クルマが大きくなってきた昨今は、5ナンバーサイズで取り回しがしやすく、室内が広いスライドドアミニバンの選択肢が少なくなってきました。

　しかし少し時代をさかのぼると、使い勝手が良くコンパクトながらも、広々とした空間を持つモデルは少なくありませんでした。

　フルフラットも可能で車中泊もできるほどゆとりの空間を持つトヨタのミニバンについて、改めて振り返ります。

　低床・低重心で、ルーフの高さもそれほどなく、乗用車感覚で乗れるミニバンのひとつに、トヨタ「アイシス」があります。

　2004年にデビューした5ナンバーサイズミニバン（一部3ナンバーサイズのグレードあり）は、特別なスライドドアと多彩なシートアレンジを持った、ユーティリティ性能の際立つ1台です。

　ボディサイズは全長4635～4640mm×全幅1695～1710mm×全高1640～1670mmで、ホイールベースは2785mmあります。

　ロールーフで、かつ取り回しのしやすい手ごろなサイズ感ですが、室内が非常に広いのが特徴です。

　室内長2705mm×室内幅1470mm×室内高1315mmと、移動するにも車中泊に使うにも十分な広さです。

　そんなアイシスの特徴的なポイントは、助手席側のスライドドアにBピラーが内蔵されている点にあります。

　これにより、助手席ドアと助手席側スライドドアを開けると、仕切りの無い大きなドア開口部が出現します。

　その幅なんと1890mm。バックドア以外にも大開口の出入り口があることで、荷物の積載が非常に行いやすくなっています。

　また床面地上高が380mmと低めに設定されているので、乗り降りもしやすいです。