炎天下の中、クルマのFガラスが割れた? 小キズ放置が危険な理由
高速道路走行中には、前の車のタイヤがはねた小石などがスゴイ勢いでフロントガラスやボンネット周りに飛んできます。それによりガラス面が陥没したり、ヒビが入ったりということもあります。
フロントガラスの小傷は「温度差」や「振動」で突然に全面割れも
フロントガラスへの飛び石でガラス面に傷がついたり、小さな亀裂が入ったり…という経験を持っている人は少なくないと思います。とくに高速道路走行中には、前の車のタイヤがはねた小石などがスゴイ勢いでフロントガラスやボンネット周りに飛んでくるので、ガラス面が削れたり、ヒビが入ったりということもあります。ただキズが小さいからと油断していると、ある日突然、大変なことになる場合があります。
飛び石などでフロントガラスに傷がついていることを発見したら、一刻も早く修理することをおすすめします。筆者(加藤久美子)の知人は、フロントガラスのキズに気づいていたものの、6-7ミリの小さなサイズで、前が見えにくいなどなかったことから放っておいたそうです。しかし真夏のある日、屋外の駐車場に数時間停車して戻ってくると、フロントガラスの隅々までヒビが入っていたそうです。
当然、そのまま乗って帰ることもできず、自動車ガラスの修理屋さんを呼ぶと、「直前までエアコンで冷えていたガラスが、いきなり炎天下で熱せられ、その温度差が小さなヒビの亀裂を広げたようですね」と言われたそうです。
また、温度差だけではなく走行中の振動によっても一気に亀裂が広がることもあります。クルマは走行中、様々な振動やゆがみが出ます。それによっても小さなキズが大きな亀裂になることも多いです。視界を遮るような亀裂などになってしまうと、重大な事故を誘発することにもなりかねませんので、小キズだからと放置せず、早いうちに対処することが必要です。
フロントガラスのヒビ、車検パスの条件はサイズではない?
フロントガラスにヒビがあると車検に通らない…とはよく聞く話ですが、実際にはヒビの大きさやフロントガラスのどの位置にヒビがあるか等で、判断基準が変わってきます。フロントガラスに関わる保安基準は、以下の内容が重要となります。
(1)損傷した場合にも運転者の視野が確保できる
(2)容易に貫通されないものである
(3)透明で運転者の視野を妨げるようなひずみのないものである
この3つの条件を総合すると、「(ガラスが損傷していても)運転者の視野を妨げることなく、またガラスを貫通するような傷ではない」状態なら車検パスということになりそうです。具体的にはどのようなキズだとNGなのでしょうか? 車検予備検査場のスタッフに聞いてみました。
「フロントガラスの傷は、ケースバイケースで、車検場それぞれの判断になることが多いです。また、同じ車検場でも検査員によって判断が異なる場合も多々あります。午前の車検ではOKだったのに、午後の再受検ではNGになった、ということも。これは飛び石によるキズに限ったことではないです」(横浜陸事近くの予備検査場スタッフ)