「9か月でクルマを開発!?」 「謎のクルマ」を世界初公開へ IT企業SCSKが提案する「ソフトウェアで“つくり方”から変える」手法とは JMS2025で披露

IT企業のSCSKが、わずか9か月でEVを開発しました。ソフトウェア起点の新たな開発モデルを採用し 、海外パートナーとの水平分業で実現。パーソナライズAIを搭載した このクルマは、Japan Mobility Show 2025で初公開されます。

IT企業SCSKがEVを9か月で開発!JMS 2025で公開

 SCSKが「Japan Mobility Show 2025」でEVを初公開します。

 IT企業がソフトウェア起点の開発で、わずか9か月でクルマを完成させました。

 SDVの概念に基づき 、水平分業エコシステムで構築 。パーソナライズAIを搭載し 、新しいクルマの“つくり方”を提案するといいます。

SCSKが独自に開発したEV(電気自動車)を初めて公開す
SCSKが独自に開発したEV(電気自動車)を初めて公開す

 ITソリューションを提供するSCSK株式会社は2025年10月末から開催される「Japan Mobility Show 2025」において、独自に開発したEV(電気自動車)を初めて公開するといいます。

 IT企業が主体となって開発したEVの出展は、ショーとして初めてのことです。

 この車両は、クルマの“つくり方”そのものをソフトウェア起点で見直すというアプローチに基づき、開発期間わずか9か月という異例のスピードで完成に至ったといいます。

 SCSKが自動車開発に取り組んだ背景には、自動車業界で急速に進む「SDV(Software Defined Vehicle)」へのシフトがあります。SDVとは、車両の価値や機能がハードウェアではなくソフトウェアによって定義されるようになる概念です。

 この変革期において、ソフトウェアがもたらす未来の体験価値を先取りするため、IT企業ならではの技術力と思考の柔軟性を活かしたと説明しています。

 SCSKは自社でハードウェアを製造するのではなく 、海外パートナーとの「水平分業によるエコシステム」を構築。

 これは従来の垂直統合型の開発手法とは一線を画すものであり 、このアプローチが9か月という短期間での開発を実現しました。

 同社はモビリティ事業の目的として、環境負荷の低減や地域交通の最適化といった社会課題の解決を挙げています。

 今回公開されるEVは、移動空間を一人ひとりに寄り添う“体験の場”へと変えることを目指したコンセプトモデルです。

 最大の特徴は「Intelligent Cockpit」と呼ばれる車内空間です。

 海外サプライヤーと共同開発したという、8K画質を誇る44.6インチの「ピラーtoピラーディスプレイ」を搭載。この巨大な統合型ディスプレイが、没入感のある体験を提供するとしています。

 また、運転席、助手席、後部座席でそれぞれ異なるコンテンツを同時に楽しむことも可能です。

 さらに、個々のユーザーに最適化された体験を提供するパーソナライズAIも搭載。

 AIがユーザーの好みを学習し、ディスプレイの壁紙更新 、車内の空調制御 、観光地の画像検索といった機能を最適化し、レコメンデーション(推奨)を行います。

 SCSKが目指すのは、一社単独ではなく「共創」によるモビリティ社会の実現です。自動車メーカーが長年培ってきた技術と、SCSKが持つIT・ソフトウェアの強みを掛け合わせることで、業界全体の力を結集し、新たなモビリティサービスを広げていくことを構想しているようです。

 その思いを込めた合言葉が「そうだ、みんなでクルマをつくればいいんだ。」です。

 今回のEV展示は、この共創の考えを具現化する第一歩であるとSCSKは説明。

 同社はJapan Mobility Show 2025への出展を、業界を越えた新たな共創パートナーと出会う機会として位置づけています。

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Writer: くるまのニュース編集部

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