲的な1台となっています。
残念ながら出展から約22年が経過した現在も市販化されておらず、手に入れることはできませんが、ホンダがJMS2025に出展したコンセプトカー「Honda 0 SALOON(0サルーン)」は、このKIWAMIと非常に似たデザインを採用しています。
この0サルーンは、水素ではなく電気の力で走行するBEVですが、エンジンを搭載しないことで自由なレイアウトを可能とし、結果的に低くワイドなボディ形状を実現したという意味では、KIWAMIで培われた次世代のボディレイアウトの思想が約22年の時を超えて結実したと言えなくも無さそうです。
Writer: パワーボム
関西大学社会学部卒業後、某CS放送局運営のメディアにてライターとしてのキャリアをスタート。自動車ブログの立ち上げから携わり、主にトヨタ車やレクサス車、キャンピングカーを中心に取材記事を多数執筆する。




























