レクサスは2025年10月29日、同日より開幕した「ジャパンモビリティショー（JMS）2025」で、新たなコンセプトカー群を世界初公開しました。

　複数のモデルを通じてさまざまな提案をおこなうなか、クロスオーバースタイルの「LEXUS LS Coupe Concept（レクサス LS クーペ コンセプト）」に注目します。

　LEXUS（レクサス）は1989年、トヨタの高級車ブランドとして北米市場からスタートしました。

　その先陣を切ったフラッグシップセダンが初代「LS」です。国内ではトヨタブランドから初代「セルシオ」としてデビューしています。

　欧米の名だたるプレミアムブランドに対抗すべく、極めて高い静粛性と快適性を備え、かつ優れた品質を追求したことで、1代でその名を世界に広めることに成功しました。

　そんなLSで高級車市場の勢力図を大きく塗り替えたレクサスは、世界各国で着実に展開を進め、日本には2005年よりブランド導入を開始。翌2006年に登場した4代目LSから、国内販売もおこなわれています。

　現行のLSは2017年にフルモデルチェンジした5代目で、最新のGA-Lプラットフォームをベースに、低く構えたクーペ風のスタイリングを特徴とします。

　他方、ラグジュアリーブランドの人気の主流はいまやSUVへと移行しているのが現状で、新たな改革が求められていたところでした。

　トヨタは10月13日、自社のオウンドメディア「トヨタイムズ」において、トヨタグループの新しいブランド戦略を配信しました。

　その中で、トヨタ、ダイハツ、高級車ブランドのレクサス、スポーツブランドのGRと並び、新たに「センチュリー」が5つめのブランドとして独立を果たしたことが明らかにされました。

　トヨタ・豊田章男会長は配信で、これまでトヨタの最高級車であるセンチュリーの立ち位置が明確ではなかったという問題意識から、「アバブ（above：～を超える・より上位）レクサス」としてセンチュリーブランドを再定義したのだと話しています。

　センチュリーは「One of One」を掲げ、トヨタ最上位のハイエンドブランドとなります。

　いっぽうレクサスは、センチュリーブランドが誕生したことで、ラグジュアリーブランドとしての自由度を手に入れました。

　豊田会長は「これからのショーファー、LEXUSのフラッグシップのあり方をもう一回、考えてみよう」と投げかけたといいます。

　これを受け、トヨタデザイン部門のトップであるサイモン・ハンフリーズ CBO（Chief Branding Officer）は、レクサスのテーマは「DISCOVER」だとし、次のように話します。

「センチュリーの特別な存在により、トヨタグループの各ブランドの役割は、これまで以上に明確なものになります。

　そのなかでレクサスは、“ラグジュアリーの中心”で、さらに自由に進化できるようになります。

　そんなレクサスの想いは“DISCOVER”。誰の真似もしないことです。冒険的で、革新的であること。

　新しいプロダクト、サービス、新しい体験、そして新しいラグジュアリー・ライフスタイルを “DISCOVER” 発見するために」

　LSも、ラグジュアリーセダンの頭文字をとった“LS”というこれまでのレクサスを象徴する定義に留まらず、さまざまなカタチに姿を変えました。

　今回のJMS2025では、LSを名乗るコンセプトモデルは多岐にわたり、最も象徴的なのは「LS コンセプト」です。

　LSを「Luxury Space（ラグジュアリースペース）」と定義。斬新な6輪のミニバンモデルとし、レクサスの挑戦と変革の象徴としています。

　そしてLS クーペ コンセプトは、あらゆる最高の体験を楽しみたいユーザーのための「DISCOVER DUALITY」、二律双生を“DISCOVER”するモデルとして登場しました。

　二律双生とは、二つの相反する価値を調和するレクサスのブランド思想のひとつ。

　LS クーペ コンセプトでは、3つの二律双生テーマを掲げます。

　ひとつ目は、上質でフォーマルな佇まいと、動的なエモーショナルさの両立。

　ふたつ目は、スポーティで引き締まった外観と、広い室内空間の二律双生。

　そして最後は、乗員ひとりひとりが各々の体験を楽しめるインテリアスペースです。

　そうして出来上がったLS クーペ コンセプトは、いわゆるクロスオーバースタイルの4ドアクーペモデルとして、相反する複数の価値観を調和させたモデルとなりました。

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　JMS2025は、10月29日・30日に実施されるプレスデー・オフィシャルデー（特別招待日）のあと、一般公開は10月31日から11月7日まで、東京ビッグサイト（東京都江東区）で開催されます。