恐怖!? トヨタ「アルファード」「ランクルプラド」で盗難“急増”中! 犯行は「ドア穴あけ接続」の“CANインベーダー”がメイン? 多発する自動車盗に警戒を呼びかけ 警察庁
警察庁は公式SNSで、「CANインベーダー」などによる自動車盗難が相次いでいると明らかにしました。一体どういうことなのでしょうか。
今の主流は「CANインベーダー」
警察庁は2025年9月19日、公式SNSを更新。「CANインベーダー」などによる自動車盗難が多発していると明らかにしました。
一体どういうことなのでしょうか。

盗難防止装置やセキュリティアラームが標準装備されるようになったことや、防犯カメラが街頭に設置されたことなどから、自動車盗(クルマの盗難)件数は2000年代中頃をピークに現在は10%程度に減少しています。
しかし、警察庁の最新データによると2024年に発生した自動車盗は6080件とのこと。単純計算で1日約17台が盗まれていることになります。
またかつての自動車盗の目的であった、犯罪をするためにクルマを盗むという傾向が変化してきており、今は盗んだクルマを売りさばいて金儲けすることを目的として盗難を働いています。
盗まれたクルマは主に海外で中古車として販売することがメインで、ターゲットにされるクルマも、中東で人気のトヨタ「ランドクルーザー」や「アルファード」、レクサス「LX」「RX」、東南アジア地域で人気のトヨタ「ハイエース」や「プリウス」など、海外市場で人気を獲得しているものが主になっています。
こうしたこともあってか自動車盗が多発する地域も集中しており、海に近く、盗難車をコンテナ輸出しやすい愛知県や千葉県、茨城県がワーストとなっています。
盗んだあとはすぐに偽造ナンバープレートに付け替えて拠点となるヤードに持っていくため、追跡は困難です。ヤードでは車体丸ごとコンテナ詰めにしたり、切断して部品として輸出し、現地で組み立てるほか、犯罪に使われて捨てられる場合もあります。
さて、今回警察庁の公式SNSが投稿したのは、「CANインベーダー」による盗難が多発しているという注意喚起でした。
CANインベーダーとは、車両のネットワークをハッキングしてロック解除とエンジン始動を行う違法機器のことです。
近年のクルマでは、先進装備の採用や多機能化などにより、各機構をコントロールするコンピュータが装備されており、バンパー裏やヘッドライト付近、ドアパネルの内側などにその接続コネクタが取り付けてあります。
CANインベーダーはバンパーをこじって開けたり、ドアの一部を切断して穴を開け、これらのコネクタに接続。
セキュリティアラームを作動させることなく、またキーも不要な状態で解錠と始動が可能になり、非常に迅速かつ大きな音も立てずに盗めるので、非常に悪質な機器として問題視されています。
警察庁では、特に被害が多発している車名を公表。トヨタ「ランドクルーザープラド」(型式:TRJ150W・GDJ150W)とトヨタ「アルファード」先代モデル(型式:AYH30W・GGH30W・AGH30W)がターゲットにされているといいます。
注意喚起を示した投稿画像では、3つの防犯対策例を挙げています。
「メーカーによるセキュリティのアップグレード」では、アプリケーションの導入や後付けの社外品などを取り付けて防ぐというもの。純正装着のセキュリティは、これまで何台も盗んできた百戦錬磨の窃盗団にとっては何の抑止力にもなりません。
解除方法が複雑な社外品を用いることで、万が一盗まれそうになっても、乗って持っていかれることを防止できます。
また、「自動車に対する防犯対策」では、ハンドルロックやホイールロックなど堅牢な装置で物理的に動かなくする固定器具、盗まれても居場所を特定できる隠しGPSの装着という非常に単純な方法です。盗まれやすい車種であれば、それを隠すボディカバーも有効です。
「駐車場に関する防犯対策」は、保管場所で対策するということ。センサーライトや防犯カメラなど、基本的な設備のほか、車止めポールで物理的に出せないようにすることも効果的です。そもそもの駐車場選びも、防犯設備がしっかりしているところにするというのも重要です。
警察庁では、これらの対策のうち、いずれかひとつではなく、「複数の防犯対策」が必要だとし、「大切なクルマを守りましょう」と呼びかけています。
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窃盗団は常にターゲットを探しており、クルマがいつどのタイミングで使われるのかなどを念入りに調べています。
買い取りのチラシや小石、空き缶などを置いておき、クルマの持ち主がいつ撤去するのかという手法もあり、駐車時に怪しい人物やクルマが近づいていないかもチェックするとよいでしょう。
非常に悪質なものになると、買い物や食事中など、出先の駐車場で狙われたケースもあるほか、目をつけられて隠しGPSを仕込まれ、保管場所や行動パターンを特定する悪質な窃盗団もいます。
盗難が多発している車種では、保管中のみならず、そういった機器がないかのチェックや、短時間での駐車でも気を抜かず、しっかり対策することが必要です。
















































