東海理化がJMS2025で披露した“トンネル型ブース”が話題! 電波や素材、そして最新技術まで体験できる未来展示とは?
「ジャパンモビリティショー2025」の東海理化ブースは、大人も子どもも楽しめて、しかもワクワクできる体験ができる展示で、来場者の注目を集めています。どのような展示が行われているのでしょうか。
東海理化ブースの体験型展示で電波技術や材料応用技術を楽しく学ぼう!
愛知県大口町に本社を置く東海理化は、2025年10月30日~11月9日(一般公開は10月31日から)に開催されている「ジャパンモビリティショー2025」で、円すいを埋め込んだような個性的なトンネル型ブースを出展し、体験型の展示でさまざまな技術を紹介しています。

ステアリングホイール、パワーウインドウスイッチ、シフトレバーなどを生産する大手部品メーカーである東海理化のブースコンセプトは、「技術でつなぐ、豊かな社会へのトンネル」です。このコンセプトの通り、ブースは円すいを横に置いて埋め込んだようなトンネル型となっており、会場で大きな注目を集めています。
内部は東海理化が長年にわたり培ってきた「電波技術」「材料応用技術」「感情推定技術」という3つのゾーンにわかれており、大人から子どもまで、ワクワクしながら未来の生活を体験可能です。
まずは電波技術を紹介する「UWB(ウルトラワイドバンド)ゾーン」で、2つのゲームが楽しめます。そのひとつが宝箱探しです。タブレット画面に表示された矢印が指し示す先に宝箱があることがわかるアトラクションで、「GPS衛星の電波が届きにくい屋内などでも、高精度で位置や距離を測定できるUWB技術」を生かしています。UWB技術を用いることによって、配送が困難だった場所へドローンを使って荷物の配達などが可能となります。
次は材料応用技術の「CNT(カーボンナノチューブ)ゾーン」です。ここでは、カーボンナノチューブを用いて温度差から電気を生み出す「熱電発電技術」や、カーボンナノチューブの特性を生かした実験を楽しめます。
ひんやりした発電発熱デバイスに手のひらを置くと温度差による発電が始まってモニター内の発電メーターが上昇したり、カーボンナノチューブの糸で5kgのウエートを持ち上げたり、その糸に電気を通して明かりをつけたりと、タフで通電性がよいカーボンナノチューブの利点を感覚的に理解できます。
東海理化 CNTプロジェクト 技術開発グループ グループ長の松浦司氏によると、カーボンナノチューブは、将来的には宇宙で活躍する乗り物での活用が期待できるとのこと。トンネル内に「惑星」が浮かんでいるのはまさにそれが理由です。夢がある技術だと感じました。
最後は「マインドフルネス」ゾーン。「センシング技術」と「状態推定アルゴリズム」で「見える化」したストレスや疲労などの状態に応じた呼吸法を、光や振動とともに提案するゾーンです。
捨てられていたシートベルト端材に新たな価値を与えた「Think Scrap」
ブースの外側には、シートベルトの端材を素材に用いたバッグ類が並んでいます。これは、東海理化のアップサイクルブランド「Think Scrap」の製品です。

同社は、世界有数のシートベルトメーカーです。生産上でどうしても端材が余ってしまいますが、以前は廃棄していました。そこで同社はこれを資源として見直すことになり、Think Scrapブランドを立ち上げました。
Think Scrapではシートベルト以外にも他メーカーから発生した自動車用内装材や建設用のターポリン素材などを活用しており、ペンケース・名刺入れ・トートバッグなどの開発・製造を行っています。製品はすべて未着色で、素材色のまま。センスが良く、極めて丈夫な、生活を彩る機能的なアイテムといえます。
長きにわたり培ってきた優れた技術の紹介を、パネルなどを用いず、すべて体験型とした東海理化ブース。アンケートに答えると熱伝導のアイスクリームスプーンがもらえます(ゴールドとシルバー2色を用意。1日あたりの個数制限あり)。
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「ジャパンモビリティショー2025」は、2025年10月30日〜11月9日(一般公開は10月31日から)に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催。東海理化のブースは、東京ビッグサイト西展示棟(4ホール)、ブース番号W4112です。
Writer: 遠藤イヅル
1971年生まれ。自動車・鉄道系イラストレーター・ライター。雑誌、WEB媒体でイラストや記事の連載を多く持ち、コピックマーカーで描くアナログイラスト、実用車や商用車・中古車、知られざるクルマの記事を得意とする。





























