「えっと…意味あるの?」 “1円でも安く!” 遠くのガソリンスタンドに行く必要性は? 損得で考えると? 燃費を良くする方法とは

物価高で「1円でも安く」とガソリン代を節約したい人は多い。そのために遠くの安いスタンドへ行くのは、本当にお得なのでしょうか。往復の移動コストを考えると、リッター3円差では39L以上入れないと損になる試算も。本記事では、その損益分岐点を検証し、より効果的な節約術も考察します。

「1円でも安く」 遠くのガソリンスタンドに行く意味はあるのか?

 ガソリンの暫定税率廃止が話題を集めていますが、インフレともいわれる物価高が続く現在、「1円でも安くガソリン代を抑えたい」というニーズは根強いはずです。

 少しでも安いガソリンスタンドを検索したり、値引きなどのキャンペーンを享受できるアプリを利用したりするなど、何らかの倹約をしている人も多いのではないでしょうか。

 そこで今回は、1円でも安くガソリン代を抑えるため、遠くのガソリンスタンドまで給油しに出かける価値があるのかを考えてみます。

給油のイメージ(画像:PIXTA)
給油のイメージ(画像:PIXTA)

「時は金なり」という格言もあるように、単に少しでも安く給油するためだけに遠くのガソリンスタンドに出かけるのは、時間と労力の無駄に思える人も少なくないでしょう。

 ただし、無類のドライブ好きで、休日に給油や洗車、空気圧の確認などをかねてガソリンスタンドに出かけるのであれば、趣味と実益を兼ねているともいえそうです。

 そうでない場合、移動時間の無駄はおいておき、費用面のコストを考えてみたいと思います。

「移動にかかる燃料代(移動コスト)=往復距離÷燃費×ガソリン単価」になります。節約できるお金は、「リッターあたりの価格差×給油量」になります。

 経済産業省資源エネルギー庁によると、2025年10月14日時点の全国のガソリン平均価格(レギュラーガソリン)はリッターあたり174.7円。分かりやすいように175円/Lとし、愛車の実燃費が15km/Lとして計算します。

 まず、遠くのガソリンスタンドの価格がリッターあたり5円安いと仮定します。

 ガソリンスタンドまでの距離が片道5km(往復10km)の場合、
移動コストは「10km÷15km/L×175円/L=117円(小数点繰り上げ)」。

 損益分岐点は「117円÷5円/L」=23.4Lとなります。

 つまり、23.4L以上入れないと損になります。

 遠くのガソリンスタンドの価格が3円安い場合、移動コストは「10km÷15km/L×175円/L=117円(小数点繰り上げ)」。
損益分岐点は「117円÷3円/L」=39Lとなります。

 この場合は、39L以上入れないと損になります。

 筆者は、1円でも安いガソリンを求めて、そのためだけに遠くのスタンドまでわざわざ出かけるのは時間の無駄と考えますが、たとえば、目的地までの途中に安いガソリンスタンドがあれば給油する場合もあります。

 ほかにも結果的にガソリン代を抑えられるエコドライブを手がける方法もあります。

 無駄な荷物を降ろす、月に1回程度は空気圧を確認する、目の前の信号が赤なのに無駄にアクセルを踏み続けない(フューエルカットを意識する)など、方法はいくらでもあります。

 エコドライブが上手い人(心がけている人)とそうでない人の場合、年間あたりの燃費差が10%程度出ても不思議ではありません。

 わざわざ遠くのガソリンスタンドまで出かける前に、運転を見直すことから始めてもいいかもしれません。

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Writer: 塚田 勝弘

中古車の広告代理店に数ヵ月勤務した後、自動車雑誌2誌の編集者、モノ系雑誌の編集者を経て、新車やカー用品などのフリーライター/フリーエディターに。軽自動車からミニバン、キャンピングカーまで試乗記や使い勝手などを執筆。現在は最終生産期のマツダ・デミオのMTに乗る。

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