「ETCバー、開くの遅くない?」 実は遅くなってた!? 理由は? 適切な通過速度、知っていますか?
有料道路をスムーズに通過できるETCですが、「最近バーが開くのが遅くなった?」と感じたことはありませんか。実はそれ、気のせいではありません。安全対策として、意図的に開くタイミングが遅らされているのです。一体なぜなのでしょうか。本記事では、ETCバーが開くのが遅くなった理由と、推奨されている「20km/h以下」という通過速度の重要性、そして思わぬトラブルを防ぐための注意点を詳しく解説します。
通過速度は? スピードを出し過ぎると思わぬトラブルが起きる可能性も
有料道路の料金所をスムーズに通過する際に便利なのが「ETC」。
多くの人が利用するETCですが、稀に開閉バーが開かないというトラブルに巻き込まれるケースも。
原因のひとつとして、ETCゲートの通過速度がありますが、どのくらいの速度で通過すればいいのでしょうか。
本記事では、ETCゲートの通過速度や注意点について詳しく解説していきます。

●ETCゲートはあえて開くタイミングを遅くしている!?
ETCは、有料道路において通行券を取ったり、料金を支払ったりする手間を省ける便利なシステムです。
国土交通省によると、2025年7月の全国のETC利用台数は約864万台/日、利用率は95.4%とされています。
これだけ多くの人がETCを利用しているなか、開閉バーが開かないとなると、一時的にETCレーンが混雑する可能性があります。
このような状況を避けるために、ETCレーンでは徐行をすることが重要です。
ETC総合情報ポータルサイトの「ETCシステム利用規程」には、「20キロメートル毎時以下に減速して進入すること」と記載されています。これは、無線通信エラーやバー接触などを防ぐための対策です。
実は、以前まで車両検知器を通過して開閉バーが開くまでの時間は、標準で0.5秒以下でした。
しかし、ETCゲートでのトラブルが多発していたため、2009年から「ETCレーン速度抑制対策」として、開閉バーが開くまでの時間が約1.0秒になっているのです。
NEXCO西日本は「ETCレーン速度抑制対策」を実施する前に、複数路線の料金所でテストを行っており、開閉バーが開くまでの時間を遅くすることで、通過速度を20km/h以下まで減速させて事故やトラブルの減少に成功しています。
また、ETCカードの挿し忘れなどの理由で開閉バーが開かないケースは少なくありません。
この場合、ETC機器との無線通信が行われないため、ETCレーンに設置している電光表示板に「停車」と表示されます。
急なトラブルでも、ドライバーが表示を認識して安全に停止するために、通過速度を20km/h以下と定めているのです。

●ETC利用するときは乗車前にカードの挿入を確認!
有料道路でETCを利用する予定があるときは、必ず乗車前にETCカードを挿入しておきましょう。
また、ETCカードはしっかり車載器の奥まで挿し込んでください。ETCカード未挿入や挿し込み不良のままETCレーンに入ってしまうと、開閉バーが開きません。
料金所の直前でETCカードを差し込んでも、車載器がETCカードを認証するまで数秒かかるため、無線通信エラーになる可能性があるので要注意です。
ETCカードをしっかり挿入していても、ETCレーンに入る際は20km/h以下で徐行が基本です。
ETCレーンの電光表示板に表示されている「徐行」が「↑ETC」に切り替わり、開閉バーが開いたのを確認して安全な速度で通過しましょう。
また、無線通信エラーなどが原因で電光表示板の表示が「停車」になることもあるため、その際はバックではなく、必ず「停車」してください。
焦ってバックしてしまうと、後方に続く車両に接触して事故が起きる可能性があるので要注意です。「停車」になった場合は、係員の対応を待ち、焦らず指示を仰ぎます。
なお、ETCカードは有料道路に入ったら出るまで抜き取らないでください。
有料道路では、入口・出口のほかに本線上にもアンテナが設置されています。これにより、走行経路を認識して料金が適用されます。
本線上のアンテナを通過する際に、ETCカード未挿入などで無線通信エラーになると、距離に応じた料金が正常に適用されない場合があるので注意してください。
特に、サービスエリア・パーキングエリアで休憩するときにETCカードを抜き取ったら、乗車時に再度挿し込むのを忘れないようにしましょう。
●もし料金が正しく適用されなかったら?
ETCカード未挿入などが原因で高速道路の利用料金が正しく適用されなかった場合は、該当するエリアを管轄している所へ問い合わせてください。
NEXCO西日本の場合、以下の情報を伝えることで、スムーズに対応してもらえます。
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1.車両のナンバー、車種、形状(ワゴン・セダン・トラックなど)、色
2.ETCカード番号と有効期限
3.利用した入口・出口の料金所名と通過時刻
4.名前と連絡先(連絡を希望する時間帯)
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ここまで解説してきたように、ETCレーンでは開閉バーが開かないといったトラブルを避けるために、前のクルマと十分な距離を取り、20km/h以下で徐行することが大切です。
乗車前はETCカードを車載器の奥まで挿し込み、出口を通過するまで抜き取らないようにしましょう。
一人ひとりが事前確認と安全な走行を心掛けることで、思わぬトラブルを回避できます。
Writer: マツ
2022年からフリーのWEBライターとして活動開始。上場企業からの依頼で、SEO記事を中心にVOD・通信系(WiFi・光回線など)などのジャンルを執筆して経験を積む。現在も企業が運営する複数のメディアで記事を執筆。読者に役立つ内容を、わかりやすく執筆することを心掛けている。





















