トヨタは2025年10月13日、ライブ配信にて新たなプロジェクトを発表。

　配信では豊田章男会長と各関係スタッフが登場し、トヨタやレクサスなどの今後の車両について解説が行われました。

　その中で、レクサスのフラッグシップの新たな姿を提案するコンセプトモデル「LSコンセプト」が披露されました。

　LSコンセプトは、レクサスが伝統的に「大型セダン」のボディタイプを採用してきたLSシリーズの常識を覆す、極めて斬新なモデル。

　驚くべきことに、このコンセプトカーはミニバンの姿をしており、さらに後輪が片側2輪の「6輪車」という形態を採用しています。

　この大変貌の理由について、ライブ配信では詳しく解説されました。

　まず、従来「ラグジュアリー・セダン」の頭文字とされてきたLSの“S”について、豊田会長は「LSがセダンでなければいけない理由はない」とし、「スペース」のS、つまり空間や宇宙を意味するものと再定義したと語りました。

　そしてLSコンセプトを、「LSの原点に立ち返り、未来のショーファードリブン、すなわちレクサスのフラッグシップはどうあるべきか」を問い直すモデルとして位置づけました。

　LSはもともと、レクサスブランドをアメリカで立ち上げる際の最初の車種であり、その開発には、当時の高級車の主流であった欧州プレミアムブランドの大型セダンを参考とした面があるのも事実。

　しかし、今回のLSコンセプトは「誰の真似もしない」ことを念頭に、セダンの枠にとらわれず、ショーファードリブンとしての理想的な姿を追求しました。

　これにより、誰も考えつかなかったパッケージを採用した、レクサスブランドの新しい「大黒柱」として作り上げられています。

　また既存の高級ミニバン「LM」とのすみ分けについては、LMが「アルファードを進化させたもの」であるのに対し、LSコンセプトは「LMをさらに進化させたモデル」であると説明。

　リアタイヤを4輪に増やし、かつ小径化したことで、ショーファーカーに最も重要とされる「広大な車内空間」を確保するレイアウトを実現しています。

　豊田会長は、「広いだけでなく、素敵な形でクルマから降りてこれる」と語り、乗り降りの所作の優雅さもLSコンセプトの魅力の一つだと強調しました。

　現在公開されているLSコンセプトの静止画や動画はサイドビューのみですが、横から垣間見えるフロントマスクは、レクサスの共通デザインである「スピンドルグリル」が全面を覆うほど巨大化し、その中にヘッドライトなどが収まっているようにも見えます。

　LSコンセプトのデザインについて豊田会長は、かつて自身が主導して採用したスピンドルグリルが、社内の気遣いによって変化せずデザインが停滞しないかと危惧。

　それを未然に防ぐべく、自ら「スピンドルグリルを壊す」という指示を出したことを明かしました。

　これは、ボディ全体でスピンドルを表現する新たなデザインにチャレンジする姿勢を示しています。

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　斬新な6輪構造によって室内空間を劇的に広げ、ショーファードリブンとしての快適性を極限まで高めたLSコンセプト。

　従来のセダンという枠組みを超越し、既存のどのカテゴリーにも属さない唯一無二のモデルとなりました。

　この未踏の領域への挑戦は、レクサスが掲げる「誰の真似もしない」ことと、未知との出会いを創造する「ディスカバー」というメッセージを力強く示すものです。

　また、LSコンセプトの実現度合いについては、「市販車ではないが、いわゆるコンセプトカーのレベルよりは上」と説明され、「本気でチャレンジし、実際に開発を進めている」ことが明らかにされ、将来的な市販化も視野に入れていることが示唆されています。

　このLSコンセプトは、2025年10月末から開催される「ジャパンモビリティショー2025（JMS2025）」のレクサスブースでの世界初公開を予定しています。