ダイハツ名車「ムーヴコンテ」後継モデル!? 「カクカクシカジカ」でブーム起こした“角ばり軽ワゴン”復活する? 初公開の新「K-VISION」との“関係性”と狙いをデザイナーに聞いた!
2025年10月29日に開催された「ジャパンモビリティショー2025」。そこで初公開された1台の軽ワゴンのコンセプトカーが、かつての「あるモデル」に似ていると話題になっています。
ダイハツ新「K-VISION」は名車「ムーヴコンテ」の後継車!?
2025年10月29日に東京ビッグサイト(東京国際展示場)で開催された「ジャパンモビリティショー(JMS)2025」。
そのダイハツブースで世界初公開された1台の軽ワゴンのコンセプトカーが、かつての「あるモデル」に似ていると一部で話題になっています。

そのモデルとは、「みんなの次世代軽自動車」をキーワードに開発された、「K-VISION(以下、Kビジョン)」です。
Kビジョンはリアにスライドドアを採用した軽ワゴンで、そのボディサイズは全長3395mm×全幅1475mm×全高1680mm。
この全高は「タント(約1750mm)」と「ムーヴ(約1650mm)」の中間でありつつ、ややムーヴ寄りのハイトワゴンと言えます。
パワーユニットには、軽自動車用に新開発したストロングハイブリッド「e-SMART HYBRID」を搭載し、100%モーター駆動で走行。
充電不要でありながら、電動車らしいパワフルな走りを実現するモデルです。
そんなKビジョンについて、発表後に寄せられたコメントやSNSなどでは、「次期型タントのデザインスタディかな?」「ムーヴは全面刷新したばかりだから派生モデルの可能性も」といった、タントやムーヴと比較する声が多く上がっています。
その一方で気になるのが、「これ、もしかして新型ムーヴコンテ?」「コンテ風のデザインだね」「デザイン的にはムーヴコンテぽい」「カクカクシカジカ復活!」という声です。

この「ムーヴコンテ」とは、かつてダイハツが2008年から2017年まで販売していた軽ワゴン。
その名の通りムーヴ(4代目モデル)の派生車種という位置づけで誕生した同車は、まるで「箱」のような角ばったエクステリアデザインが特徴でした。
またヘッドライトやグリルも四角く、必要な要素だけ凝縮しつつ加飾を廃したシンプルなスタイリングは、今でも色褪せない魅力があります。
そしてムーヴコンテで忘れてはならないのが、同車のCMから誕生したキャラクターの「カクカクシカジカ」(略称:カクシカ)でしょう。
これは四角いメガネをかけた鹿のキャラクターで、当初はムーヴコンテのイメージに合わせた専用キャラでしたが、人気が出たことから車種を限らず様々な場所に登用され、当時のダイハツを代表するキャラクターとなりました。
(ちなみにキャラクターデザインを担当したのは、「Suicaのペンギン」や千葉県のゆるキャラ「チーバくん」などでも知られる、イラストレーターの坂崎千春氏です。)
このような経緯もあって印象深かったムーヴコンテと、今回のJMS2025で初公開されたKビジョンのデザインが似ているとは、一体どういうことなのでしょうか。

実際に比較してみると、確かに両車とも四角形をモチーフにデザインされたようで、ボディ形状のみならずウインドウやヘッドライト、グリル、車体サイド面に施された水平基調のキャラクターラインもよく似ています。
また、フロントガラス両端のAピラーをブラックアウトし、後部の太いCピラーで屋根を支えるように見える「フローティングルーフ」デザインも両車共通で、そのほかCピラーの上端とルーフが繋がる箇所の「スパっと角を切り落とした」ような窓枠の処理も同じです。
そして、過去にムーヴの派生車として登場したムーヴコンテのリアドアは、ベース車と同じ構造のヒンジドアでしたが、現在のムーヴはスライドドアを採用しているので、仮にこれをベースに次期型ムーヴコンテが開発されればスライドドア車として登場することになるでしょう。
はたして、Kビジョンとムーヴコンテには何かしらの関係性があるのでしょうか。
この疑問について、JMS2025のダイハツブースにて、Kビジョンの担当デザイナーに話を聞いてみたところ、「Kビジョンはあくまでも“未来の軽”を提案したものであり、特定の何かを意識したデザインではありません」という回答でした。
また、「シンプルな素材感を狙ったので、パイピングやタグ、ステッチなどワンポイントのアクセントに凝っています。軽自動車は女性や初心者の方も多く乗るクルマなので、視野が広く乗りやすいように、スッキリしたインパネレイアウトにしました」と、Kビジョンのデザインで注目すべきポイントについても説明いただきました。

つまりKビジョンの開発で重要視したテーマは「シンプルで素材感を意識したデザイン」「使いやすくスッキリとした内外装のレイアウト」といったものであり、そして過去のモデルであるムーヴコンテも近しい要素で構成されたデザインだったため、たまたま結果的にユーザーが“似た雰囲気”を感じてしまったのかもしれません。
このように、次期タントでもムーヴ派生車でも、そして次期ムーヴコンテでもないという、“未来の軽自動車”として開発されたKビジョン。
現在のところはあくまでもコンセプトカーというかたちで公開されましたが、今後さらに現実的な姿となって市販化を実現してくれるのか、ダイハツの今後の動向に一層の期待と注目が集まります。
Writer: くるまのニュース編集部
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