トヨタの「“ニセモノ”パーツ」を没収! “本物そっくり”な模倣品に「輸入できません!」措置 税関が「バッタモン」通関差し止め状況を発表 「知的財産侵害物品」水際取締りを強化へ

横浜税関は令和7年(2025年)上半期における、知的財産侵害物品の通関差し止め状況を発表しました。なかには自動車パーツも含まれていたようです。

危険な「バッタモン」「パチモン」パーツは一切輸入できません

 横浜税関は2025年9月5日、令和7年(2025年)上半期の「知的財産侵害物品」の通関差し止め状況を発表しました。

 偽ブランド品や不正な医薬品などが輸入されて国内に流通するのを、直前で阻止しました。

 これらの差し止められたものなかには、自動車パーツも含まれていたようです。

エアバッグカバーの偽物も流通(画像は本物/イメージです)
エアバッグカバーの偽物も流通(画像は本物/イメージです)

 横浜税関は全国9箇所の税関のうち、宮城県、福島県、茨城県、栃木県、千葉県(一部を除く)、神奈川県を管轄する税関です。

 2025年の1月から6月までの上半期では、商標権や意匠権などの知的財産を侵害する偽ブランド品や模倣品(バッタモンやパチモン)の通関を差し止めた件数が2万3947点だったといいます。

 前年と比べて9000件ほど減少したものの、高い水準で推移していることには変わりなく、7年連続で全国の税関で1位の差し止め件数を記録。

 1日平均で132点という、非常に多数のバッタモンが市場に出回るところを水際で抑止しました。

 荷物が送られた元は中国が全体の95.8%が占めており、次いでマレーシアが2.6%を記録。最も多かった品目(点数別)は電気製品が25.2%。具体的にはバッテリー・充電器などで、前年同期と比べて約6倍と大幅に増加。

 これらの製品は正しい製品と比較して安全性などの試験が実施されていなかったり、安全回路が装備されていません。さらに粗悪な製造過程を経ているため、故障するだけでなく、発火・爆発などの事故を招く可能性があります。

 このほか、衣類や紙製品、バッグ類なども多く見られますが、自動車部品(自動車付属品)も、全差し止め点数のうち6.4%も占めています。

 近年ではネットショッピングが一般的になり、発送元が国外の品物も手軽に購入できることから、海外製の安価な自動車カスタムパーツを輸入して装着するという人もいます。

 しかし、メーカー純正ではない社外の製品なのにも関わらず、そのメーカーのエンブレムを無断使用したり、許諾を得ていないのに純正品と見分けがつかない、同一のデザインをそのまま使うことなどは知的財産を侵害する行為となります。

 また、クルマのパーツは通常、設計段階でさまざまな安全性に関するテストを行っています。走行時に外れたりしないか、万が一事故になったときに人に傷害を与えないか、あるいは車両火災で燃えたときに有毒ガスが発生しないかといった内容です。

 一方、バッタモンパーツでは、コストを極端に抑えて製造していることから、こうした安全設計が全くなされておらず、故障や事故に至った際には非常に危険です。

 さらに自動車部品のみならず、すべての知的財産侵害物品は、犯罪組織の資金源になっているとの見方もあり、こうしたバッタモンを購入すると、知らず知らずのうちに犯罪組織へ資金を提供することになります。

 こうしたことから、2021年に商標法および意匠法を改正。海外の事業者が模倣品を郵送等により日本国内に持ち込む行為は、商標権および意匠権の侵害行為となることが明確化され、さらに2022年3月には関税法も改正。模倣品の輸入は一切できなくなりました。

 税関でも、2022年10月から模倣品の水際取り締まりを強化しており、業者が国内で販売するために輸入したものだけでなく、個人が自分で使うものに関しても没収となります。

 今回の横浜税関の発表に際し、資料には没収された品物の一部の画像を公開。そのなかにはトヨタのエンブレムが付いたステアリングのエアバッグカバーの偽物がありました。

 またこれまでも、税関公式X「カスタム君」の投稿では、門司税関で差し止めを行ったホンダのエンブレムが付いた偽物のグリルや、トヨタ・スズキの偽物のホーンパッドを公開しています。

 もちろんこれらのバッタモンパーツは、明らかに商標権を侵害する違法な品物です。

 税関は公式サイトで、「FAKE ZERO PROJECT」として、取り締まりを強めていく方針です。

※ ※ ※

 税関ではこうしたバッタモンのみならず、不正薬物や拳銃などの社会悪物品、盗難車不正輸出などの水際取り締まりも強化しています。

 一般からの密輸情報の提供も呼びかけており、公式の情報提供サイトや密輸ダイヤル「0120-461-961(シロイ・クロイ)」でも受け付けています。

【画像】「えっ…!」 これが実際に没収された「ニセモノ」です! (55枚)

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