NEXCO激怒「告発も視野に入れます!」 「4年で計20回」も“不正通行”した事業者を公表! 規格外の「超・大型車両」を法律ガン無視・無許可で走行! 「即走行中止」の場合も?
NEXCO西日本は、高速道路で車両制限令に違反して車両を通行させたものに対する是正指導を公表しました。
怒りの「是正指導」公表
NEXCO西日本は2025年8月13日、リリースを発表。
高速道路で、「車両制限令」に違反して車両を通行させたものに対する是正指導を公表しました。
一体どのような指導が入ったのでしょうか。

車両制限令は、1961年(昭和36年)7月に公布され、1962年(昭和37年)2月に施行された政令です。
道路法第47条に基づいたもので、道路の構造を保全し、交通の危険を防止するため、道路を通行する車両の大きさと重さの最高限度(一般的制限値)を定めています。
このうち重さについては、総重量20t(高速自動車国道または指定道路は25t/車両の長さなどで多少異なる)まで、軸重10tまでと明確に決まっており、これを超える車両は通行できません。
なぜこのように重さが決まっているかというのは、道路を設計するうえで、この重さが基準となっているため、もし重量オーバーすれば、道路の舗装や構造物を著しく傷めるからです。
例えば、軸重20t(基準の2倍)の重さで走行した場合、道路の床版に与えるダメージは、軸重10t(基準の上限)で走行したトラックの4000台分に相当します。
こうしてダメージが蓄積していくと、舗装が剥がれたり、構造物に亀裂や損傷を与えます。やがて手直しが必要になり、車線規制や通行止めなどの規制を敷いて道路工事をしなくてはならず、交通流にも影響を及ぼし、時間的ロスも増大させます。
また、通行時は大きな騒音や振動をたて、周囲の交通や近隣住民などに迷惑をかけます。
いっぽう、橋桁や鉄柱、トンネルの掘削機など大規模な建設現場への資材の搬入や、鉄道車両や変圧器といった大型貨物の輸送、数十トンもある大型クレーンなど、バラしようがなく、どうしても重さを超える場合があります。
こうした道路法の一般的制限値を超えた車両は「特殊車両」といい、通行経路や道路管理者の許可、車検証や車両の詳細を記した説明書などの書類を集めて「特殊車両通行許可」を受ければ、特例で通行することができます。
場合によっては、後ろにグリーンの誘導灯を取り付けた誘導車をつけたり、通行車両を規制してほかのクルマといっしょになって走らなくするなどの措置が必要になります。
近年ではこの「特殊車両通行許可」はオンライン上でもできるようになり、比較的容易な申請が可能となっていますが、未だに無許可の重量オーバー車による不正走行はなくなっていません。
特に、近年は高速道路の建設から年数が経過し、すでに劣化が進んでいるにも関わらず、悪質な重量オーバー車が不正に通行することで、さらなる劣化や周囲への危険を招いています。
こうしたことに対し、NEXCO各社は、車両制限令の違反車両に対する取り締まりを強化しています。
NEXCO西日本では、日本高速道路保有・債務返済機構(以下、高速道路機構)のサイトで、何度も違反を繰り返す事業者の名称を公表しています。
2025年8月1日時点の最新のものでは、21の“悪質事業者”を公表。
なかでも埼玉県秩父市のA事業者では、2022年に6件、2023年に7件(しかもそのうち2件は同じ日)、2024年に4件、2025年に3件と、4年間で計20件も是正指導を受けています。
その内容としては、「特殊車両通行許可の許可証を持っていない」、「許可証のルートとは違う道を通った」、「車両制限令を異常にオーバーする状態で運行した」、さらには「許可証の有効期限が切れていた」とさまざまです。
このA事業者に対しては、「再び違反行為が行われることのないよう改善措置を講じること」と「その具体的内容を報告すること」が課せられています。
NEXCOは「引き続き高速道路機構および各高速道路会社と連携し、高速道路における道路法(車両制限令)違反者に対する指導取締りを実施するとともに、悪質な違反者に対しては告発等も視野に入れた関係機関への情報提供をおこなってまいります」と、断固として許さない考えです。
※ ※ ※
NEXCOでは、「車両制限令等違反車両取締隊」(NEXCO中日本の呼称/通称:車限隊)などを配置して法令違反車両を取り締まっており、違反車両がいれば、その場で「措置命令書」を交付しています。
措置命令書が交付されると、安全な場所に移動させ、積荷を減らして軽くさせるほか、「高速を降りなさい」という通行の中止を命じることもあります。
Writer: くるまのニュース編集部
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