1.6リッター「570馬力超え」エンジン搭載! 斬新「“4WD”モデル」がスゴイ! 「市販車最速のパワトレ」×空力性能を追求した“流麗デザイン”が魅力! メルセデスAMG「ONE」ってどんなクルマ?
ニュルブルクリンクで市販車最速記録を樹立したメルセデスAMG「ONE」は、1000馬力を超えるパワーを持ちながら意外にも小排気量のエンジンを搭載していました。詳しい仕様はどうなっているのでしょうか。
“市販車最速”を誇る四輪駆動モデルの仕様とは?
2024年10月、メルセデスAMGのハイパーカー「ONE」がニュルブルクリンク北コースにおいて、6分29秒090という驚異的なラップタイムを記録したと発表されました。
この記録は、同車が従来持っていたタイムを5秒以上短縮し、6分30秒を切る市販車最速の新記録となります。
メルセデスAMG ONEは、F1由来の最新技術を惜しみなく注ぎ込みながら、公道走行を可能としたモンスターマシンです。
注目すべきは、その心臓部に2リッター未満の小排気量エンジンを搭載している点でしょう。
一体どのような仕様なのか、詳しく見ていきます。

メルセデスAMG ONEは、2017年に「メルセデスAMG プロジェクト ワン」として初公開されたプラグインハイブリッドハイパーカーです。
ブランド55周年にあたる2022年に市販モデルが正式発表され、世界限定275台が生産されました。
「メルセデスAMGペトロナスF1チーム」のマシンから直接技術を受け継いだ唯一無二のパワートレインを備えつつ、公道走行に必要な条件を満たしている点も大きな特徴です。
ボディサイズは全長4756mm×全幅2010mm×全高1261mm、ホイールベースは2720mm。
空力性能を徹底追求し、フロントには可動式フラップ、リアには2段可動式ウイングを装備。これらはドライビングモードに応じて自動的に作動します。
さらに、ボンネット上の大型エアアウトレットは、ルーフ上のインテークに効率的に空気を流す設計となっています。
標準タイヤはフロント285/35ZR19、リア335/30ZR20と前後異径を採用。空力と軽量化を両立させた10本スポーク鍛造アルミホイールを装着しています。
インテリアは不要な要素を極力省いたミニマルデザイン。F1マシンを彷彿とさせる独特の形状を持つステアリングホイールにはパドルシフトを備えています。
パワートレインは、フロントに2基のモーターを配置し、各120kWを発生して左右独立で駆動力を伝達。
リアには1.6リッターV型6気筒ターボエンジンに加え、120kWと90kWの2基のモーターを搭載しています。
最高回転数1万1000rpmに達するエンジンは単体で574PSを発揮。これに4基のモーターを加えたシステム総出力は1063PSに達します。
性能は圧倒的で、最高速度は352km/h、0-100km/h加速はわずか2.9秒と、小排気量エンジンからは想像できない驚異的な数値を誇ります。
さらにONEは800Vバッテリーを備えるプラグインハイブリッド車であり、モーターのみで走行可能なEVモードを搭載。EV走行距離は18.1kmです。
トランスミッションはAMGスピードシフト(オートマチック7速マニュアルトランスミッション)を採用。駆動方式は四輪駆動です。
なお、当時の販売価格は275万ユーロ(約4億8000万円)で、世界限定275台が完売しています。
Writer: 山城颯太
理系国立大学を卒業後、自動車メディアを中心にフリーランスのライターとして活動中。TOEIC 925点。クルマから電車、飛行機まで乗り物大好き。主に新型車のグレードに焦点を当てたモデル紹介、海外車の執筆などを担当。









































