レクサス“新ミニバン”「LS」初公開! 全幅2m×全長5.5mの「ビッグモデル」!? セダンじゃなくてまさかの「6輪×3列」仕様なコンセプトモデル何を示す?
2025年10月13日、トヨタは「JMS(ジャパンモビリティショー)2025」に向けて、5ブランドのCMと、そこに登場するコンセプトカーを披露しました。レクサスでは次世代フラッグシップとして「LSコンセプト」が登場しましたが、どのようなモデルなのでしょうか。
LSがまさかのミニバンに?
「いまの形でのレクサス『LS』は、現行世代で最後になる」。そんな噂は筆者の耳にも届いていました。
LSという車名は“ラグジュアリーサルーン”を意味し、LSは1989年の北米デビュー以来レクサスにおけるフラッグシップセダン(日本では初代から3代目までトヨタ「セルシオ」として販売)として5世代に渡って作り続けられてきたモデルです。

初代モデルは、「メルセデス・ベンツ『Sクラス』やBMW『7シリーズ』よりも静かで乗り心地が良く快適で、さらに運転も楽にできて疲れないクルマ」として大人気となり北米の大型セダン市場を席巻。さらに故障の少なさやディーラーのサービス体制などでも、それまでの概念を打ち破りライバル勢を大きくリードしました。
その結果レクサスは、従来のプレミアムブランドを超えた存在に。そして初代LSはラグジュアリーセダンにおける新しい指標を生み出し、ベンツ、BMW、ジャガー、そしてキャデラックやリンカーンなどのクルマ作りにまで影響を与えたことは、すでに多くの人がご存じでしょう。
しかし、時代は変わりました。言葉を選ばずに言えば現行世代のLSは低空飛行を続けています。その大きな理由は「SUVの台頭とセダン離れ」。SUVが乗用車の主力となった結果、レクサスでも「RX」などSUVモデルの人気が盛り上がる一方で、LSのようなセダンは売れなくなってしまったのです。
LSのようなフラッグシップモデルの必要性は単に販売台数を求めるのではなくブランディングや最新テクノロジーを投入する対象といった側面もあります。ブランドの象徴として重要なのです。
しかし、日本市場はともかく最大のマーケットである北米においても年間で1200台ほど(2024年実績)しか売れないとなるとさすがに厳しい。「このままじゃダメだね。何とかしないとね、LS」という話になるのも当然の流れでしょう。
というわけでジャパンモビリティショー2025に展示されるコンセプトカーの「LSコンセプト」。車名からして将来のLSにつながるヒントが盛り込まれているのは言うまでもありませんが、筆者の気持ちを正直に告白すると「なんとまあ!」です。きっと多くの人がそう感じたと思いますが、ミニバンスタイルの3軸6輪車なんて大胆過ぎやしませんか。
「いまの形でのレクサスLSは、現行世代で最後」という噂を耳にしている筆者も、さすがにこれがそのまま次期LSになるとは思えません。たとえ6輪がショーで目立つための仕掛けであり市販仕様は一般的な4輪だったとしても、ではミニバンのパッケージングとするのか…。
もし次期LSがミニバンになるとしたら、「LM」とのすみ分けも考えないといけません。「LMよりひとまわり大きなミニバン」とするのもひとつの手ですが、すると全幅2m×全長5.5mくらいまで成長するのでしょうかね。
“脱セダン”なのは当然として、次期LSはどうなるのか。筆者は「センチュリー」のSUVタイプ(トヨタはそう呼んでいないけれど)のようなパッケージングになるのではないかと予想します。
背の低いコンサバティブなセダンではなく、スペースの広さや乗り降りのしやすさを考えた、新しい形のサルーンというわけです。
LSコンセプトはあくまで「LSのパッケージングが大胆に変わること」のアドバルーンであり、変化の度合いを誇張したもの。市販モデルはさすがにそこまでのスタイルにはならず、だけど今のセダンとは明確に異なるパッケージングとなる。そんな道筋が作られているのではないでしょうか。
「もう一回、LSの原点に戻って、これからのショーファードリブン、レクサスのフラッグシップがどういうクルマなのか、セダンにこだわらず、考えてみようと投げかけました。」と豊田章男会長はコメントしています。
これまでのLSはSクラスや7シリーズなどとガチンコと戦おうと、欧州のコンサバティブなセダン像の理想を追い求めてきました。
しかし、そこから離れてオリジナリティあふれる“新しいセダン”を提案する。それがこれからのレクサスなのだと筆者は考えます。
LMでアジア発、日本発として新しいショーファーカーのスタイルを世界に提案したように、次期LSも欧州由来の価値観とは異なる新しいフラッグシップモデルの在り方を世に問うのではないでしょうか。
Writer: 工藤貴宏
1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。







































































