トヨタ新「センチュリー“クーペ”」初公開! 便利な「スライドドア」採用! エンジンはV8? 駆動方式はFR? 新型スーパーカーと共通も期待の新モデルどんなクルマに?

2025年10月13日、トヨタは「5ブランドプロジェクト発表」をYouTubeで行いました。その発表の中で、ブランド化されるセンチュリーのモデルひとつとして「クーペ・コンセプト」の存在が明らかになりました。どのようなクルマなのかを考えてみました。

トヨタの5ブランドプロジェクトの内容が判明!

 トヨタは、2025年10月13日に新プロジェクトを発表することを、同年9月19日よりSNSなどを通じて告知していました。

 そして10月13日に予告通り、トヨタのYouTubeチャンネル「トヨタイムズ」にて「5ブランドプロジェクト発表」が生配信されました。そこには、トヨタ会長である豊田章男氏とトヨタのチーフ・ブランディング・オフィサーのサイモン・ハンフリーズ氏などが登場し、10月下旬から開催となる「JMS(ジャパンモビリティショー)2025」に向けたトヨタの5ブランドのCMと、それに伴ってショーに登場するコンセプトカーが披露されました。

Cピラーのエンブレムもイイ…
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 その中でも一番の大きな驚きは「センチュリーのブランド化」です。トヨタの中の1車種にすぎなかった「センチュリー」が、レクサスなどと同様にブランドとして独立することになったのです。そしてブランドに相応しく、新たなモデルの追加も予告されたのです。それがオレンジ色のボディカラーを特徴とするクーペ(仮称:センチュリークーペ)です。

 トヨタ会長である豊田章男氏は、「世界のショーにおいてセンチュリーの居場所がなかった」と説明します。「センチュリー」というモデルが、トヨタのブースにあるのかレクサスにあるのかハッキリしなかったというのです。そうしたことも踏まえ、「これからのセンチュリーを考えたい」と思うようになり、結果としてセンチュリー・ブランドの誕生につながったというのです。

 また、「センチュリーがあることで、レクサスが自由になる」とも言います。トヨタという企業の持つトップにセンチュリーが収まることで、レクサスは、もっと自由に新しいことに挑めるようになるというのです。

オレンジ色のボディカラーは新時代を象徴する

 公開されたセンチュリーのクーペは、オレンジ色のボディカラーが目を引きます。センチュリーといえば漆黒のボディカラーを思い浮かべますが、今度のクーペはオレンジを使っています。

 これは「豊田章男会長の時代を象徴する」からだと、チーフ・ブランディング・オフィサーのサイモン・ハンフリーズ氏は説明します。これまでの漆黒の「センチュリー」は初代モデルを生み出した先達のイメージであり、新しいクーペは豊田章男氏の世代のモデルとして違うカラーを持っているというわけです。

 また、JMS2025向けに公開された写真の中には、ドアを開けたセンチュリー・クーペの写真もありました。そのドアは、スライド式で、しかも前側に開いています。大型クーペのドアは、非常に長くなるため、開け閉めに広いスペースが必要となります。そうした不便をスライドドアにすることで解消しているのです。

 SUV型センチュリーの発表時にも使われていた技術です。同じものであれば、アイシンのリンク式パワードアではないでしょうか。

中身はSUVのモノを使うのか? それとも別?

 そんなセンチュリークーペで気になるのは、その中身でしょう。通常であれば、従来モデルのプラットフォームやパワートレインを流用するのが妥当です。

 そうしてセダン型のセンチュリーを振り返ってみれば、搭載されるのはシステム最高出力317kW(431PS)の5リッターV型8気筒ハイブリッドで、プラットフォームはFR。スポーティなクーペに使うに順当とも言えるものですが、セダン型センチュリーの登場は2018年。未来に向けた、華々しい新型コンセプトとしては古すぎる気がします。

 一方、2023年に登場したSUV型のセンチュリーは、3.5リッターV6ハイブリッドに後輪モーターのFFベースの4WDです。パワーは足りているかもしれませんが、トヨタのトップ・オブ・トップに君臨するクーペとして見ると、そのスペックは、少々、おとなしすぎるのではないでしょうか。

今回、未発表だったGRブランドのスポーツカー

 セダン型のメカニズムは古いし、SUV型はおとなしすぎる。そこで期待したいのが、今回発表を見送られたGRブランドの雄です。今回の「5ブランドプロジェクト発表」生配信では、年末に「GR GT」と呼ぶスポーツカーの発表があると明かされました。このモデルの詳細は明らかにされませんでしたが、2025年末に発表があり、2026年1月の東京オートサロンに実車が登場するようです。

 また、生配信の中で、富士スピードウェイのコースわきの看板に、トヨタ「2000GT」、「LFA」、そして「GR GT」のフロント周りの写真が登場したことも告げられました。その顔つきは、この夏のグッドウッドやペブルビーチに登場した「トヨタGTコンセプト(TOYOTA GT Concept)」や「レクサス・スポーツ・コンセプト(LEXUS Sport Concept)」と似ていると説明されています。

 つまり、今回のJMS2025には間に合いませんでしたが、トヨタから東京オートサロン2026には本格スポーツカーが登場することが予告されているのです。そのスポーツカーは、当然、パワフルなパワートレインを搭載した、後輪駆動のプラットフォームを使用しているはず。

 そのパワートレインとプラットフォームならば、新しいセンチュリーのクーペに相応しいのではないでしょうか。ちなみに、GR GTについては5ブランドプロジェクト発表の中でエンジン音が披露されています。この音を聞くとV8もしくはV8ツインターボのようにも感じます。

 そうなると、今回のJMS2025ではセンチュリーのクーペの内容は、あまり詳細に説明されないかもしれません。すべてが明らかになるのは、東京オートサロン2026になる可能性もあるのです。

 となれば、JMS2025と同じように、来年の東京オートサロン2026も見逃せないイベントになります。ぜひともチェックのために、現地へ足を運ぶことをおすすめします。

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