携帯使うと反則金1万2000円! 警察庁が違反ルールを公開! 自転車でやっちゃダメな行為は? 元警察官が解説

自転車の交通違反に対しても、自動車と同じく「青切符」が2026年4月1日から導入されます。青切符の対象となるのはどのような行為なのでしょうか? 警察庁が公表した「自転車ルールブック」を元に解説します。

警察庁が「自転車ルールブック」を公表! 自転車の取り締まり方針はいかに?

 2026年4月1日から、自転車の交通違反に対しても自動車と同様に「青切符」が導入されます。

 これに先駆けて警察庁は2025年9月4日に「自転車ルールブック」を公表しましたが、どのような違反が青切符による取り締まりの対象となるのでしょうか。

自転車もスマホを見ながらの運転は「青切符」の対象に!(画像はイメージ/PIXTA)
自転車もスマホを見ながらの運転は「青切符」の対象に!(画像はイメージ/PIXTA)

 現在、クルマやバイクで比較的軽微な交通違反をした場合、違反者には交通反則告知書(いわゆる青切符)が交付されます。この青切符の制度は交通反則通告制度と呼ばれ、一定期間内に反則金を納めれば、刑事罰の対象とならずに交通違反が処理されるという仕組みです。

 自動車では馴染み深いこの制度ですが、実は2026年4月1日から自転車の交通違反に対しても、青切符制度の導入が決定しています。

 警察庁の統計によると、交通事故自体は年々減少傾向にある一方で、自転車が関連する事故の割合は全体の23%程度を推移し、2016年以降増加傾向にあります。

 加えて2024年中は、自転車関連事故6万7531件のうち4万7746件(全体の約70%)で自転車側に何らかの交通違反があったことも判明しています。

 このような自転車を取り巻く厳しい背景から、自転車の交通違反にもクルマやバイクと同様に青切符を導入する運びとなりました。

 また警察庁は9月4日、自転車の基本的な交通ルールや、交通違反の指導・取り締まり方針などを掲載した「自転車ルールブック」を公表しています。

 ルールブックによると、まず自転車の青切符制度は「16歳以上」の運転者が対象となります。これは16歳以上であれば義務教育を修了し、基本的な自転車の交通ルールに関する最低限の知識を持っているとみなされるためです。

 なお16歳未満の運転者による交通違反については、基本的に検挙に至らない「指導警告」がおこなわれます。

 さらに青切符の対象となるのは、信号無視や一時不停止など自動車でも交通違反に指定されている運転行為だけでなく、自転車の2人乗り、自転車で並走など自転車固有の交通違反も該当します。

 反則金に関していくつか例を挙げると、信号無視は6000円、一時不停止は5000円、自転車の2人乗りは3000円などであり、最も高額なものでは携帯電話使用等(保持)の違反で反則金1万2000円が科されます。

 ただし、これらの交通違反をしたからといってただちに青切符で検挙されるワケではなく、特に悪質性・危険性・迷惑性が高い運転行為に限って取り締まりがおこなわれます。

 具体的には、以下のような行為が挙げられます。

―――
1.反則行為の中でも、重大な事故につながるおそれが高い違反
  遮断踏切立入り、自転車制動装置(ブレーキ)整備不良、携帯電話の使用等(手に保持して通話したときや、手に保持して画面を注視したとき)

2.交通違反をした結果、実際に交通への危険を生じさせた・事故の危険が高まったとき
交通違反により歩行者を立ち止まらせたり、他の車両に急ブレーキをかけさせたりした場合
交通違反を同時に2つ以上おこなって事故の危険が高まった場合(傘差し運転をしながら一時不停止、2人乗りをしながら赤信号無視など)

3.交通違反について指導警告されているにもかかわらず、あえて交通違反をおこなったとき
警察官の指導警告に従わず違反行為を続けた場合
指導取り締まりをしている警察官の姿を認めながらも、気にせずに違反行為をした場合
―――

 これらを踏まえると、基本的な交通ルールを守って安全運転をしていれば、取り締まりを過剰におそれる必要はないといえるでしょう。

 そのほか飲酒運転や妨害運転をした場合、交通違反をして実際に事故を起こした場合などは従来どおり、刑事罰の対象となる「赤切符」によって検挙されます。

 たとえば自転車のハンドルから手を離して運転した結果、歩行者と衝突する事故を起こした場合は、事故後に取り調べや裁判といった刑事手続きがおこなわれるため注意すべきといえるでしょう。

※※※

 自転車は原則として歩道ではなく、車道の左側を通行しなければなりません。道路標識や道路標示などによって自転車が通行できる歩道もありますが、その場合でも歩行者に配慮して「歩道の中央から車道寄りの部分を徐行する」ことが交通ルールで定められています。

 また自転車が歩行者の通行を妨げるときは、自転車側が一時停止する義務もあります。このようなルールを知らない運転手も散見されることから、自転車ユーザーは改めて交通ルールを確認しておくことが重要です。

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Writer: 元警察官はる

2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。

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