「何も悪いことしてないのに…」 ゴールド免許が突然ブルー免許になる理由は? 無事故・無違反でも「うっかり」で格下げに? 意外な落とし穴とは
多くのドライバーが目指す「ゴールド免許」。保険料の割引など恩恵は大きいですが、無事故・無違反でもブルー免許に格下げされる意外な落とし穴があります。安全運転を続けるドライバーが見落としがちな、免許を維持するための重要な注意点を解説します。
無事故・無違反でも「青」に? ゴールド免許を逃す意外な落とし穴
多くのドライバーが目標とする「ゴールド免許」。更新時の講習時間短縮や自動車保険料の割引など、その恩恵は大きいものです。
しかし、交通違反や人身事故がなくても、ゴールド免許を取得できない、あるいは手放すことになるケースが存在します。
今回は、安全運転を心掛けている人ほど見落としがちな、ゴールド免許を維持するための重要な注意点とはなんなのでしょうか。

運転免許証の帯の色が金色に輝く「ゴールド免許」は、単なるステータスシンボルではありません。
正式には「優良運転者免許証」と呼ばれ、日頃から安全運転を遵守している証として、さまざまな実用的なメリットが用意されています。
例えば、免許を更新する際の講習は、他の区分よりも短い時間で完了します。また、自動車保険会社からは事故を起こす可能性が低い「優良ドライバー」と見なされ、保険料の割引を受けられることが多く、経済的な恩恵も大きいのが特徴です。
警察庁が公表した「運転免許統計令和5年版」によれば、2023年中に免許更新を行った人のうち、約63%がこのゴールド免許を取得しています。
では、免許証の帯の色は、どのような基準で決定されるのでしょうか。
その判定の鍵となるのは、「免許更新年の誕生日の41日前を起点として、過去5年間」の運転記録です。この期間における交通違反や人身事故の有無によって、免許の区分が分けられます。
まず、5年以上継続して免許を保有し、なおかつ違反や人身事故がないドライバーが「優良運転者」としてゴールド免許の対象となります。
一方で、免許の継続期間が5年以上であっても、3点以下の軽微な違反が1回だけある場合は「一般運転者」に区分され、帯の色は青色になります。
違反を複数回犯したり、人身事故を起こしてしまったりした場合は「違反運転者」となり、同じく青色の免許証が交付されます。
初めて免許を取得した人は緑色の帯の「新規取得者」となり、最初の免許更新を迎えると、違反経歴などに応じて青色の「初回更新者」または他の区分へと移行します。このように、ゴールド免許への道は、一定期間の無事故・無違反の実績が必要となるのです。
安全運転を続けてきたにもかかわらず、次の更新でゴールド免許が手に入らない、あるいは失ってしまうという事態が起こり得ます。
その主な原因として、二つのケースが挙げられます。
一つ目は、免許の保有期間が5年に満たない場合です。免許を取得してから初めての更新を迎える「初回更新者」は、たとえ5年間の途中で更新日を迎えたとしても、継続保有期間が5年に達していないため、無事故・無違反であってもゴールド免許の交付対象にはなりません。
この場合は青色の免許証となり、次回の更新時に初めてゴールド免許取得のチャンスが巡ってきます。
そして二つ目の、より注意すべきケースが「うっかり失効」です。これは、病気での入院や災害といった「やむを得ない理由」がないにもかかわらず、免許証の有効期限内に更新手続きを行わなかった場合を指します。
もしゴールド免許を持っていたとしても、うっかり失効後に再取得手続きを行うと、その資格は引き継がれず、青色の免許証になってしまいます。
「更新のお知らせハガキが届かなかった」「仕事や介護で多忙だった」といった個人的な事情は、残念ながらやむを得ない理由とは認められません。日頃から有効期限を意識し、確実に更新手続きを行うことが不可欠です。
※ ※ ※
2025年3月24日からは、運転免許証の機能がマイナンバーカードに統合された「マイナ免許証」の運用が開始されました。
これは、マイナンバーカードのICチップ内に免許情報が記録されるもので、カードの見た目上は免許証であるとは分かりません。
そのため、これまでのように財布から免許証を取り出して色を確認するといったことができなくなります。自身の免許区分を確認するには、スマートフォンなどに専用アプリをインストールし、登録した暗証番号を入力してICチップの情報を読み取る必要があります。
警察庁によると、マイナ免許証の券面には有効期間が表示されませんが、従来通り更新時期が近づくとお知らせのハガキは送付されるとのことです。
しかし、このハガキに頼りきるのではなく、自分自身で有効期限を管理する意識がより一層重要になると言えるでしょう。
引っ越しをした際には、速やかに住所変更の手続きを行うと共に、郵便物の転送サービスを利用するなど、大切なお知らせを確実に受け取れる体制を整えておくことが、ゴールド免許を維持するための第一歩となります。
Writer: くるまのニュース編集部
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