見た目も走りも激変! 日産「新型リーフ」登場! 斬新クロスオーバーへと進化した“3代目”は乗り心地がサイコー! 702km走れる「最新モデル」の実力は?
見た目・走りともに極めて実直!
フットワークはズバリ「気を衒わず直球勝負」です。もう少し具体的に言うと、決して機敏ではないけど正確で滑らかなステア系、操作に対して忠実に動くクルマの動き、ロールは比較的大きめだけど粘りのあるサスペンション、クルマの重さを感じさせないボディコントロールなどが融合したハンドリングなど、重いクルマを強引に曲げようとする感覚の強いアリアとは別物で、新型リーフはとにかく“普通”で自然に曲がります。
決してスポーティな仕立てではありませんが、とにかく軽快でスッキリしているのに骨太という、日産の新スタンダードと呼んでいい走りで、その実直な感じは初代「プリメーラ」を思い出したくらい。

おそらく、走りの構成要素はアリアと似ていますが、全体的に緊張していた筋肉がほぐれた印象で、CMF-EVプラットフォームをはじめとする各部のパフォーマンスを使いこなせてきたようです。
個人的には「これならe-4ORCE要らずだな」と思う一方で、「NISMOやオーテックスポーツスペックをつくるならば、e-4ORCEにしないとダメだろうな」とも。
乗り心地は現在日産で発売される車両の中で最良と言っていいレベル。入力のカドの丸やアタリのやさしさはもちろん、路面のザラ・ビリを伝えない(振動が少ない)、バネ上の落ち着き(フラット感よりも目線のブレにくさ)、減衰よりもストロークで抑える吸収性(無理やり抑え込まない)など、とにかく可動部がフリクション無くスムーズに仕事をしている印象です。
メカニカルダンパーでここまでできるなら電子制御ダンパーはいらないと思いつつも、NISMOやオーテックスポーツスペックはこの上を目指すなら必要になってくるかもしれません。

結論として、新型リーフは、見た目・走りともに極めて“実直”なクルマに仕上がっていると思います。
現在日産は再建の道を進めています。健全な経営に戻すためにはスリム化や効率化などは絶対命題ですが、筆者は「クルマ屋はプロダクトが全て」だと考えます。
そういう意味では、増築ではなく刷新を選んだ新型リーフは、新生日産を象徴するモデルと言っていいと思います。
価格(消費税込)はXが518万8700円、上級Gが599万9400円と、従来モデルの「e+」(62kWh仕様)と比べると価格アップはわずかとなっています。
なお、遅れてバッテリー容量が少ない仕様(50kWh仕様)も登場予定で、そちらはもう少しリーズナブルなプライス(補助金を入れて400万円を下回る価格を目指す)になるようです。
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今回大きく変わったリーフですが、初代が登場した15年前と違うのは、下に入門編である軽自動車の「サクラ」、上にプレミアムのアリアとファミリーがいることです。
日産BEVシリーズのメインストリームにふさわしい仕上がりである事は筆者が保証しますので、是非とも近くのディーラーでそれを実感・体感してみてください。
間違いなく、これまでの日産とはちょっと違いますから。
Writer: 山本シンヤ
自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。


























































