三菱新型「パジェロ」来年度内に登場!? 復活の理由は「ブランド再構築」か… タイ生産で日本再上陸? 報道後の三菱、ファンの声とは

2025年9月上旬に「パジェロが来年度内に復活」というニュースが流れました。大きな話題となっていますが、同時期には三菱が主催する「スターキャンプ」が開催されました。その現場にいたファンの反響はどのようなものだったのでしょうか。

日本市場でのパジェロ復活は本当か? ファンの声は

 一部のテレビニュースや新聞報道で2025年9月上旬、「パジェロが来年度内に復活」というニュースが流れました。

 報道によれば、三菱自動車工業(以下、三菱)関係者の話として、新型パジェロはタイ生産で日本に輸出する計画だと言います。(次期)「パジェロスポーツ」の日本仕様といった具体的なモデル名を記載する報道もあります。

 ただし、こうした報道はあくまでも報道機関各社による独自報道であり本稿執筆時点で三菱から正式な発表はない状況です。

次期パジェロはどうなる?(画像は現行モデル)
次期パジェロはどうなる?(画像は現行モデル)

 そうした中、三菱は毎年恒例となっている三菱ユーザー向けイベント「スターキャンプ」を富士山を望む「ふもとっぱら」で開催し、事前応募で当選した400組を超える三菱ユーザーのほか、アフターメーカー各社と三菱関係者らが集いました。

 筆者もスターキャンプに参加し、1泊2日のキャンプを楽しみながら参加者らと意見交換を行いました。

 その一環として「パジェロ」ユーザーに対して、または過去に「パジェロ」を所有していたが現在は別の三菱車を所有するユーザーらに、パジェロに期待することを聞いてみました。

 すると、パジェロ復活に関するニュースをすでに知っている人が多く、こちらに対して「あの話は本当ですか?」と逆に質問されてしまいました。

 その上で、昔乗っていたパジェロ、また現在乗っているパジェロに対する「愛」が皆さんとても強く、クロカンの王道だったパジェロ全盛期を懐かしむ声が多かった印象です。

 ただし、パジェロでの参加者は少数派でした。

 三菱によると、今回の参加車両のモデル別比率は「デリカD:5」が63%で圧倒的に多く、次いで「アウトランダー」(17%)、「デリカミニ」(6%)と続き、「パジェロ」は5%にとどまります。

 パジェロは1982年に初代がデビュー。2019年の販売終了まで4世代に渡って販売されました。

 その後は海外向けの生産を続けたものの2021年に生産を終了しているモデルですから、今回のスターキャンプでパジェロの姿が少ないのは当然なのかもしれません。

 では、本当に「パジェロ」は国内市場で近年中に復活するのでしょうか。

 スターキャンプで三菱関係者からは「お客様やメディアから期待されていることは承知している」という声があったものの、一部報道になったような内容について言及する人はいませんでした。

 会社として正式発表がなされていなのですから、これは当然のことです。

 その上で、可能性は十分にあると筆者は考えます。

 三菱としてはアセアン市場を事業成長の中核と位置付けながら、日本国内市場の重要性をさらに高めていこうという時期であり、そうした中で新たなるモデルラインアップを考慮することは当然の流れであると思うからです。

 その切り口は「ブランド戦略」。

 スターキャンプは日本国内での三菱ブランドを再構築する重要イベントに位置付けられており、近年は三菱本社主催イベントのみならず、全国各地の三菱販売企業によるスターキャンプの輪が広がっている状況です。

 さらに、デリカミニのイメージキャラクターである「デリ丸。」効果もあり、以前に増してファミリー層に対して三菱ブランドが浸透していることも事実でしょう。

 このように、日本国内市場において三菱ブランドが地に足のついた状態になってきた今ならば、アウトランダーとは別枠で、もうひとつSUVラインアップが加わることを、ユーザーにとって、また販売店にとっても素直に取り込めるのではないでしょうか。

 ただし、価格帯として見ると、電動車のみの設定となったアウトランダーとパジェロが日本国内市場での三菱のツートップという形が考えられるかもしれません。

三菱「トライトン」
三菱「トライトン」

 なお、一部報道にあるように、復活するパジェロがタイ生産になるという件ですが、仮にそうなるとピックアップトラックの「トライトン」と同じ方法になります。

 筆者はこれまで数度、タイの三菱生産拠点であるMMThを取材しており、直近では2024年4月にバンコクモーターショーの取材を兼ねてMMThの内部を視察しています。

 その時点では、日本向けパジェロ復活に関する具体的な話は出ませんでした。

 一部報道にあった「来年度内のパジェロ日本復活」の話は、火のないところに煙は立たないと言えるのでしょうか。

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Writer: 桃田健史

ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。

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