高速道路の「右ルート」「左ルート」早く着くのはどっち!? そもそもなぜ分かれているのか? 中には「絶対左」を選択しなければならないパターンも

高速道路を利用していると、しばしば「右ルート」「左ルート」の選択を強いられる場面に遭遇します。どちらを選んだ方が早く目的地に到着できるのでしょうか。

「右ルート」「左ルート」どちらを選択すれば良いのか

 高速道路を利用していると、ある区間で「右ルート」「左ルート」と書かれた標識が現れ、進行方向に迷った経験のある方も多いのではないでしょうか。

 どちらのルートも最終的には同じ高速道路に合流しますが、なぜこのように道が二手に分かれているのでしょうか。

高速道路の「右ルート」「左ルート」はどちらを選ぶべきなのか
高速道路の「右ルート」「左ルート」はどちらを選ぶべきなのか

 この「左右に分かれるルート」は、進行方向が分岐するジャンクションとは異なり、目的地や方向に違いはありません。どちらを通っても最終的には同じ地点に戻ってくる構造となっています。

 こうした構造を採用しているのは、東名高速道路下り線の大井松田IC→御殿場IC、東名高速道路上り線の焼津IC→静岡IC、名神高速道路上下線の茨木IC〜京都南IC、中央自動車道下り線の上野原IC→大月ICの5区間です。

 これらの共通点は、交通量が非常に多く、かつカーブが連続するため渋滞が発生しやすいという点にあります。

 ルートが2つ存在している理由は、交通量の増加により、従来の片側2車線では対応しきれなくなったためです。

 その解決策として、道路の用地拡張や構造変更が難しい場所では、新たに並行する道路を建設し、左右に振り分けることで実質的に車線数を増やす方法が採られたのです。

 たとえば、東名高速の大井松田IC〜御殿場IC間では、従来の下り線を「左ルート」として活用し、元々の上り線を下り専用の「右ルート」に転用。これにより、下り線は左右それぞれ2車線、合計4車線へと拡幅されました。

 一方で上り線は新たに3車線の道路を建設し、完全に独立したルートとして再構築されています。

 それでは左右に分かれているルート、どちらを選べば早く目的地に到着できるのでしょうか。

 結論、このように分かれていても、基本的にどちらを選んでも大きな違いはありません。所要時間や距離にほとんど差はなく、目的地にも問題なく到達できます。

 ただし注意点として、以下のように左ルートからしか利用できない施設や分岐があります。

 東名高速の「鮎沢PA」や名神高速の「大山崎JCT/IC」は左ルートにしか設定がなく、右ルートを選択してしまうと通ることができません。

 特に京滋バイパスは名神が渋滞している時の迂回ルートになるため、ルート選択を間違えると大きなタイムロスにつながる可能性もあります。

 これらの施設を利用する場合は、必ず左ルートを選ぶようにしましょう。

 また、実際の交通の流れとしては、追い越し車線を走っていたクルマが右ルートへ、走行車線のクルマが左ルートへそのまま流れる傾向にあります。

 そのため、右ルートのほうがスピードの速い車両が多くなりやすいとも言われています。

 なお、左ルートからしか入れない施設があることで一時的に左ルートに交通が集中することもありますが、所要時間に大きく影響を与えるケースは少ないと考えられています。

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Writer: くるまのニュース編集部

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