トヨタ「新型“GR”セリカ」まもなく登場!? 500馬力超え「究極」名乗る“黄色い”コンセプトにヒントあり? 大人気「スキー映画」でもおなじみ高性能クーペ「GT-FOUR」復活にも期待大!

トヨタの伝説的なスポーツ4WDモデル「セリカ」(セリカ GT-FOUR)の復活が期待されています。かつてこのセリカに「Ultimate(究極)」の名が付いたコンセプトモデルが存在していたことをご存じでしょうか。

トヨタが生んだ“究極のセリカ”とは

 トヨタは、国内スペシャリティクーペのパイオニアとして知られる「セリカ」を復活させると公言しています。

 高性能な“GR”モデルとなると予想されますが、かつてトヨタではそんな「凄いセリカ」をつくり話題を集めたことがありました。

500馬力超え! 四駆ターボの「究極のセリカ」とは!?
500馬力超え! 四駆ターボの「究極のセリカ」とは!?

 トヨタの米国法人が2000年に発表した「Ultimate Celica(アルティメットセリカ)」は、当時販売されていた7代目セリカをベースとしたカスタムカーとして登場しました。

 その名も「Ultimate(究極)」と冠されたアルティメットセリカです。

 ベースの7代目セリカ(T230型)は1999年9月にデビューしています。

 それまでのセリカには、「ST165」(4代目)、「ST185」(5代目)、「ST205」(6代目)とハイパワーなスポーツ4WDモデル「GT-FOUR」が投入され、WRC(世界ラリー選手権)をはじめとする国内外のラリーシーンで活躍してきました。

 しかしラリー競技からの撤退やスポーツモデル人気の低迷といった状況が影響したのか、T230型ではコンセプトを大きく変更し、FF専用車へと転換。エンジン排気量も縮小し、1.8リッターへとダウンサイジングしました。

 連続可変バルブタイミングリフト機構(VVTL-i)のお陰で、最高出力は190PSを維持しましたが、かつて220PS以上を発揮するハイパワーエンジン「3S-GTE」を搭載していたセリカのイメージからは大きくかけ離れており、ファンの間には落胆の声も少なくはありませんでした。

 そうした背景のなか、7代目セリカのデビューから約1年後の2000年に、トヨタUSAはアルティメットセリカと名付けたコンセプトカーを発表しました。

 この設計と開発を担ったのは、ラリーやオフロードレース、ヒルクライムなど幅広い分野で実績を残した元レーサー、ロッド・ミレン氏率いる「ロッド・ミレン・モータースポーツ」とトヨタ・レーシング・デベロップメント (TRD)との共同プロジェクトでした。

 その開発目標は、なんと「500PS超を誇る全輪駆動セリカ」。

 量産型の2リッター直列4気筒エンジンをベースに徹底的なチューニングが施され、ボアとストロークの拡大に加えてターボチャージャーも組み合わせ、特注のインコネル製ヘッダーセットやステンレス製エキゾーストシステムを採用。

 その結果、最高出力は500PS/8000rpm、最大トルクは340ポンドフィート(460Nm)/5500rpmに到達しました。

 この圧倒的なパワーを確実に路面へ伝えるため、駆動方式は全輪駆動システムへ変更、5速マニュアルミッションも組み合わされています。最高速度は249km/hと発表されていました。

 足回りについても、レース直系のビルシュタイン製ストラット&スプリングのチューニングに加え、大容量ブレーキを採用。

 さらに一体型ロールケージや4点式レーシングハーネスを備えたレカロ製スポーツシート、245/35R19サイズのミシュラン「パイロットパフォーマンス」タイヤ、BBS製19インチマグネシウムレーシングホイールなどを採用したほか、特注のエキゾーストシステムなども投入されており、市販車というよりまさにレーシングカーそのものといった内容でした。

 エクステリアデザインは、トヨタ米国デザインセンターによるもの。

 2本のステーで持ち上げた大型リアウイング、リアバンパー中央に配置された2本出しマフラーエンド、フォーミュラカーを彷彿とさせるフロントノーズとバンパー、そして大きく拡幅された前後フェンダーなど、専用のボディパーツを装着していました。

 車幅はフロントで約97mm、リアで約81mm拡大され、さらに鮮烈なレーシングイエローのボディカラーと相まって、まさに大迫力のレーシングカー然としたオーラを放っていました。

※ ※ ※

 残念ながらこのアルティメットセリカが市販化されることはありませんでした。

 しかし、セリカファンが発した熱い声をトヨタが実現させたことは、ファンにとって嬉しいものでした。

 そのファンの声を再び受け止め、実現されようとしている新型セリカ。はたして今秋の「ジャパンモビリティショー2025」でその姿を見ることができるのでしょうか。

 そして往年の名車セリカの後継に相応しいものとなるのか、大いに期待したいところです。

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Writer: 吉川 賢一

日産自動車にて11年間、操縦安定性-乗り心地の性能開発を担当。スカイライン等のFR高級車の開発に従事。新型車や新技術の背景にあるストーリーや、作り手視点の面白さを伝えるため執筆中。趣味は10分の1スケールRCカーのレース参戦、クルマ模型収集、サウナなど

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