中国人観光客2人を逮捕!「台湾の偽造免許証」を使って日本で不正に手続きか “制度を悪用”した手口とは? 元警察官が解説
中国人観光客2人が台湾の偽造免許証を使い、日本でクルマを運転するための手続きをおこなったとして警視庁に逮捕されました。どのような方法で不正をしたのでしょうか。
日本では「台湾の運転免許証」+「日本語の翻訳文」で運転可能! 制度を悪用か
中国人観光客2人が台湾の偽造免許証を使い、日本でクルマを運転するための手続きをおこなったとして警視庁に逮捕されました。
台湾の免許証を持っている場合、比較的簡単な手続きで運転ができることから、その制度を悪用したものとみられます。
具体的にどのような手口だったのでしょうか。
![「台湾の偽造免許証」を使って不正をした中国人観光客2人が逮捕![画像はイメージ、ペイレスイメージズ1(モデル)/PIXTA]](https://kuruma-news.jp/wp-content/uploads/2026/09/pixta_68639702_M.jpg?v=1759138870)
警察庁の統計によると、外国人運転者による死亡・重傷事故は近年増加傾向にあり、今年1月~6月までの上半期だけでも死亡事故が22件、重傷事故が236件発生しています。
この問題に対しては、外国人の運転方法や運転免許取得のあり方について多くの批判が寄せられている現状があります。
そもそも、外国人が日本で車両を運転する際には次のいずれかの運転免許証を所持していなければなりません。
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1.日本の運転免許証
2.ジュネーブ条約に基づく国際運転免許証
アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダなどが対象
3.日本と同等レベルの免許制度を有している国または地域の運転免許証(ただし、大使館や領事館、JAFなどが作成した日本語の翻訳文が添付されているものに限る)
スイス、ドイツ、フランス、ベルギー、モナコ公国、台湾が対象
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たとえば上記2や3の運転免許証を持っている外国人であれば、日本に上陸してから1年間または運転免許証の有効期間のいずれか短い期間までは、その運転免許証を使ってクルマを運転できます。
また上記2や3に該当しない国・地域の外国人が運転をする場合は、一から日本の運転免許証を取得するか、外国の運転免許証を日本の運転免許証に切り替える「外免切替」の手続きをして日本の運転免許証を取得する必要があります。
そのような中、警視庁は9月26日、偽造された台湾の運転免許証を使って日本でクルマを運転するための手続きをおこなったとして、中国人観光客2人を「私電磁的記録不正作出・同供用の疑い」で逮捕したと公表しました。
これは昨年11月に中国籍の男女2人が、偽造された本人名義の台湾の運転免許証を使ってJAFに「日本語の翻訳文」の申請をするという不正な手続きをしたものです。
具体的な手口としては、容疑者2人が中国の通販サイトを通じて業者に「偽造免許証」と「日本語の翻訳文」の発行を依頼していました。その後2人は来日し、今年9月10日~11日に逮捕されたということです。
なおJAFの翻訳文申請サイトは国外からアクセスできないため、中国にいる業者の男は日本在住の中国人らに1件あたり数千円の報酬を渡し、JAFへの申請を代行させていたとみられています。
警視庁は通販サイトで手続きを請け負っていた疑いのある37歳の中国人についても逮捕状を取り、ICPO(国際刑事警察機構)を通じて国際手配をおこなう方針を明らかにしています。
さらに今回逮捕された容疑者のうち1人は手続き後、日本でレンタカーを運転したとみられており、警視庁はこの容疑者を無免許運転の疑いでも捜査しています。
上記のように台湾の運転免許証は日本での信頼性が高く、日本語の翻訳文を添付すれば日本で運転できるという仕組みです。外免切替と比べても容易に手続きができることから、今回の事案はその制度を悪用したものといえるでしょう。
ちなみに、台湾の偽造免許証を使った不正手続きの摘発は全国で初めてということです。また台湾の偽造免許証を悪用した申請は少なくとも8件確認されており、来日する中国人観光客向けに不正な申請を請け負う犯罪グループがいるとして、警察は実態解明を進めています。
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今回のニュースに対してはインターネット上で「また中国人か…毎日ニュースで見てうんざりする」といった声や「じゃんじゃん捕まえて強制送還し二度と日本に入国できないように法改正してほしい」など厳罰を求める意見が寄せられています。
外国人運転者による重大事故が相次ぐ中、今回のような不正申請の取り締まりを強化することや、日本の運転免許証の取得ハードルを高めることなどが求められています。
Writer: 元警察官はる
2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。






















