約270台のクルマが浸水被害に! ようやく「排水作業完了」 三重の地下駐車場、現状は? 国交省担当者に聞いた

2025年9月12日の夜、三重県四日市市において記録的な大雨が降った影響により、四日市市内の地下駐車場に大量の雨水が流れ込み、約270台のクルマが浸水被害に遭いました。翌13日から駐車場の排水作業が続いていましたが、17日午前10時に冠水が解消。国土交通省三重河川国道事務所に現地の状況を取材しました。

浸水被害を受けた車両は約270台…SNS上では「補償はどうなる」の声も

 2025年9月12日の夜、三重県四日市市において1時間降水量が123.5ミリと観測史上最大の雨が降り、道路の冠水や車両の水没などさまざまな被害が出ています。

 四日市市中心部にある地下駐車場「くすの木パーキング」は、大量の雨水が流れ込んだことで水没。翌13日から駐車場の排水作業が続いていましたが、17日午前10時に冠水が解消されたということです。

 現地はどのような状況だったのでしょうか。国土交通省三重河川国道事務所の担当者に聞きました。

大雨によって水没した地下駐車場「くすの木パーキング」の排水作業が完了(画像提供:国土交通省 三重河川国道事務所)
大雨によって水没した地下駐車場「くすの木パーキング」の排水作業が完了(画像提供:国土交通省 三重河川国道事務所)

 今回の大雨によって、「くすの木パーキング」には大量の雨水が流れ込み、地下2階は3.5mの天井の高さまで完全に水没したほか、地下1階も最も深いところで1.2mの高さまで水に浸かりました。

 この駐車場は普段、地下1階と地下2階あわせて約500台の車両を収容できますが、今回の浸水により地下1階に駐車されていた160台と地下2階の114台の合計274台が被害に遭いました。今のところ、人的被害は確認されていません。

 地下駐車場を運営する会社によると、駐車場は24時間営業で、20時以降は地下1階の事務所に2人のスタッフが常駐しており、9月12日の夜は大雨を受けてスタッフが出入口に土のうを積むなどして対応していました。

 本来、大雨の際は地下駐車場の利用者出入口に止水板を設置したりクルマの出入口に防潮板を出したりする措置をとることになっていましたが、雨水の量が非常に多く、いずれも間に合わなかったということです。

 なお、この地下駐車場の浸水を受けて国土交通省三重河川国道事務所は9月13日の昼前からポンプ車を稼働し、汲み上げた水を下水道に流すなどの排水作業を開始。翌14日には地下1階の冠水が解消、職員が地下1階の現地調査を実施しました。

 さらに9月16日午前9時頃には地下2階の冠水がおおむね解消されたため、職員により地下2階の被害状況の調査がおこなわれました。そして9月17日の午前10時に、地下2階すべての冠水が解消されています。

 国土交通省三重河川国道事務所の担当者は排水作業で苦労した点に関して、次のように話しています。

「地下2階の浸水ということで水を吸い出す距離が伸びるため、専用のポンプ車を手配しなければなりませんでした。

加えて、階段のような直線でない部分ではホースを曲げて水を吸い出すこととなり、直線で吸い出す場合と比べて吸引力の調整やホースの配置が難しいことがありました」

 また前出の担当者は今後の対応について、「地下駐車場の管理運営会社が浸水したクルマの所有者を確認の上、移動作業をしていくことになります」などと説明しています。

 そのほか今回の地下駐車場の浸水被害に関しては、SNS上で「水没したクルマの補償はどうなるのか」「誰が弁償するの?」といった疑問の声が多く寄せられています。

 このような駐車場の賃貸借契約では、「自然災害その他の不可抗力による損害については責任を負わない」と取り決めをしているケースが多く、また災害を事前に予測して対策を講じることも困難であるため、駐車場の管理会社などが責任を負う可能性は低いとみられています。

 一般的に車両保険に入っていれば「台風・竜巻・洪水・高潮」による被害をカバーできるため、今回のような被害を受けた場合は車両保険の利用を検討することも重要です。

 ただし、通常の車両保険では「地震・噴火・津波」による被害は補償されないため、状況に応じ特約に加入してカバーする必要があるといえるでしょう。

※ ※ ※

 このたびの記録的大雨により、地下駐車場の水没という大規模な被害が発生しました。

 年々自然災害が厳しさを増す中で、各個人が災害発生に向けて取り得る措置を日頃から考えておくことが大切です。

【画像】これが冠水被害の「くすのきパーキング」の様子を画像で見る(27枚)

参加無料!Amazonギフト券贈呈 自動車DXサミット BYD登壇 最新事例を紹介(外部リンク)

画像ギャラリー

Writer: 元警察官はる

2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。

実績500万人超!お得に車売却(外部リンク)

新車不足で人気沸騰!欲しい車を中古車で探す

【NEW】自動車カタログでスペック情報を見る

【2025年最新】自動車保険満足度ランキング

最新記事

メーカーからクルマをさがす

国産自動車メーカー

輸入自動車メーカー