クルマ・バイクだけでなく、自転車ユーザーも要注意! 秋の全国交通安全運動がスタート どんな違反に注意? 警察庁が定める「3つの重点」とは
9月21日から9月30日までの10日間、「秋の全国交通安全運動」が実施されます。この間は交通違反の取り締まりが厳しくなると予想されますが、一体どのようなことに気をつけて運転すれば良いのでしょうか。
交通安全運動をきっかけに改めて注意したいこと
毎年春と秋の年2回、全国交通安全運動がおこなわれます。全国交通安全運動には、広く国民に交通安全思想の普及・浸透を図り、交通ルールや正しい交通マナーを身につけさせることで交通事故を防止するねらいがあります。
今秋の全国交通安全運動期間は9月21日から9月30日までの10日間で、全国各地で交通安全の啓発イベントや街頭活動などが実施されます。

またこの間は、交通違反に対する取り締まりの強化も予想されます。ドライバーにはより一層の安全運転が求められますが、一体どのような点に気をつけて運転すれば良いのでしょうか。
なお、警察庁は今回の全国交通安全運動の重点として、以下の3つの点を挙げています。
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1.歩行者の安全な道路横断方法等の実践と反射材用品や明るい目立つ色の衣服等の着用促進
2.ながらスマホや飲酒運転等の根絶と夕暮れ時の早めのライト点灯やハイビームの活用促進
3.自転車・特定小型原動機付自転車の交通ルールの理解・遵守の徹底とヘルメットの着用促進
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まず上記1に関して、交通事故の死者数は秋から年末にかけて増加する傾向があり、特に10月以降は「歩行中」の死亡事故の割合が高まります。
歩行者を事故から守るため、基本的に歩行者は横断歩道や地下道などの道路施設を利用すること、車両の間をすり抜けて道路を横断しないこと、夜間は夜光反射材や明るい服を着用するといった交通ルール・マナーを警察が周知していくものとみられます。
次に上記2について、携帯電話を使用しながらの運転や飲酒運転への取り締まりが強化されると考えられます。
実はドライバーが携帯電話を使用したことによる死亡・重傷事故は近年増加傾向にあり、2024年中は死亡事故が32件、重傷事故が106件発生しています。
加えて2020年~2024年までの事故統計によると、携帯電話使用中の事故は他の事故と比べて死亡事故率が約3.3倍と高まる傾向も明らかになっています。
携帯電話等の使用については道路交通法第71条第5号の5に規定されており、運転中に携帯電話で通話をしたり、画面を注視したりする行為などが交通違反に当たります。
最近はスキマ時間についスマートフォンを見てしまうという人も少なくありませんが、携帯電話使用等(保持)の違反で検挙されると違反点数3点が加算されるほか、普通車で反則金1万8000円が科されます。
仮に時速60kmで走行していた場合、1秒間に進む距離は約17mであり、携帯電話の画面に数秒気を取られただけで数十m進んでしまい、事故につながる危険性もあります。
運転中は極力スマートフォンを触らない、スマートフォンを使用する際には安全な場所に駐車するといった心がけが大切です。
また上記2にあるように、全国交通安全運動期間中は飲酒運転に対しても多くの取り締まりがおこなわれるものとみられます。
お酒を飲んだ後に運転しないことは当然ですが、飲酒してからある程度の時間が経ってもアルコールが体に残る「二日酔い運転」をしてしまうケースがあることから、その点は注意が必要です。
さらに上記3のように、クルマやバイクに限らず自転車、特定小型原動機付自転車(いわゆる電動キックボード)に対しても、警察官による指導が活発化することが想定されます。
特に自転車の交通違反に関しては2024年中、刑事罰の対象となる「赤切符」での検挙が5万1564件、検挙には至らない「指導警告」が133万1370件であり、交通ルールを守らない人は少なくありません。
警察官の警告に従わずに違反を続けた場合や、事故に直結する危険な運転をした場合などは赤切符で検挙されるおそれもあるため、「自転車だから大丈夫」と安易に判断しないことが重要といえるでしょう。
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全国交通安全運動は交通事故の防止を目的としています。そのため上記で挙げた違反のほかに一時不停止や最高速度違反、横断歩行者等妨害等違反など、事故につながりやすい違反に対しては厳しい取り締まりがおこなわれると考えられます。
全国交通安全運動を、自分の運転を改めて見直すキッカケにすると良いかもしれません。
Writer: 元警察官はる
2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。

























