ベトナム国籍の会社員をひき逃げで逮捕! クルマで自転車に衝突、男性にケガを負わせて逃走!? 何があった? 元警察官が解説

今年5月に北海道北広島市の国道で発生したひき逃げ事件について、警察はベトナム国籍の会社員の男を逮捕しました。

ネット上では「外国人の『逃げ』に対する罰則があまりにも軽すぎる」「任意保険の強制加入が必要」などの声

 2025年5月に北海道北広島市の国道で発生したひき逃げ事件について、北海道警は8月25日、上士幌町に住むベトナム国籍の会社員の男を自動車運転処罰法違反(過失運転致傷)と道路交通法違反(救護義務違反、事故不申告)の疑いで逮捕しました。

 事件発生から約3か月後の逮捕となりましたが、一体どのような事案だったのでしょうか。

北海道北広島市の国道で発生したひき逃げ事件について、警察はベトナム国籍の会社員の男を逮捕(画像はイメージ/フォトAC)
北海道北広島市の国道で発生したひき逃げ事件について、警察はベトナム国籍の会社員の男を逮捕(画像はイメージ/フォトAC)

 この事案は今年5月24日の午前10時頃、男が北広島市内の国道を乗用車で走行中、道路の路側帯を同じ方向に走っていた自転車の男性と接触し、ろっ骨を折るなどの大ケガを負わせたにもかかわらず、そのまま現場から逃走したものです。

 警察によると、男は前方を走っていた自転車を追い越す際に衝突し、一度クルマから降りて自転車の男性に声を掛けたものの、事故を目撃した周囲の人が警察に通報すると現場から走り去ったということです。

 警察は現場付近を通行していたクルマのドライブレコーダー映像を分析するなどして容疑者を割り出し、裏付け捜査を進めた上で、事故から約3か月が経過した8月25日に男を逮捕しました。

 男は警察の調べに対し、自転車の男性に衝突したことについて「間違いありません」と容疑を認めたほか、「他の人が警察に通報したので立ち去った」などと話しています。

 男は技能実習生として来日、現在は会社員として働いており、日本の運転免許を所持していました。

 また事故当時、男のクルマには4人の同乗者がいたということで、警察は事故の原因や逃走した経緯、クルマの所有者などについて詳しく捜査しています。

 このニュースに対して「他の人が通報したから、と立ち去る意味がわからない。ベトナムはそれが許されるのか?」「外国人の『逃げ』に対する罰則があまりにも軽すぎると思うので、重い罰則の必要性を感じる」「同乗者は一体何してたんだ?」など、憤りの声が多く寄せられました。

 また「任意保険に入っていないから逃げたのかな」「被害者が泣き寝入りになってしまわないように任意保険の強制加入が必要」との意見や「このベトナム人が外免切替で日本の免許を取得したのだとしたら、簡単な制度を認めたお役人の責任も大きい」といった声も上がっています。

 特に最近は、外国の運転免許証を日本の運転免許証に切り替える「外免切替」の制度に対して「試験が簡単すぎる」「外国人が簡単に日本の運転免許を取得できてしまう」などの批判が相次いでいる状況です。

 今回逮捕されたベトナム国籍の男がどのようにして日本の運転免許を取得したかは明らかになっていませんが、外免切替の外国人による重大事故が相次ぐ中で、国民の不安が高まっているといえるでしょう。

 なお外免切替の手続きは原則として、書類審査→適性試験→知識確認→技能確認という流れでおこなわれ、日本の交通ルールを問う知識確認に合格すれば運転技術をチェックする技能確認に進み、この技能確認に合格すると日本の運転免許証が交付される仕組みです。

 ただし書類審査に関しては、観光客のような短期滞在の外国人であっても、「旅券」と「一時滞在証明書」を提出すれば手続きの申請ができてしまう現状があります。

 そのため外国人観光客が旅行ついでに日本の運転免許証を取得する事例も後を絶ちません。

 さらに知識確認についても、問題が○×形式でわずか10問しか出題されない上、7問以上正解で合格という非常に緩い合格基準となっています。

 また知識確認の試験を日本語以外の20数か国の言語で受験できるという点も、「外国人優遇」と呼ばれる要因のひとつです。

※ ※ ※

 外免切替者による重大事故の発生や批判を受けて警察庁は、10月1日から新たな外免切替制度を開始することを明らかにしました。

 具体的には外国人観光客を外免切替の対象外とするほか、知識確認の問題数を50問に増やし、合格基準を90%に引き上げるなど要件を厳格化するということです。

【画像】これは自慢出来る! 凄すぎる「最強免許」の画像を見る!(21枚)

参加無料!Amazonギフト券贈呈 自動車DXサミット BYD登壇 最新事例を紹介(外部リンク)

画像ギャラリー

Writer: 元警察官はる

2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。

実績500万人超!お得に車売却(外部リンク)

新車不足で人気沸騰!欲しい車を中古車で探す

【NEW】自動車カタログでスペック情報を見る

【2025年最新】自動車保険満足度ランキング

最新記事

メーカーからクルマをさがす

国産自動車メーカー

輸入自動車メーカー