全長5m級! ホンダ新型「最上級“3列シート”ミニバン」発表! 超豪華&ド迫力デザイン採用した「フラッグシップ」ミニバン“新型エリシオン”登場! 一体どんなモデル? 現地中国での反響とは!
2025年8月26日、ホンダの大型ミニバン「エリシオン」が中国でマイナーチェンジを実施しました。一体どのようなクルマで、現地の評判はどうなっているのでしょうか。
ホンダ新型「最上級“3列シート”ミニバン」発表!
2025年8月26日、ホンダの大型ミニバン「エリシオン」が中国でマイナーチェンジを発表し、販売が開始しました。
一体どのようなクルマなのでしょうか。

エリシオンは初代モデルが2004年に登場し、当時のラインナップにおける最上級のミニバンとして発売されました。
新開発の専用プラットフォームを採用し、パワーユニットにはエンジンには2.4リッター直列4気筒エンジンと、3リッターV型6気筒エンジンの2種類を用意。
さらに2006年には、ボディを拡大するとともに3.5リッターV型6気筒エンジンを搭載した「エリシオンプレステージ」も投入されました。
こうしてエリシオンは最上級セダン「レジェンド」と肩を並べるフラッグシップとして君臨し続けましたが、販売は思うように振るわず、日本での販売は2013年に終了しました。
一方、同じく大型ミニバン需要が高い中国市場では、現在でもエリシオンという車名のモデルが販売され続けています。
中国でのエリシオンは2012年6月に発売され、この初代モデルは2015年まで販売が継続されました。
その後、同年11月に開催された「広州モーターショー2015」にて2代目エリシオンを発表。
中国で販売されている2代目エリシオンは、5代目「オデッセイ」の姉妹車となります。
ホンダやトヨタなど、中国に複数の合弁会社を持っている自動車メーカーは、ひとつのモデルに異なるデザインと車名を与え、姉妹車としてそれぞれの合弁会社からリリースすることが一般的です。
エリシオンの場合、製造・販売を担当するのは東風汽車との合弁会社「東風ホンダ」で、オデッセイは広州汽車との合弁会社「広汽ホンダ」が担当する形になります。
そんなエリシオンですが、2025年8月26日にマイナーチェンジを果たした新型モデルが発表され、同日に販売がスタートしました。
ボディサイズは、全長4951mm×全幅1842mm×全高1711mmと大柄ながら、クラストップレベルの最小回転半径5.4mを実現。
フロントマスクを見ると、センターグリルの形状はそのままとしつつ、格子状のグリルから垂直に下されたメッキのラインをより特徴的なデザインへと変更しました。
中国では先述のとおりオデッセイも販売されていますが、エリシオンのフロントマスクはオデッセイと比較してより下部に長いデザインとなっているのが独特です。
また、フロント左右両端のメッキラインもジグザグを描くものに刷新されたことで、以前のモデルと比べてさらなる高級感を演出しています。
一方でリアビューに変更はなく、これまで同様にブラックのテールライトや両端を繋ぐ水平基調のメッキ加飾がリアを彩ります。
パワートレインは以前と変わりなく、2リッター直列4気筒エンジンを搭載するハイブリッドモデル「e:HEV」のみが展開されます。
コックピット周りや内装にも大きな変更はありませんが、一方で携帯端末充電用の50W無線充電パッドは新たな装備となります。
他にも運転支援方面では、衝突被害軽減用のフロントカメラや、駐車時にも有用な全方位レーダーを搭載しています。
販売価格が大幅に安くなったのも新型モデルの特徴で、これまでは27万9800元~33万1800元(約581万円~約689万円)で販売されていましたが、新型モデルでは24万9800元~30万3800元(約518万円~約631万円)と、購入しやすくなりました。
中国メーカーが相次いで新型ミニバンを投入している状況の中、競争力を維持するための施策と言えるでしょう。
このような新型エリシオンですが、中国における反応はやや冷ややかです。
そもそもの車体が10年以上前に登場したもので、値下げしたとは言え価格は依然として高すぎるとの指摘が多く見受けられます。
また、せっかくのマイナーチェンジなのに刷新された箇所が少なく、中には「前のデザインの方が良かった」と評しているネットユーザーも少なくはありません。
そのほか、2リッターHEVのパワートレインは非力だと、初代モデルに設定されていた2.4リッターエンジンの復活を望む声も見られます。
中国メーカーからはエリシオンよりもさらに安い上に、より充実した先進運転支援機能、そして電動パワートレインによるパワフルな性能を兼ね備えた選択肢が多く、エリシオンはマイナーチェンジしたとしても厳しい戦いを強いられそうです。
エリシオンの月間販売台数は700台前後、オデッセイは2000台前後という状況で、特にここ1、2年における販売台数の減少が顕著です。
3列目シートを床下に収納してフルフラットにできる機能は珍しく、高く評価される要因のひとつでもありますが、それだけでは他メーカーの選択肢に対抗できるはずがありません。
現在、中国市場におけるホンダの業績は芳しくなく、全体の販売台数は毎月減少傾向。2025年に発売したばかりの新たな中国専売BEVも販売台数は月200台前後(2025年6月の値)という状況です。
BEVで良い成績をおさめられないのであればHEVといった車種に期待したいところですが、そのHEVもオデッセイ/エリシオンで見られるように、新モデルの投入ペースが遅い印象です。
中国で事業を展開している日系メーカーの中ではホンダがもっとも先行きを不安視されており、再興を狙う起死回生の一手が求められています。
Writer: 中国車研究家 加藤ヒロト
下関生まれ、横浜在住。2017年に初めて訪中した際に中国車の面白さに感動、情報を集めるうちに自ら発信するようになる。現在は慶應義塾大学環境情報学部にて学ぶかたわら、雑誌やウェブへの寄稿のみならず、同人誌「中国自動車ガイドブック」も年2回ほど頒布する。愛車は98年式トヨタ カレン、86年式トヨタ カリーナED、そして並行輸入の13年式MG6 GT。







































































