BMWグループは、2025年9月1日にIAA Mobility 2025モーターショーにおいて、ヘルメットやプロテクターの装着なしで楽しめる新たな電動二輪車「BMW Motorrad Vision CE」を展示しました。

　このコンセプトモデルは、都市型モビリティの新たな可能性を提案しています。

　BMWグループのサステナビリティ戦略に基づき、バイク部門であるBMW Motorradは都市における電動モビリティの概念を再構築する取り組みを進めています。

　2014年には高級メーカーとして初めて、優れたデザインと電動ユニットを組み合わせた「Cエボリューション」を世に送り出しました。その後2022年には、排出ガスゼロの都市型モビリティ「BMW CE 04」を市場へ投入し、現在もこの分野でのリーダー的地位を確立。さらに2024年には「CE 02」を発売し、独自でカジュアルな新しいスタイルのモビリティを提案してきました。

　BMW Motorradは25年前、ヘルメット不要のスクーター「C1」で都市型モビリティに革命をもたらしました。どことなくホンダの「ジャイロキャノピー」を連想させるスタイルのVision CEは、この基本的なデザイン哲学を受け継ぎながら、感性豊かなデザイン言語で新たな解釈を加え、唯一無二の未来志向ビジョン車両として登場しました。

　Vision CEの最も注目すべき特徴は、排出ガスゼロの電動駆動に加え、ヘルメットやプロテクターを必要としない安全設計です。金属チューブ複合材で構成される「ケージ」構造と、シートベルト付きの専用シートが一体となり、これまでにない安全なライディング体験を可能にします。この設計により、ライダーはより自由な感覚を味わい、リラックスした気軽なライディングを楽しむことができます。

　デザイン面では、低重心設計と開放感あふれるフォルム、長いホイールベースが特徴となっており、伸びやかでダイナミック、かつ視覚的に軽やかな外観を実現しています。コーティングされたアルミニウムパーツを開放的に使用することで高級感ある仕上がりとなり、マットホワイトとブラックを基調としたカラーリングが明快でミニマルな印象を与えています。

　また、エレガントなマット仕上げのシートベンチ、グラフィックやその他の細部に施されたネオンレッドのアクセントがシンプルな外観をより引き立てています。さらに、停車時に車両が完全に自立するバランス機能も搭載されています。

　Vision CEは都市中心部における電動モビリティの未来像を示すとともに、インテリジェントでコネクテッドな電動バイク分野におけるBMW Motorradの先進性を強調する存在として位置づけられています。

　なお、同モデルはコンセプト段階であるため、性能諸元や価格、発売時期などの詳細は現時点では明らかにされていません。今後の開発状況や実用化への進展について、引き続き注目が集まりそうです。