トランプ関税でアメ車は日本で売られるのか? 米国製日本車にも現実味… 今後の関税と安全基準は? 並行輸入業者はどう見てる?

日米間の関税問題が再び注目されています。特に自動車産業への影響は大きく、日本から米国への輸出だけでなく、米国から日本への輸入にも変化が起こるかもしれません。トランプ大統領は、日本の安全基準を「貿易の障壁」と指摘し、米国製自動車の日本への輸出拡大を狙っていると見られています。こうした状況の中、米国で生産される人気モデルが、今後日本で正規販売される可能性はあるのでしょうか。現在の課題と展望について解説します。

米国生産車の日本導入は実現するのか?

 ドナルド・トランプ氏の二期目大統領就任を機に、日米間の「トランプ関税」が再び話題になっています。

 特に日本の基幹産業である自動車業界への影響が懸念されており、アメリカへの輸出だけでなく、日本への輸入にも大きな変化が起こるかもしれません。

 アメリカが日本に求める「貿易の障壁」とは一体何なのか、そして今後、アメリカ製の人気モデルが日本で正規販売される可能性はあるのでしょうか。

 現在の状況と今後の展望について、解説していきます。

北米を中心に展開されるトヨタ「セコイア」 果たして日本に正規導入される可能性は?
北米を中心に展開されるトヨタ「セコイア」 果たして日本に正規導入される可能性は?

 最近、巷を賑わせているのが、日米間の相互関税率、いわゆる「トランプ関税」の話題です。

 アメリカへの輸出品目が多い日本にとって、関税率は様々な分野に影響を与えることになりますが、特に注目されてきたのが、日本の基幹産業とも言えるクルマ。

 今後は、アメリカへの輸出だけでなく、日本への輸入についても変化が起こりそうなのです。

 まず輸出ですが、日本からアメリカにクルマを輸出した場合にかかる関税率は、従来は2.5%でした。

 しかし、トランプ氏が二期目の大統領に就任してから提示された税率はなんと25%。

 周知の通り、1/4もの税金が掛けられれば車両価格が高騰し、需要にも大きな影響が出ます。

 その後、日本政府が粘り強く交渉した結果、その半分の12.5%と既存の税率を合わせた15%ということに落ち着きました。

 ただ、最近ではこの数字も玉虫色で、完全に合意に至っていないという見方もあります。

 今回のアメリカ側の圧力は、貿易黒字解消というのが題目ですが、トランプ大統領の狙いは日本車の輸入を減らすことよりも、自国製品の輸出台数を増やすことにあります。

 ちなみに日本は、すべての国からの新車と自動車部品について関税率を0%にしています(並行輸入車は車両代+経費に対して通関時の消費税10%)。

 いわゆる自由貿易状態です。

 では、なぜアメリカは圧力をかけてくるのでしょうか。

 それは日本の定めた自動車安全基準が、貿易の障壁になっているとトランプ大統領が考えているからです。

 日本はクルマの輸出入の円滑化につながる、国連の安全基準協定、いわゆる「1958年基準」を批准しています。

 これにはドイツ、フランス、イタリアといったEUの主要な自動車生産国をはじめ、日本、韓国など45か国、1地域が加盟しています。

 この安全基準に則ったクルマを造ることで、それぞれの国での型式認定をスムーズにしようという目的があります。

 ところが、アメリカはこの協定に加盟することなく、FMVSS(米国連邦自動車安全基準)という自国だけのものに則ってクルマを造っているのです。

 同じような安全基準であれば多問題ありませんが、このふたつの基準は方向性が異なっています。

 1958年基準が歩行者保護に重きを置いているのに対して、FMVSSはドライバーの安全性確保がメインなのです。

 例えば、日本でも大人気のアメリカ車にステランティスグループのジープ「ラングラー」がありますが、日本の歩行者保護基準に合わせるために、フロントバンパーを大型化するなどの対策を施しています。

 こうした対策に加え、右ハンドル化などのコストがかかると、本国よりもかなり高額な車両価格になってしまうわけです。

 トランプ氏は「日本の安全基準が厳しすぎて需要の障壁になっている」ということを言っていますが、これが理由で日本国内での需要が低いかは別な問題。日本の多くのユーザーは、サイズや燃費を見ていることは自明の理です。

 一方で、アメリカのクルマの人気がまったくないわけではありません。

 例えば、トランプ氏の発言の中に出てきたフォード「F-150」というピックアップトラックは、そのデザイン、サイズ感が日本のファンにも人気です。

 現在は並行輸入で日本国内に入っているのみですが、フォードの正規販売網の復活も含めて日本導入を期待しているユーザーはいます。

 ビッグ3のモデルだけではありません。トヨタ、日産、ホンダが北米で製造しているピックアップトラックやSUVの待望論は常にあります。

 例えば、トヨタ「タコマ」や「タンドラ」「セコイヤ」、日産「アルマーダ」、ホンダ「リッジライン」といったモデルは日本でも注目度が高いクルマです。

 そんななかトヨタは貿易摩擦解消対策として、北米生産の自社製品の逆輸入を前提に、各モデルの日本仕様への転換が可能かを模索中だと言われています。

 各モデルが正規輸入販売されれば、性能、法規上だけでなく保証面でも安心なのは間違いありません。

 果たして、北米専用モデルが日本で販売される可能性はあるのでしょうか。

 今後の動向にも注目です。

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