街でよく見る「英国オフロードSUV」なぜ人気? 最安モデルで「872万円」って高級なのに「指名買い」する人も! 大人気なランドローバーの伝統モデル! 「ディフェンダー」の“富裕層”を惹きつける「納得の理由」とは?
特に都心など街中で見かける機会の多いランドローバー「ディフェンダー」。新車は値上がりが続いているうえ、中古車市場にも高値で流通しています。その人気の理由はどこにあるのでしょうか。
「英国オフロードSUV」人気の理由とは?
ランドローバー「ディフェンダー」は国内外を問わず熱狂的なファンを抱える人気SUVです。
最も安いモデルとしてラインナップしている「ディフェンダー 110 S」でも872万円(消費税込、2025年8月時点)という高値で販売されていますが、その価格の割に街中で見かける機会が多くなっています。
実際に、日本自動車輸入組合(JAIA)が発表する「外国メーカー車モデル別新車台数ランキング」によると、「ディフェンダー 110」の販売台数は2025年1月から3月は第11位(1212台)を記録。
これだけ売れている背景には一体何があるのでしょうか。

ディフェンダーはイギリスの自動車ブランド「ランドローバー」の象徴的なオフロードSUVとして認知されています。
ディフェンダーの源流となるモデルは1948年に誕生。
ランドローバーの歴史と深く関係するモデルです。
現行型は2019年に日本での先行予約を開始、2020年に通常モデルの受注をスタートしました。
日本向け最初のモデル「ローンチエディション」は受注開始から4日で予定していた総販売数の150台に達するなど、登場時点からかなりの人気を集めていました。
ディフェンダーは車体が短い3ドアボディの「90」と、3列シートの設定もある5ドアボディの「110」「130」を設定。
110には最高出力635PSの高性能モデル「OCTA」が用意されています。
パワートレインはガソリンからディーゼル、マイルドハイブリッド、プラグインハイブリッドまで多岐にわたります。
そんなディフェンダーの人気の要因は資産価値にあります。
新車の購入にあたっては、将来の下取り(買取り)の際に高値で取引されることを期待、つまりリセールバリューの高さを考慮して人気のある車種やグレード、装備、ボディカラーを選択する人も多いでしょう。
実際にディフェンダーを中古車市場サイトで調べてみると、現行モデルは中古で500万円台から1600万円台で流通。
ボディタイプ別では、日本で比較的よく売れている110の台数が多く、90がそれに続きます。
現行型の中古車のなかには、走行距離が500kmにも満たない良好なコンディションのクルマも存在します。
台数は20台弱と少なめで、その大半が900万円台以上の高値で流通しています。
新車が人気で価格上昇が続いている場合、新車同然のコンディションの中古車を求める人も少なくありません。
2020年4月の登場時点ではディフェンダーの新車最安値は90で499万円、110は589万円でした。
それ以降は値上がりが続き、2025年8月時点での最安値は90で1016万円、110は872万円まで上昇しています。
近年の人気高騰や部品調達による新車の供給制限などの要因がからみ、高いリセール価値を維持しているようです。
街で見るディフェンダーのなかには、新車だけでなく中古で購入されたモデルも多数混じっていると考えられます。
資産価値以外にも、さまざまな路面状況に対応する抜群の耐久性も特徴です。
ボディは従来のラダーフレーム構造に代わってアルミ製のモノコックシャシーを採用、足回りには4輪独立懸架サスペンションを装備しています。
通常モデルの渡河水深は最大900mmで、深い水たまりを含めあらゆる地形の走行に対応。本格的なオフロードSUVとしての性能を十分に備えています。
また、ほかのSUVとは異なる唯一無二のデザインも魅力。
オーバーハングを切り詰めた四角いボディは、すぐにディフェンダーとわかる個性的なシルエットです。
そんなディフェンダーは「ワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イヤー 2021」を受賞。
ランドローバーのモデルとしては「レンジローバー イヴォーク」「レンジローバー ヴェラール」に次ぐ3台目の受賞です。
ランドローバーのモデルとしての歴史や伝統を受け継ぐディフェンダーは独自の魅力をもち、確固たる地位を築いています。
Writer: 山城颯太
理系国立大学を卒業後、自動車メディアを中心にフリーランスのライターとして活動中。TOEIC 925点。クルマから電車、飛行機まで乗り物大好き。主に新型車のグレードに焦点を当てたモデル紹介、海外車の執筆などを担当。


























