新車207万円から! トヨタの「小さいミニバン」なぜ売り上げ絶好調? 安くて運転しやすいだけじゃない! 「シエンタ」に人気が集中する意外な理由とは?
ほかのトヨタ車が納期遅延するとシエンタが売れる!?
シエンタの納期はどうでしょうか。販売店からは次のような返答がありました。
「最近のトヨタ車は納期が遅れ気味で、受注の停止と再開を繰り返している車種もあります。
生産枠が埋まると受注を止めて、ある程度まで納車が進むと受注を再開します。その後に再び停止するのです。
しかしシエンタは、安定的に受注できます。そのためにディーラーの販売力がシエンタに集中している面もあるでしょう」

それでもシエンタは、コンパクトなミニバンですから、誰でも購入できるクルマではないでしょう。
「そうでもありません。例えばノアやヴォクシーの受注が止まっている時、お客様にクルマの使い方を尋ねると、シエンタでも満足できることがあります。
弊社としては、本当はシエンタよりも価格の高いノアやヴォクシーを売りたいのですが、受注が停止していると販売できません。そこでシエンタを提案するわけです。
シエンタは207万7900円からと安価なので、奥様の理解を得やすいです」
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このようにシエンタは、運転しやすく価格が割安なことに加えて、ミドルサイズミニバンを筆頭とするクルマの値上げ、トヨタ車の納期遅延でシエンタに販売力が集中したことなど、いろいろな要素によって好調に売られていることがわかります。
そんなシエンタは、2025年8月1日に一部改良を受け、商品力が向上。利便性と安全性の向上が図られたほか、「動く部屋」としての使い勝手を高めた2人乗り仕様のコンプリートカー「JUNO」が新たに設定されました。
今後、コンパクトミニバンのライバル車が登場する予定もないため、シエンタは好調に売れ続けるでしょう。
Writer: 渡辺陽一郎
1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を得意とする。




































