「日本の司法は甘すぎる」 道路にロープを張って自転車の男性にケガをさせた男に執行猶予付きの有罪判決! ネット上では批判の声
2025年5月大阪府で、自転車で通りかかった男子大学生が、路上に張られたロープで転倒しケガを負う事件が発生。被告の男に懲役2年6か月、執行猶予4年の有罪判決が言い渡されました。ネット上では「日本の司法は甘すぎる」「無差別テロと同じでは?」といった声があがっています。
同種事案は過去にも複数発生! 軽い気持ちで犯行におよぶケースも
2025年5月に男が大阪府羽曳野市の路上にロープを張り、自転車で通りかかった男子大学生を転倒させてケガを負わせた事件について、先日被告の男に懲役2年6か月、執行猶予4年の有罪判決が言い渡されました。
この判決にはネット上で批判の声が上がっています。

大阪府羽曳野市の住宅街の道路にロープを張り、自転車で通りかかった男子大学生を転倒させてケガを負わせたとして、今年7月にアルバイトの23歳の男が殺人未遂と往来妨害の疑いで逮捕されました。
この事案は2025年5月31日の午後9時20分頃、男が羽曳野市内の市道において道路を横断するようにナイロン製ロープを張り、自転車で走行してきた男子大学生を転倒させて後頭部や背中などに全治10日間のケガを負わせたものです。
警察が大学生からの通報を受けて現場周辺の防犯カメラ映像を確認したところ、男が周囲の様子をうかがいながらロープを張り、大学生が転倒するのを見た後、救護することなく立ち去る様子が映っていました。
現場は近鉄古市駅から南西方向に約1kmの住宅街にある道路で、夜間もクルマやバイク、自転車がよく通行する場所でした。なお、男はいたずらをしてストレスを解消しようと考えて犯行に至ったということです。
先日9月25日、この事件の裁判が大阪地裁堺支部でおこなわれ、傷害などの罪に問われていた被告の男に懲役2年6か月、執行猶予4年の有罪判決が言い渡されました。
大阪地裁堺支部は判決で「大学生は道路に後頭部を打ちつけていて、大ケガをしなかったのは幸いというほかない。出来心のいたずらでは済まされない悪質な犯行」と被告の行為を強く非難しました。
その一方で、「前科前歴がなく、すでに一定の社会的制裁を受けている」として被告に執行猶予付きの有罪判決を言い渡したほか、「更生するには公的機関の指導監督が有用である」などとして、執行猶予期間中は保護観察処分とするのが相当であると判断しています。
この事件に対しては「自転車に乗った人はケガで済んだけど、バイクだったら命を落としていたかもしれない。無差別テロと同じでは?」「行為の重さに見合った量刑とは思えない」「殺人未遂でしょ? ほんま日本の司法は甘すぎる」など、量刑が軽いとの批判が相次いでいます。
また「この手の事件が報道されるたび、昭和に起きた葛飾区の水元公園での事件を思い出します。被害者の高校生は首の骨を折り死亡、事件は未解決のまま時効となっています」「この手のいたずらって昔からあるよね」などの意見も寄せられました。
上記コメントのように、1984年には東京都葛飾区にある水元公園内の路上にロープが張られ、仲間十数人とバイクで走行していた少年がロープに首を引っかけて転倒し、死亡する事件が発生していますが、事件は未解決のままとなっています。
路上にロープが張られて通行人が死傷する事件は過去にも繰り返し発生しており、2019年4月には大阪府寝屋川市の市道をミニバイクで通勤中だった女性が道路を遮るように張られたロープに引っかかって転倒し、左足を骨折する重傷を負う事件が発生しました。
この事件では、当時16歳の男子高校生2人が殺人未遂と往来妨害の疑いで逮捕され、高校生らは「転んだ人を見て楽しもうと思った」「ニュースになるぐらい大ごとになるとは思っていなかった」などと話しています。
そのほか2011年8月には愛知県名古屋市南区の路上において、バイクに乗っていた牛乳配達の女性が道路に張られたロープに引っかかって軽いケガをする事件が発生し、当時高校1年生の少年2人が往来妨害致傷の疑いで逮捕されています。
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道路上にロープを張って通行人を負傷させる事案は複数発生しており、軽い気持ちで犯行におよぶケースもみられます。
場合によっては人が死亡する危険かつ悪質な行為であり、厳罰化が望まれているといえるでしょう。
Writer: 元警察官はる
2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。































