ガソリンの暫定税率、廃止される可能性が高まる!? 自民党の高市早苗新総裁が意欲を示す! 新税との関係はどうなるか 今後の動向に注目集まる

2025年10月4日に自民党新総裁となった高市早苗氏が、会見で燃料油の暫定税率廃止に向けた意欲を示しています。一部メディアでは、次の臨時国会においてガソリンの暫定税率廃止に関する法案を成立させることで、3者が事実上合意したと報じられています。はたしてこの先、ガソリンと経由の価格はどうなるのでしょうか。

高市早苗新総裁、ガソリンの暫定税率廃止に意欲

 ガソリンと軽油の価格が下がる可能性が高まっています。

 直近では、2025年10月4日に自民党総裁の座についた高市早苗氏が、会見で燃料油の暫定税率廃止に向けた意欲を示しました。
 
 実現に向けて今後、どのような流れになっていくのでしょうか。

自民党総裁選後、就任記者会見する高市早苗新総裁[Photo:時事通信フォト]
自民党総裁選後、就任記者会見する高市早苗新総裁[Photo:時事通信フォト]

 高市氏の発言は、自民党総裁選挙3日前の10月1日、与党である自民党と公明党、そして野党の代表として立憲民主党が参加した実務者協議に裏打ちされたものだと言えるでしょう。

 次の臨時国会においてガソリンの暫定税率廃止に関する法案を成立させることで、3者が事実上合意したというニュースが流れているのです。

 この法案とは、立憲民主党のほか、日本維新の会、国民民主党、日本共産党、参政党、日本保守党、社会民主党の野党7党が8月1日に衆議院に提出したいわゆる「ガソリン暫定税率廃止法案」のことです。

 正式名称は「租税特別措置法および東日本大震災の被害者に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案」。

 ここで、ガソリンに係る税金の暫定税率について少し振り返ってみましょう。

 1970年代に道路整備の財源として、またオイルショックによる原油価格高騰を補うための一時的な措置でしたが、その後も名目を変更されて旧暫定税率という形になり、依然として続いている措置です。

 また、今回の法案で東日本大震災についても触れていますが、これはトリガー条項の凍結に関する見直しを含みます。

 トリガー条項は2010年の租税特別措置法の一部改正で、全国ガソリン小売価格が3ヶ月連続で160円を越えた場合、暫定税率分(25.1円)を減税するといった各種条件を設定したものです。

 ただし、2011年の東日本大震災に対応する財源としてトリガー条項を当分の間は凍結することを決めました。

 その後、トリガー条項凍結を見直すべきという議論は国会で度々行われてきましたが、近年はガソリン税に係る暫定税率そのものを廃止するべきという抜本的な法改正の議論が高まっているところです。

 そんな中、大きな変化点となったのは、与党である自民党と公明党、そして国民民主党が昨年12月11日の幹事長会談で、いわゆる「103万円の壁の引き上げ」と「ガソリンに係る税の暫定税率廃止(ガソリン暫定税率)」での合意です。

 ところが、与党側がその後、この合意の実施について具体的な方向性を示さないために、ユーザーの多くが、ガソリン税の暫定税率廃止が宙に浮いたように印象を持ち、ガソリン価格引き下げに対して不安を抱くようになったのではないでしょうか。

 こうした与野党間での不安定な状況を打破したのが、野党7党が6月11日に衆院に提出した「ガソリン暫定税率廃止法案」ですが、衆院で可決されるも、与党が多数を占める参院での決議に及ばず。この際、法の施行日は7月1日となっていました。

 その後の参議院選挙で与党が過半数を切ったことから、8月1日に同法案を再び提出していました。今回、法の施行日は11月1日としています。

 立憲民主党のホームページには、この設定日について「できるだけ早期に暫定税率を廃止するという観点から、政府や業界団体とも協議の上で設定したもの」と説明しています。

 なお、軽油の軽油引取税の暫定税率廃止について、8月21日の与野党実務者協議の際に来年4月からの廃止を想定しています。

 ところが、大きな課題として改めて浮上したのが、ガゾリン暫定税率廃止に伴う新しい財源です。

 一部では、クルマが走った距離に応じて課税する「走行距離課税」を新たに導入して、その財源にあてる案が浮上したと報じられました。

 筆者は霞が関界隈でこの件について情報収集していますが、どこまで具体的な議論が行われたのかは不明です。
 
 また、ガソリン等の燃料油税のほか、クルマに係る車体課税が来年度から大きく変わるための準備が現在、行われているところです。

 車体課税とは自動車所得にかかる「環境性能割」、自動車保有時にかかる「自動車税(軽自動車税)」と「自動車重量税」を指します。

 その上で、自動車メーカーなどでつくる業界団体の日本自動車工業会が9月18日に実施した定例記者会見で、ガソリン暫定税率を廃止した場合の代替財源として「車体課税への付け替えやユーザーの負担増につながることは絶対反対」と、強いメッセージを発信したのが印象的でした。

 また、消費税との二重課税である堪能性能割については、改めて完全に廃止することを要望。

 さらに、暫定税率は自動車重量税にもかかっており、これについても抜本的な議論が必要という見解を示しています。

 その上で、自動車税(軽自動車税)と自動車重量税を、クルマの重さを基本とした新税として統一する新税ことが検討されています。

 日本自動車工業会の会見では、この新税の要素や詳細の議論の進捗については明らかにしていません。

 要するに、ガソリン暫定税率廃止について、財源や車体課税との関係性など総括的な議論がまだまだ不十分な状況にあるということです。

 見方を変えると、こうした議論は新しい政権による方針に大きく左右されるとも言えるでしょう。実際、各方面と意見交換してみますと、こうした見解を示す自動車関連業界の幹部は少なくありません。

 そして今回、高市氏がまずは自民党総裁となったわけですが今後、総裁と総理の「総総分離」が起こらなければ高市政権が発足することになります。

※ ※ ※

 高市氏はトヨタ「70スープラ」を20年以上所有したり、当時の中型バイクに乗っていた経験があるなど、ユーザーとして自動車に対する理解がある人物だと報じられています。

 むろん、そうした個人的な感覚でクルマに係る税金の車体課税やガソリン暫定税率の問題に対応することはないでしょう。

 そうとはいえ、政権の維持安定のために与野党間の連携強化は必須であり、ガソリン(及び軽油)の暫定税率の早期廃止は、新政権の良きスターティングシンボルになるかもしれません。

 いずれにしても、ユーザーとしてはクルマに係る税金について十分納得がいく形で抜本的な変革が行われることが期待されます。

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