ダイハツの「“軽”スポーツ“コンパクト”」! 720kgの「軽量ボディ」×ターボエンジン採用! MTも搭載でめちゃ楽しそうな「ミライースGRスポーツ」とは
ダイハツが2025年1月に開催された東京オートサロン2025で公開した「ミライースGRスポーツ」。ターボと5速MTを搭載するこの軽ホットハッチは、はたして市販され、往年の名車を超える存在となるのでしょうか。
“ユーザー発”の軽スポーツ
ダイハツが2025年1月に開催された東京オートサロン2025で公開した「ミライースGRスポーツ」は、ダイハツの実用的な軽自動車「ミライース」をベースに、トヨタグループのスポーツブランド「GR」の手法で仕立てた公式コンセプトカーです。
開発の出発点は、モータースポーツに参加するユーザーから寄せられた「4人乗り×マニュアル×ターボの“走れる軽”が欲しい」という切実な声でした。これに現場の技術者が応え、企画主導ではなく“現場発”で形にしていったことが、同車最大の特徴といえます。

基本寸法は全長3395mm×全幅1475mm×全高1500mmと軽規格ど真ん中。軽量・コンパクトというミライースの“素”を活かしつつ、走りに特化した専用チューニングが重ねられています。
外装は、実用ハッチの表情を一変させる本格スポーツ顔。専用フロントバンパーには大開口インテークとエアロフィンを備え、リヤはディフューザー形状で整流を狙います。
足まわりにはBBS製の軽量鍛造ホイールを装着。赤×黒のツートンを核に、重心を低く見せる加飾で“見て速い”存在感を演出しています。空力・冷却・軽量化という機能要件から逆算した、GRらしいエクステリアです。
内装も“走るため”に最適化されています。レカロ製バケットシートとMOMOステアリング、ショートストロークの5速MTシフターを軸に、MT専用センターコンソールや視認性を高めるレッドアクセントを配し、操作系の剛性感を向上。
ペダルレイアウトやシートポジションもスポーツドライビングを前提に最適化されています。ドリンクホルダーなど日常の使い勝手も確保し、“通勤からミニサーキットまで”を1台でこなす世界観を提示しています。
パワートレインは660cc直3ターボ+5速MT。最高出力は64PS、最大トルクは約92〜100Nmを想定し、車両重量は約720kgクラスに抑えられています。軽量ボディにターボ×MTの組み合わせは、加速の立ち上がりとギア選択の楽しさを同時に引き上げます。
シャシー側もGR専用のスプリング/ダンパーやブッシュ、制動系の強化で応答性を磨き、ラリーで得た知見をフィードバック。ステア初期の入り、荷重移動のつながり、ブレーキの踏力と減速度のリニアさなど、“走りの素性”にまで踏み込んでいます。
スペックの要点を挙げると、軽規格サイズ(3395×1475×1500mm)、専用エアロ&鍛造ホイール、レカロ/MOMO/5MTの三点セット、64PS/約92〜100Nmのターボユニット、約720kg級の軽量ボディ、GR流の足まわり・制動最適化、という構成です。
見た目の派手さよりも機能で語る“道具として速い”方向に振っているのが特徴です。
SNSでの反響は非常に熱量が高く、「アルトワークスの再来」「このパッケージを待っていた」「“実用4人×MT×ターボ”は刺さる」といった歓迎の声が並びました。
軽スポーツの選択肢が減少する中で、普段使いの実用性をキープしつつ“手で操る楽しさ”を提供する1台として受け止められていることがわかります。
気になる市販化については、当初“2025年秋ごろ”が有力視されていたものの、公式な発表はなく現用不明です。
ただし、ユーザー起点の企画であること、そして多くのコンポーネントが量産技術の延長で成立することから、商品化のハードルは決して高すぎるものではありません。
まとめると、ミライースGRスポーツは「軽くて、安くて、誰でも扱いやすい」というミライースのDNAに、「操る歓び」と「競技由来の機能」を重ねて再定義した提案です。
ユーザーの声を起点に、現場の技術者が志で駆動した開発の物語は、スペックの数値以上にこのクルマの価値を物語ります。もし市販が実現すれば、日常の移動を“スポーツ体験”へ変える、2020年代後半の軽スポーツを象徴する1台になるはずです。
Writer: 佐藤 亨
自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。


































