どうしてクルマはこんなに高くなった!? N-BOXは初代から「50万以上」アップ! 新車価格がどんどん高騰している理由
年々高くなっているクルマの「新車価格」。軽自動車やコンパクトカーも例外ではなく、スズキ「アルト」やホンダ「N-BOX」などの軽自動車は初代モデルから50万円以上アップしています。新車の車両価格が高くなるのには、どのような理由があるのでしょうか。
新車価格の高騰が続いています。軽自動車やコンパクトカーも例外ではありません。
新車の車両価格が高くなるのは、どうしてなのでしょうか。

1979年に登場したスズキの初代「アルト」は、当時15.5%の物品税がかからない軽商用車(軽ボンネットバン)でありながら、乗用車ライクなスタイルと47万円という価格設定により大ヒットモデルになりました。
スズキのみならず、軽自動車にとってエポックメイキングといえるクルマです。
現在のアルトは、2025年6月に一部改良を受け、受注生産の「A」が114万2900円(価格はすべて消費税込)で、同車のエントリーグレードです。
初代から約67万円高となっていますが、スズキのエントリーモデルということもあり、価格設定はかなり頑張っています。
また、現在の軽自動車のみならず、登録車を含めても最も売れているクルマであるホンダ「N-BOX」は、2011年11月誕生の初代は、当時の価格が124万円〜178万円でした。
2017年8月に発売された2代目の登場時は、138万5640円〜208万80円。3代目の現行型は、2025年4月に一部改良を受け、173万9100円〜247万5000円になっています。
N-BOXは、初代登場時から約14年が経ち、エントリーグレードは約50万円、最上級グレードは約70万円ものアップとなっています。
ホンダだけでなく、日本で最も売れているモデルだけにできる強気の価格設定ともいえそうですが、現行型のエントリーグレードは、初代の最上級グレードとほぼ同じです。
価格アップは新車全般にいえますが、とくにN-BOXに代表される軽スーパーハイトワゴンや定番化しているSUV、ファミリーカーとして絶大な支持を維持するミニバンなどに顕著で、値上げ幅も高い印象があります。
コンパクトカーやセダンなども価格は上がっているものの、売れ筋モデルや売れ筋ジャンルほどの価格高騰にはなっていません。
2014年9月登場のマツダのコンパクトカー「デミオ(現MAZDA 2)」は、135万円〜219万2400円でした。2025年9月現在のMAZDA 2は、154万8800円〜250万1400円と、20万円〜30万円程度のアップにとどまっています。
しかし、新車全般の価格アップは間違いなく、各メーカーは、価格改定時に主に原材料費高、輸送費高を理由にあげています。
そのほか、社会全般の物価高や人件費アップ、先進安全装備や快適装備の充実化、環境対応や電動化なども価格上昇の背景にあります。先進安全装備などは、法規対応も含まれていて、新車を販売する上で欠かせません。
原材料費アップには、原油由来の原材料に使われるプラスチック製品をはじめ、スチールやアルミ、銅などのほか、コロナ禍で話題になった半導体やワイヤーハーネスなどの不足問題、電動化で使用割合が高まる駆動用バッテリーをはじめ、レアメタルやレアアースなどの価格高騰もあるでしょう。
電動化が進むほど部品点数は減るものの、モーターや「PCU(パワーコントロールユニット)」のほか、「ECU(Electronic Control Unit)」の使用数も高まります。
物流コストの上昇は、クルマの価格以外にも身近な日用品まで満遍なく影響しています。「働き方改革関連法」の施行によって顕在化したいわゆる「2024年問題」を受けての運賃価格アップも影響していると思われます。
先進安全装備をはじめ、環境対策や電動化への対応だけでなく、少し前に話題になった「CASE(コネクティッド、自動化、シェアリング、電動化)」の対応、最近トレンドの「SDV」化(ソフトウェア定義型車両化)には、膨大な時間とコストがかかります。こうしたコストも回収する必要もあります。
クルマの技術進化と様々なコストの上昇が、クルマの新車価格を押し上げる要因となっています。今後もこの流れは続いていくでしょう。
Writer: くるまのニュース編集部
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