スーパーカー並みの俊足!? 全長4.2mの“ちょうどいい”「コンパクトSUV」登場! 速さと乗り心地を両立したボルボ新型「EX30」の実力とは?
ボルボの日本法人、ボルボ カー ジャパンは2025年8月21日、電動コンパクトSUV「EX30」の2026年モデルを発表しました。新たに追加された上級グレード「EX30 ウルトラ・ツインモーター・パフォーマンス」はどのようなモデルなのでしょうか。西川昇吾氏がレポートします。
加速性能は歴代ボルボ最速!
バッテリーのみで走行するBEV(電気自動車)モデルのボルボ「EX30」は、ボルボで最もコンパクトなモデルとしてラインナップされています。
2023年から日本市場に投入されていますが、今回登場した2026年モデルはグレード数が1から5へと増え、様々な進化を遂げました。
新たに追加された上級グレード「EX30 ウルトラ・ツインモーター・パフォーマンス」は、日本の公道で乗ってみるとどんな印象を受けるのでしょうか。

ボルボ「EX30」は2023年に日本市場へ導入された、全長4235mmというボルボ史上もっともコンパクトなSUVです。都市部で扱いやすいサイズに加え、北欧らしいシンプルで上質なデザイン、最先端の安全装備を兼ね備えています。
今回試乗した「EX30 ウルトラ・ツインモーター・パフォーマンス」は、従来はリア駆動のみだったところにフロントモーターを追加。
フロントには最高出力115kW(156馬力)・最大トルク200Nmのモーターを搭載し、リアは200kW(272馬力)・343Nmのモーターを組み合わせます。システム総合出力で428馬力・543Nmという強力なスペックを誇ります。0-100km/h加速はわずか3.6秒という驚異的な性能を実現しており、歴代ボルボ最速です。
さらに今回の改良では、回生ブレーキの強弱をステアリングボタンで調整できるようになりました。完全OFF/弱/ワンペダル走行の3段階が用意され、すでに納車済みの車両もソフトウェアアップデートで対応可能です。
実際に走り出すと、まず感じたのは乗り心地の良さでした。BEVは重いバッテリーの影響でサスペンションが固められ、突き上げ感を伴う車種も多いのですが、EX30は角の取れたマイルドなフィーリングでコンフォート性能が高いと感じました。
ワインディングロードの上りでは、その俊足ぶりを余すことなく体感できました。サスペンションがしなやかに路面を捉え、不安感のない走りを実現しています。
フロントモーターが作動するのは大きくスロットルを踏み込んだ時や「パフォーマンス」モード選択時のみで、その制御の絶妙さが安心感につながっています。
また、スロットルは過敏ではなく、踏んだ分だけ素直に加速する設定で扱いやすい印象です。ソフトな乗り味で路面追従性に優れるサスペンションと相まって、「クルマ屋がつくったBEV」という確かな完成度を実感しました。
SUVのBEVは大きくて重く、背が高いというイメージがありますが、EX30はBセグメントSUVのコンパクトなボディに加え、全高は1550mmと低め。日本の機械式駐車場にも対応します。さらに床下に重いバッテリーを搭載するレイアウトが功を奏し、軽快なコーナリング性能を実現していました。

ワインディングロードの下りでは、新たに追加された回生ブレーキの調整機能が便利でした。弱に設定するとエンジンブレーキのような感覚で減速でき、アクセル操作を最小限に抑えられます。長い下り坂ではバッテリー残量がわずかに増えていく様子も確認でき、エコ走行を楽しめる改良ポイントといえるでしょう。
今回試乗したトップグレードの「EX30 ウルトラ・ツインモーター・パフォーマンス」のほかにも、多彩なグレードが用意されています。オフロードテイストを強めた「EX30 クロスカントリー・ウルトラ・ツインモーター・パフォーマンス」や、リア駆動の「EX30 ウルトラ・シングルモーター・エクステンデッドレンジ」などがその一例です。
また、パノラマルーフなどを省き、より手の届きやすい価格を実現した「EX30 プラス・シングルモーター・エクステンデッドレンジ」もラインナップ。さらに、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーを採用したエントリーグレード「EX30 プラス・シングルモーター」も登場し、選択肢の幅が大きく広がりました。
ハイパフォーマンスからリーズナブル、そしてボルボらしいクロスカントリーまで、EX30はより多様なユーザーにフィットする魅力的な存在へと進化したのです。
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なお、ボルボEX30の車両価格(消費税込)は以下のとおりです。
・EX30 プラス・シングルモーター:479万円
・EX30 プラス・シングルモーター・エクステンデッドレンジ:539万円
・EX30 ウルトラ・シングルモーター・エクステンデッドレンジ:579万円
・EX30 ウルトラ・ツインモーター・パフォーマンス:629万円
・EX30 クロスカントリー・ウルトラ・ツインモーター・パフォーマンス:649万円
Writer: 西川昇吾
1997年生まれ、日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。大学時代から自動車ライターとしての活動をスタートさせる。現在は新車情報のほか、自動車に関するアイテムや文化、新技術や新サービスの記事執筆も手掛ける。また自身でのモータースポーツ活動もしており、その経験を基にした車両評価も行う。























































