トランプ関税でアメ車は日本で売られるのか? 米国製日本車にも現実味… 今後の関税と安全基準は? 並行輸入業者はどう見てる?
日本の並行輸入業者はこの現状をどう思っているのか?
近い将来、メーカーが正規輸入販売を行う可能性が出てきましたが、すでに並行輸入を行ってる輸入業者はどのような状況なのでしょうか。
神奈川県内でランドクルーザーやタコマなどの並行輸入を行っている「PUTデポ」の金原崇雄社長に聞いてみました。
「並行輸入車では北米産の車両の人気は一定数ありますが、メーカーが輸入するとなるとどうでしょうか。
日本のユーザーはやはりサイズや燃費を気にします。それにマーケティング的にも、「ハイラックス」が販売好調な市場に、タコマを入れてくるでしょうか。タンドラやセコイヤは大き過ぎですしね」
さらに日本で販売するには、こんな問題もあると金原氏はいいます。
「日本の多くの販売店の整備工場は、日本国内向けモデル仕様になっているので、アメリカモデルに対応できないのではないでしょうか。
クルマ自体の改修に加えて、各店舗のアップデート費用を考えれば、日本に入れられるモデルは限られるような気がします。
現状でアリかなと思うのは「ハイランダー」か「シエナ」くらいですね」
トヨタは1996年にも貿易摩擦解消のため、GM生産のシボレー「キャバリエ」をバッジモデルとして日本国内で販売したことがあります。
右ハンドル化など行って輸入されましたが、低価格でも日本のユーザーには受け入れられず、結局4年で販売が中止されました。
時代は変わり、ユーザーの価値観も大幅に変化しているため、日本のユーザーが注目しているモデルを導入すれば成功する可能性は十二分にあります。

昨今の日本のピックアップトラック需要を考えれば、タコマなどは需要が期待できそうです。
ただ、日本の法規や安全基準に対応するためのコストがどれだけかかり、それが反映された車両価格がいくらになるのか次第と言えます。
以前にある日本の自動車メーカー関係者は「仮に米国生産のクルマを日本にいれるのであれば、日本と米国における安全基準、車検制度など色々な部分を見直さなければ難しい部分があります。ただ『日本にいれる』のではなく関係する法規や手続きも含めて議論していくのが大切です」と語っています。
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アメリカの貿易赤字を減らすのは、自動車メーカーにとっても頭が痛い問題なことは間違いありません。
Writer: 山崎友貴
自動車雑誌編集長を経て、フリーの編集者に転向。登山やクライミングなどアウトドアが専らの趣味で、アウトドア雑誌「フィールダー(笠倉出版社刊)」にて現在も連載中。昨今は車中泊にもハマっており、SUVとアウトドアの楽しさを広く伝えている。












































































