“実験都市”「Toyota Woven City」ついに始動! トヨタグループやダイキン、ダイドーなども参画、様々な「カケザン」で共創を! 居住も同日から開始へ

Woven Cityに住むのはどんな人たち?

 一方、Weaversとなる住民も、2025年9月よりトヨタ関係者とその家族数世帯から居住を開始しました。

 今回ローンチした“Phase1”エリアでは、最終的に300名程度が暮らす予定です。なお、一般の方のビジターとしての受け入れは、2026年度以降に予定されています。

 今回実証が開始されたPhase1エリアは、敷地全体の東側、約4万7000平方メートルの広さを持ちます。

 ここには居住区や広場、ウェルカムセンターなどの建物に加え、Woven Cityの思想を体現する特徴的なインフラが整備されています。

 地上の道は「歩行者専用の道」「歩行者とパーソナルモビリティが共存する道」「モビリティ専用の道」という3種類に明確に分けられています。

 さらに、これらに加えて“第4の道”として、すべての建物とつながる巨大な地下道が存在。この地下道は、天候に左右されずに自動配送ロボットなどの実験を行えるよう、完全にフラットで凹凸がなく、すべてが自動ドアという設計になっています。

 これにより、あらゆる自動機械がスムーズに各施設へアクセスできるのです。

Woven Cityでは、ヒト・クルマ・社会インフラの三位一体で交通安全を目指す
Woven Cityでは、ヒト・クルマ・社会インフラの三位一体で交通安全を目指す

 街に設置された信号機も特別仕様です。一見すると無骨なデザインですが、これは後からセンサーやカメラなどを容易に追加・組み合わせられるように意図されたものです。

 建物の外壁も入れ替えしやすい構造になっており、街全体が常に変化し、進化し続けることを前提に設計されています。

 この信号機は、人やクルマの量に合わせて点灯時間や明るさを自由に変更でき、モビリティと連動した制御システムの導入によって、ヒト・クルマ・社会インフラの三位一体で交通安全を目指します。

 また、InventorsとWeaversが交わる共創の拠点として「kakezan invention Hub」と名付けられたホールのような建物も用意されています。

 コワーキングスペースなどを備え、ここで交わされるフィードバックが即座にサービス改善へと反映されていくことが期待されます。

 Woven Cityは、まだ“未完成”の都市です。現在もPhase1エリアの内装工事やインフラ整備が進められているほか、東富士工場の建屋の一部をリノベーションし、モノづくりの起点として活用する「Inventor Garage」の開発も進行中です。

 さらに、Phase2エリアの造成工事もすでに始まっており、Phase1で得られた学びを反映しながら、モビリティのテストコースとしての要件をさらに明確にしていく計画です。

多くのパートナーとの「カケザン」によって、この未完成の街がどのような未来を紡ぎ出していくのか?
多くのパートナーとの「カケザン」によって、この未完成の街がどのような未来を紡ぎ出していくのか?

 Woven Cityは、それ自体で収益を上げることを主目的としたプロジェクトではありません。

 WbyTの豊田氏は「この場はあくまでそれぞれのカケザンで実証実験を行っていくところで、ここで生まれた様々な技術やプロダクトが今後の利益となっていく」と語るように、未来への投資です。

 2018年の変革宣言から始まったトヨタの挑戦は、このWoven Cityのローンチによって、構想から実証のフェーズへと移行しました。

 多くのパートナーとの「カケザン」によって、この未完成の街がどのような未来を紡ぎ出していくのでしょうか。

 ここで生まれる発明が、Woven Cityにとどまらず、日本、そして世界の人々の幸せにどう貢献していくのか、その展開に大きな注目が集まります。

【画像】これがトヨタの「実験都市」です(30枚)

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Writer: くるまのニュース編集部

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