車のタイヤの空気圧「適正レベルに保ちましょう」って一体なぜ? 「多すぎ・少なすぎ」どっちもNG!? 間違えない方法とは!
クルマのトラブルで「バッテリー上がり」の次に多いのが「タイヤの空気圧不足」です。よく「適正レベルに保ちましょう」と聞きますが、なぜ保つ必要があるのでしょうか。
「多すぎ・少なすぎ」どっちもNG!?
そしてクルマのトラブルといえば、「バッテリー上がり」が一番多く、次に多発するのが「タイヤ」のトラブルです。
ロードサービスをおこなうJAF(日本自動車連盟)の出動要請でもこの2つが多くをしめているのですが、パンクやバーストはタイヤの空気圧不足が大きな要因になっています。

教習所などでも「タイヤの空気圧は適正レベルを保ちましょう」と教わったと思いますが、なぜ保つ必要があるのでしょうか。
なぜタイヤの空気圧が重要なのかということですが、「現代の進化したタイヤの性能を十分に引き出し、安全な走行を実現するため」といえます。
クルマと聞くとデザインやエンジンの動力性能の話になりがちですが、路面と車体を繋ぐ唯一の接点であるタイヤは、我々が考える以上に重要な役割を果たしているのです。
神奈川県の現役整備士H氏も、足回りの基本はタイヤに大きく依存していると言います。
「単純に考えても『車重を支える』ことはもちろん『路面に駆動力や制動力を伝える』役割も想像がつきますが、『路面からの衝撃を吸収』する役割も、実は『曲がる』ことにも大きく関与しています。
最近ではこれに加えて、搭載される各種安全装備に情報をフィードバックする『伝達』という役割も担っています」
そして、さまざまな役割を持つタイヤの性能を十分に発揮させるために必要なのが、空気圧を適正レベルに保つことです。
というのも、タイヤはさまざまな用途に対応すべく、十分な内圧(空気圧)を確保することを前提にタイヤは設計されているから。
では空気圧不足、または空気圧過多の場合はどうなるのでしょうか。
「空気圧が不足すると、接地面がつぶれ、トレッド面の両端に余計な負荷がかかります。結果として、偏摩耗するだけでなく、たわみが増えることで操縦安定性も低下してしまいます。
排水性も低下するので、雨天でのハイドロプレーニング現象も起きやすくなります」(H整備士)
「逆に空気圧を適正値より高くしすぎると、タイヤの中央部が盛り上がって接地面が減少します。今度はタイヤの中央部の摩耗が進み、衝撃吸収性も低下するので乗り心地も悪化します。
空気圧が低くても高くても、タイヤの一部に大幅な負荷がかかることで、タイヤの偏摩耗を招き、乗り心地や燃費も悪化してしまいます。
月に1回程度、タイヤの空気圧をチェックする習慣を身につけると、タイヤトラブルはかなり回避できるでしょう」(H整備士)
タイヤの空気圧の適正レベルはクルマによって異なり、多くの場合、運転席ドアを開けた内側にステッカーやプレートなどで表記されているほか、取扱説明書にも記載されています。
この表示を確認し、自分のクルマに適した空気圧に合わせることが大切です。
注意したいのは、前後でサイズが違うタイヤは、空気圧の適正レベルも前後で異なるので、それぞれ適正な数値に合わせる必要があります。
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タイヤの空気圧は1か月で約5%も抜けてしまうとされています(日本自動車タイヤ協会調べ)。
定期的なチェックに加え、長距離を移動する前などに、タイヤの空気圧が適正レベルかを確認するようにするといいでしょう。
Writer: くるまのニュースライター 金田ケイスケ
2000年代から新車専門誌・輸入車専門誌編集部を経て独立。専門誌のみならずファッション誌や一般誌、WEB媒体にも寄稿。
中古車専門誌時代の人脈から、車両ごとの人気動向やメンテナンス情報まで幅広く網羅。また現在ではクルマに限らずバイクやエンタメまで幅広いジャンルで活躍中。


























