新車176万円! ダイハツのコンパクトSUV「最安グレード」がスゴい! 精悍“タフ”デザイン×全長4m級で「ほど良いサイズ」! リッター20キロ以上走る「ロッキー“L”」に注目!
国産コンパクトSUVで最安値のダイハツ「ロッキー L」。その圧倒的な価格は魅力的ですが、はたして「賢い買い物」といえるのでしょうか。
最安グレード「ロッキーL」その実力と“妥協点”
数ある国産コンパクトSUVの中で、車両本体価格が最も安いモデル、それがダイハツ「ロッキー」のエントリーグレード「L」(2WD)です。
その価格は176万1100円(消費税込み)。兄弟車であるトヨタ「ライズ」の最廉価グレード「X」よりさらに約4万円ほど安価に設定されています。

ロッキー Lは、この価格でもパワートレインやプラットフォームは上位グレードと変わりません。
ボディサイズは全長3995mm×全幅1695mm×全高1620mmと非常にコンパクトですが、堂々としたSUVらしいスタイリングも大きな特徴です。
1.2リッター自然吸気エンジンは、970kgという軽量な車体との組み合わせで、街乗りでの発進は驚くほど軽快。ハイブリッドではありませんが、カタログ燃費20.7km/L(WLTCモード燃費)と十分に優れています。
装備面でのハイライトは、フルLEDヘッドランプの標準装備です。キーフリーシステムやプッシュボタンスタートも標準装備されており、日常的な利便性は確保されています。
さらにダイハツの予防安全機能「スマートアシスト」も搭載され、基本的な安全性能も備えています。
しかしその安さには明確な理由があります。
内装は、ロッキー Lの価格設定の影響を最も感じる部分です。
ダッシュボードやドアトリムには硬質なプラスチックが多く使われ、エアコンもダイヤル式のマニュアル仕様です。
外観では、ホイールがアルミではなくスチール製+樹脂キャップの組み合わせとなり、フォグランプなどの装飾も省かれています。
走行性能にも、得意な場面と苦手な場面がはっきりと存在します。
街中での軽快な走りは高く評価されている一方で、高速道路への合流や登坂路といった高負荷なシーンではパワー不足を感じ、SNSなどにはエンジン音が室内に大きく響くといった指摘も多く見られます。
一方でロッキーの強みとして挙げられるのは、クラストップレベルの荷室容量です。
Lグレードも含めたロッキー(ガソリン車)の場合、後席使用時でも369リットルという広大なスペースを誇り、高さが2段階に調整できるデッキボードも備わることで、荷物の積載性はライバルを大きく上回ります。
さらにデッキボード下には大きなアンダーラゲッジまであり、実に買い物かご2個分の広さを有し、アンダーラゲッジも含めた荷室容量は449リットルです。
コンパクトサイズながら後席の広さも申し分なく、膝まわりのスペースは十分に確保されています。
これらの特徴を総合的に見れば、ロッキー Lは「都市部での実用性に特化したスペシャリスト」といえるでしょう。
主な用途が街乗りで、コストを最優先し、荷物を多く積みたいユーザーにとっては、極めて合理的な選択肢となるはずです。
ただし高速道路を頻繁に使う人や、家族での長距離ドライブを検討している場合には注意が必要です。
上位グレードに搭載されているACC(アダプティブクルーズコントロール)が非搭載のため、高速走行時の疲労感は大きくなります。
走行中のノイズや内装の質感に不満を感じ、購入後に後悔する可能性も否定できません。
ロッキー Lを“最高の買い物”とするための唯一の鍵は、その明確な長所と割り切られた妥協点を正しく理解し、自身の使い方に本当に合っているかどうかを冷静に見極める点にありそうです。
Writer: 佐藤 亨
自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。














































































