日産CEOが明言! 「シルビアを復活させたい」 復活への情熱と“S15”への熱い思い… エスピノーサ氏が語った

日産のイヴァン エスピノーサCEOに単独インタビューを実施。力強い再建を進める中、ファンが熱望する伝説のFRスポーツカー「シルビア」の話題に迫りました。エスピノーサ氏は、復活への強い意向を表明しつつも、現代の安全基準をクリアする「軽量シャシ」の実現が極めて困難であることを告白。それでも、シルビアが持つ「ブランドの個性」と「若年層へのアピール」というビジネス上の価値を見据え、その実現を諦めない熱い思いを語っています。

経営トップが語った「シルビア愛」とは

 2025年10月上旬、日産の取締役であり、代表執行役社長兼CEOを務めるイヴァン エスピノーサ氏にインタビューを実施。

 現在、日産は力強い再建プロセスを推進していますが、その中でクルマ好きの誰もが熱望する「シルビア」の話題に切り込むと、エスピノーサ氏の胸の内にある熱い思いが明かされました。

エスピノーサ氏が「シルビアを復活させたい」と語った…(画像は思い入れのあるS15)
エスピノーサ氏が「シルビアを復活させたい」と語った…(画像は思い入れのあるS15)

 企業戦略やビジネスの展望といったシビアな話に終始するかと思いきや、伝説的なFRスポーツカー「シルビア」について問われたエスピノーサ氏は、その復活を強く望んでいることを示唆しました。

 復活には極めて高いハードルが存在すると認めながらも、その実現を心から願う理由とは一体何なのでしょうか。

日産の取締役であり、代表執行役社長兼CEOを務めるイヴァン エスピノーサ氏にインタビュー!

●復活を願う声が絶えない「シルビア」の軌跡

 日産を象徴するスペシャリティクーペとして、シルビアは1965年の初代(CSP311)誕生以来、およそ40年の長きにわたり、多くのクルマファンに愛されてきました。

 特に人気を博したのが、1988年に登場した5代目「S13」です。バブル期の絶頂期に発売されたS13は、流麗なスタイリングとロングノーズ・ショートデッキというスポーティなプロポーションから、当時の「デートカー」として絶大な人気を獲得します。

 また、乗り心地の良いマルチリンク式サスペンションを採用した足回りと、曲線を多用した上質な内装は、女性ユーザーにも支持されました。

 同時に、その軽量なFR駆動とターボエンジンを搭載した「K’s」グレードは、走行性能を追求する「走り屋」たちにとっても格好の素材となり、スポーツカーとしての地位を不動のものとします。

 その後、ボディサイズを拡大した6代目「S14」を経て、運動性能を重視し、再びコンパクトな5ナンバーサイズに戻した最終型7代目「S15」が1999年に登場。

 2002年に生産が終了して以降、20年以上にわたり、その復活を求める声は世界中のファンから上がり続けています。

●幻の「IDx」に込められたブランドの将来像

 シルビア復活への期待が高まった時期として、多くのファンが思い起こすのが、2013年東京モーターショーで公開されたコンセプトカー「IDx(アイディーエックス)」です。

 IDxは、若年層を含む次世代の顧客をターゲットに開発されたFRスポーツクーペで、クラシカルなデザインと最新技術を融合させた意欲的なモデル。

 特に1970年代の「ダットサン510(3代目ブルーバード)」からインスピレーションを受けたとされるレトロな箱型デザインは、当時のシルビアの再来ではないかと大きな話題を呼びました。

東京モーターショー2013でお披露目された日産「IDx」「IDx NISMO」

 IDxは、シンプルで日常使いを想定した「IDx フリーフロー」と、高性能1.6リッター直噴ターボエンジンを搭載し、レーシングカーのようなアグレッシブなデザインを持つ「IDx NISMO」という2つのバリエーションが存在。

 これほどまでに期待値が高かったにもかかわらず、残念ながらIDxの市販化は実現に至りませんでした。

 では、イヴァン エスピノーサ氏は、この「シルビア」という車名、そしてIDxが示唆した「手の届くFRスポーツ」のコンセプトに、どのような価値を見出しているのでしょうか。

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