ホンダの最新「高級ミニバン」“ファーストクラス並み”の広々シート×軽快な走りがスゴすぎる! 復活を遂げた「オデッセイ」ライバル車にはない魅力とは!
ミニバンなのに軽快な走りが楽しめる!
●3列目の床下収納は大いにアリ!
オデッセイのシートアレンジといえば、3列目の格納方法が特徴的で、完全に荷室床下へ沈めることができます。
これが、使い方によっては超便利。どんな人とマッチングがいいかといえば、3列目を常に畳んでおく人です。
アルヴェルの左右跳ね上げ式と違って畳んだ時に斜め後方視界を狭めることがないし、荷物を積む際の邪魔にもなりません。

また、エルグランドの前倒しに比べるとシートが小さく畳まれるのがアドバンテージ。オデッセイの3列目は、居住性ではアルヴェルやエルグランドに劣っていますが、畳んだ際の実用性はナンバーワンです。
3列目はほとんど使わず畳んだ状態が多いというユーザーと、このオデッセイの3列目はとても相性がよく、クルマの使い方次第では「ライバルよりも魅力的」となるでしょう。
●走りはやっぱり気持ちいい
運転好きにとって、オデッセイの魅力といえば爽快なハンドリングにあります。アルヴェルやエルグランドに対しても明確に軽快で、スーッと曲がっていくノーズの入りから旋回中の安定感まで明らかに勝っていると言っていいでしょう。
その違いは峠道などでわかりやすいですが、高速道路でのロングドライブでも本線へ合流する手前や分岐した後のループ状になっている道などでも「この瞬間がオデッセイだね」と感じられるもの。
3代目の「アブソルート」で極めた異次元の走りは、あの時ほどの鋭さはないものの、今なお継承されていることを感じます。お世辞抜きでハンドリングマシンです。
そして最新モデルのパワートレインはハイブリッド(e:HEV)のみになりましたが、低中速域ではモーター中心に走る加速の滑らかさやリニアさはアルヴェルのハイブリッド以上。
つまり、運転好きならばきっとオデッセイのドライバビリティの良さを気に入るんじゃないでしょうか。
ところで最新のオデッセイは「中国製」だってことを気にする人もいるかもしれません。しかし、品質において心配する必要はないでしょう。
まずインテリアのフィニッシングに関して「クオリティの低さ」は微塵も感じられず、価格に見合う仕立ての良さです。
いっぽう耐久性といった機械的なことが気になるかもしれませんが、それはホンダがしっかりとコントロールしていますから信用すべきでしょう。日本で作ろうと中国で作ろうと、ホンダ基準は変わりないのです。
クルマのクオリティはある程度生産ラインの状況に左右される部分でもありますが、広州工場はかつて国内でオデッセイを生産していた狭山工場よりラインの設備も新しいですし。
少なくとも大部分を中国で生産する「iPhone」を中国製だからといって心配する人はいませんよね。それと同じことなのです。
蛇足ながら最後に、オデッセイに要望をひとつ言えば、2列目にはノートパソコンを広げられるような大きく立派なテーブルがあると嬉しいです。
そのあたり、昨今の中国のプレミアムカーはしっかり用意していることが多いので。メルセデス・ベンツ「Vクラス」の最新上級仕様にも立派なテーブルがありますし、オデッセイにも導入されることを願います。
Writer: 工藤貴宏
1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。



















































